じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] チベット東部、パソン・ツォ(湖)湖畔から眺めるジェシナラガブ(6316m、写真右)とルンボガンゼガボ(6620m、その左奥)。


1月3日(月)

【思ったこと】
_50103(月)[旅行]冬のチベット(1)

 年末年始に短期間であるが、冬のチベットを訪れた。今回の旅行の目的は、ラサを起点として川蔵公路を東進しヒマラヤ最東端に君臨するナムチャバルワ(7782m)峰を間近に眺めること、途中のミ・ラ(峠)で5000mの丘からチベット東部の雄大な光景を俯瞰すること、ラサに戻った後、青蔵公路を北上してニェンチンタングラ(念青唐古拉)山(7162m)を中心とするラサ北部の山脈を間近に眺めることなどであった。

 チベットと言えば、2002年8月にカム・アムド・黄河源流域を訪れたことがあった。この時は夏だったので、ブルーポピーなどたくさんの花を楽しむことができたが、雨期にあたるため山のほうは雲に邪魔されて殆ど眺めることができなかった。今回は、もっぱら、ヒマラヤ山脈やその北のニェンチンタングラ山脈など、雪山を眺めながら軽いトレッキングに参加することが目的であった。チベット周辺は何度か訪れているが、中国・チベット自治区に入るのは今回が初めてであった。

 冬のチベットというと、冬のウルムチやハバロフスクに匹敵する極寒の世界が広がるように誤解していたが、1月のラサの気温がマイナス7度からプラス10度という数値で示されているように岡山県北と変わらない程度の寒さであり凌ぎやすかった。また、昨今の西部大開発の一環として、川蔵公路(成都〜ラサ)や青蔵公路(ラサ〜西寧)は整備が行き届いており、冬期でも路線バスが行き交うほどであった。今後これらの恩恵を受けて、冬のチベット旅行を楽しむ観光客も急増するものと思われる。但し、ラサ自体の高度が3650mと高所であることに加えて、公路の途中には5000m級の峠もあり、十分な健康管理と高所順応が不可欠である。

 旅行に出発した直後、CNNやCCTV英語放送を通じて、大津波被害のニュースが入ってきた。英語放送では当時「huge wave」などという表現も使われていたがその後すべて「tsunami(tsunamis)」に統一された(中国語放送では「海嘯」、但し、元々の「海嘯」の意味とは異なるようだ)。この時期に世界の人々によって最も多く口にされた日本語であった。

 もっとも、国際放送ということもあって、日本政府がどういう援助活動を開始したのかということは殆ど紹介されなかった。日本人にも犠牲者が出ていたことや、奈良の事件で容疑者が逮捕されていたことなどは、最終日に成都のホテルのNHK衛星放送を聞いて初めて知った。