じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真]  紅梅と茅葺き家屋。どこだか分かりますか?


2月5日(土)

【思ったこと】
_50205(土)[心理]2005年もウンザリの血液型番組(3)両親が同じでも血液型が異なるとご先祖様は違うのか?

 みのもんたさんのおもいっきりテレビ「血液型別・血中脂肪を減らす魚肉菜の選び方」へのツッコミの3回目。当日の放送記録も併せてご参照いただきたい。

 さて、この番組は血液型別魚肉野菜の選び方を取りあげていたはずであったが、その途中ではなぜか「血液型の誕生」という話題が挿入された。
紀元前5万年頃にアフリカでO型人類が誕生。そこから紀元前4万年〜1万年頃にA型ができて、さらに紀元前1万年〜3500年頃にヒマラヤ付近でB型、最後に紀元前900年〜西暦900年頃にAB型が誕生した。O型はアフリカで生まれたから狩猟民族、A型は農耕民族...。
というような内容である。この日の番組の話題や前後の文脈から判断して、要するに、O型人間とA型人間は、その起源や自然環境への適応の仕方が異なるので体質も異なる、だから、オススメの食べ物も違ってくるのだということを言いたかったようだ。

 しかし、仮に血液型誕生の起源がお説の通りであったとしても、血液型最優先で体質が決まると考えるのは明らかな飛躍である。例えば、O型の父と、A型(但しAO型)の母をもつ、2人兄弟が居たとする。兄はO型、弟はA型であったとしよう。また隣の家には、アフリカからやってきた家族が住んでおり、そこにもO型の兄とA型の弟が居たとしよう。

 もし血液型が第一義的に消化の特性や食習慣まで影響を及ぼすというのであれば、人種や両親の違いにかかわらず、O型はO型、A型はA型だけで体質が決まってしまうことになるが、そんなことがあってたまるか。

●血液型の違いにかかわらず、体質は、親子やきょうだい間で一致しやすい。

と考えるべきではなかろうか。同じ親から、ご先祖が狩猟民族の子と農耕民族の子が生まれてくるとでも言うのか。とんでもないことである。




 余談だが、今回の番組の解説者は、アメリカン○イオロジックス○ャパン専属ドクターで○木医院院長、医学博士の○木秀夫先生であった。要するにあの番組ではありがちなことだが「実験」やデータはかなりエエ加減であり、「お医者さんの言うことはちゃんと聞きましょう」という権威づけのもとで提言がなされていた。しかし、番組の冒頭では、この説は自然療法学・医師のダダモ博士(Peter J. D'Adamo←血液型ダイエットの本で有名)の説であると紹介されており、○木先生も、番組の何カ所で「ダダモ博士によれば」と断っており、いったい、単に、ダダモ博士の説を第三者的に紹介しているだけなのか、それともご自分も同じ考えであると主張されているのか分からないところがあった。それゆえ、以上3回にわたって述べたツッコミも、どの部分がダダモ博士向け、どの部分が○木先生向け、どの部分が番組制作者向け(あるいは、みのもんた向け)なのか、ハッキリできないところがある。

 ということもあるが、とにかく、この番組に関するツッコミはこれでおしまい。なお、こちらに寄せられた情報(1/30付け)によれば、2月14日にはテレビ東京系で、懲りもせずに血液型スペシャル番組を流すとか。あきれかえるばかりだが、うっかり忘れなければ、証拠保全のためDVD録画でもしておくつもりだ。




 もう一つ余談だが、昨日、電車の中の吊り広告に、

●「血液型占い」どこまで根拠があるの?

という見出しがあることに気付いた。そう言えば少し前に、文春の記者からEメイルによる取材があった。どっかで立ち読みしてみるか。