じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 知床・ウトロの夕日(1980年3月撮影)。前日まで暴風雪が続いたため、流氷の上に雪が一面に積もり大雪原が広がっているように見えた。


12月16日(木)

【ちょっと思ったこと】

9300平米の土地が106万円とは!?

 12月17日の朝日新聞・岡山版によれば、資金難のために開業できず11年間放置されてきた未完成ホテル「玉野アルカディアリゾートホテル」の競売開札が16日、岡山地裁であった。しかし、ホテル本体の土地・建物(最低売却価格1億9415万円)には応札が無く、最初に名乗り出た希望者に売り渡すことになったという。

 地上7階、地下2階が2億円というのは超お買い得のようにも見えるが、未完成では生活できない。ネットで検索したところ岡山県・ムダ公共工事10選のNo.4にも挙げられているようだが、今後どうなっていくのだろうか。

 ところで、同記事をよく見ると、ホテル周辺の保安林約9300平米もこれと同時に競売にかけられており、こちらは最低売却価格48万円、4者の応札があり、最高値の106万円で落札されたという。

 ネットで保安林における行為制限を調べてみたところこちら
保安林においては、県知事の許可を受けなければ、立木を伐採する行為及び、立竹を伐採し、立木を損傷し、家畜を放牧し、下草、落葉若しくは落枝を採取し、または土石若しくは樹根の採掘、開墾その他土地の形質を変更する行為をしてはならないことと定められています。(森林法第34条)
という引用が見つかった。しかしこの文面を見る限りは
  • プライベートな自然観察林として保護する。
  • 松茸を採ったり椎茸の栽培を行う。
  • テントで暮らす。
といった行為は認められるように思える。何はともあれ、ボーナス程度の金額で9300平米の土地が自分のモノになるというのはスゴイ。これはぜひ応札しておくべきだった。

※こういうことを日記に書いたからといって、原野商法に興味があるわけではない。念のため。




最近の灯油価格

 毎年、近くのガソリンスタンドで灯油を購入していたが、今年は原油価格高騰の影響で例年になく値段が高い。11月中は18リットル1000円以上(持ち帰り価格)、12月に入ってやや値下がりして990円となったがまだまだ高い。1998年11月23日の日記に、「11月下旬の岡山市内のガソリンは、馴染みのスタンドで82円。灯油は、530円から540円。いずれも税別。」という記録があり、その時と比べると1.8〜1.9倍の値上がりとなっている。

 これまでに調べた最安値は某ホームセンターの850円、第二位は食品・雑貨系スーパーの890円だった。但し、どちらも自宅から片道10km以上離れたところにある。時間のムダであるばかりか、往復のガソリン代が200円かかったとすると、近くのスタンドより割高になってしまう。某ホームセンターに何かのついでがあれば別だが、通常は割高のガソリンスタンドを利用するほかはなさそうだ。

【思ったこと】
_41216(木)[心理]卒論直前発表会

 16日午後は、ゼミ合同の卒論直前発表会があった。一般性のありそうな感想をいくつか。

 まず、現時点での進捗状況(締切は来年1月31日)にかなりのバラツキがあることが分かった。ごく僅かだが、なかには未だに研究計画しか発表していない者もいた。例えば大学生対象に質問調査をやるといったって、来週には冬休みに入る。いっぽう冬休みが明けてからの調査では、データ解析と考察が間に合わない。いったいどうするつもりなのだろう。

 相変わらず気になるのがデータの分析方法だ。こちらの「2.2.8. 数量データを無理やりカテゴリー分けする」にも書いた通りであるば、

【チェック項目20】カテゴリー分けで連続変量のもつ貴重な情報が失われていないか?
【チェック項目21】正常範囲内の相対比較から異常現象を拡大解釈していないか?

という2点はぜひ留意してほしいところだ。

 血液型偏見・差別の影響でもあるまいが、「○○能力の高い人、低い人」、「○○について肯定的な人、否定的な人」、「携帯メイルを使う人、使わない人」というように、何でもかんでもタイプ分けしてしまう悪癖は何とかしたいものだ。どのような連続変量も、恣意的に基準を定めれば「高い群」「低い群」というように2つに分けることができる。早い話、「中央値より多い群」「低い群」とすることもできるし、「平均値±標準偏差内」の外側にはみ出した人たちとしてタイプ分けすることもできる。しかし、そのように「高い」「低い」と分けてしまうことで、分布の性質や、連続変量間の関数関係に関する情報は失われてしまう。せっかく苦労してデータを集めておきながら勿体ないことだ。

 入学試験の素点を例にとって考えてみよう。この場合、平均点より高い群と低い群に分けることは簡単だが、そこに質的な差が最初から存在しているわけではない。もちろん、平均勉強時間を比較すれば高群と低群で差がでるだろう。しかし、その結果だけからは「勉強時間をふやせば素点が増える」という結論は出てこない。低群の何%かは全く勉強しておらず、そのために(低群の)素点平均値を下げた可能性だってある。勉強時間と点数についての関係は、得点の分布状況やそれらの関数関係を把握して初めて分かることだ。分散分析ができるからという安易な目的でカテゴリー分けをするのは慎むべきだと思う。

 「【チェック項目21】正常範囲内の相対比較から異常現象を拡大解釈していないか? 」というのは、ドングリの背比べの例えがよく似合う。日常生活であまり不安を感じない100人に不安テストを行い、その素点から「高不安群」と「低不安群」に分けたところで、本当に不安の高い人のことは解明できない。

 ということもあるが、とにかくあと1カ月半。風邪などひかずに頑張ってもらいたいところだ。