じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 12月10日の明け方の金星と月(月齢は27.3)。デジカメでは撮影できなかったが、月の左上に火星が見えていた。日の出の方向から太陽に近い順に、金星、月、火星、さらに南の空に木星、西の空に土星、というように、太陽系の軌道上で太陽から近い順番どおりに5つの星が並んで光るという珍しい配置が実現した。

 ちなみに、太陽に一番近い水星は12月10日の19時に内合となる。12月の下旬には、明け方の東の空に、「水、金、火、木、土」というように、太陽から近い順番どおりに5つの惑星を同時に眺めることができるようになる(但し、この時期に物理的に一番近いのは太陽より手前側にある水星)。

 余談だが、この日の4時58分頃、真南の方向に移動するイリジウム衛星を見た。こちらで調べたら、該当衛星はイリジウム63号。明るさはマイナス6等だった。


12月9日(木)

【思ったこと】
_41209(木)[心理]血液型差別番組を考える(19) BPOの要望と今後の「血液型」番組

 各種報道によれば、「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の青少年委員会は12月8日、「血液型によって人間の性格が規定されるという見方を助長しないよう」、放送各局へ要望したという。BPOが私のサイトを閲覧した上で結論を出したなどということはあり得ないが、とにかく、血液型差別番組の自粛を求める公的な要望が出されたということは結構なことだ(以下の記事は、短期間で削除もしくは有料コンテンツに移動される可能性があります)。

 報道内容だけでは誤解する恐れがあるのでBPO御本家のサイトを閲覧したところ、12月10日朝7時の時点では という3本について局側の回答が寄せられており、また委員会議事のあらましというページもあることが分かったが、12月8日の要望自体がどこに掲載されているのかは私には分からなかった。確認できしだい、この日記でもコメントさせていただこうと思っている。




 ところで、報道や局側とのやりとりを見ていると、

●血液型性格判断は科学的に証明されていないにもかかわらず、これらの番組は実証済みであるかのように取り上げている

ということが最大の問題点であると見る向きがあるように思える。しかし、こちらのサイトの最近の執筆内容の中で私が強調したかったのは、科学的な裏付けがあるかないかではなく、むしろ、

●レベル3:生まれつきの属性(性別、血液型、人種など)と結びつけて他人を判断してしまうことの不当性

に関わる問題であった。従って、将来、科学的根拠に裏付けられた「血液型人間学」なるものが体系化されたとしても、他人の評価手段として血液型を利用することについては私は断固として反対する。そこに就職差別や結婚差別が含まれることはもちろんであるが、血液型別の相性、付き合い方、子どもの育て方などをテレビ番組で扱うことも他者へのステレオタイプ形成という点では同根。これからも、そのような偏見・差別が生まれないよう批判活動を続けていくつもりである。




 その一方、自己研鑽やダイエットのために血液型別の指南書を活用することに関しては、私は、少なくとも現時点ではそれほど深刻には受け止めていない。科学性という点では、健康食品の効用を取り上げることと同じレベルであり、それを信じたい人が自己の責任で選択するのは個人の自由。あまり効果があるとは思えないが、思い込みによる自己暗示にもそれなりの効用があるかもしれない。そのことまで否定する気は無い。




 血液型性格判断が科学的に証明されているかどうかというのは、「真か偽か」という二者択一の議論(=全称判断)ではなく、どういう部分についてどの程度の差があるのかを地道に探索し体系化していくべき問題である。

●レベル1:統計的には有意であるが実用的には役に立たない程度の僅かな差

に限って言えば、血液型による何らかの違いが発見される可能性は常にある。但し、同じレベルでは、身長や体重の違いがもたらす差もあるし、ひょっとして、生まれた月による差(←星座ではなく、早生まれ・遅生まれによる就学時の発達の差)が影響を及ぼすことだって考えられる。そんな中で、血液型の違いだけで

●レベル2:実用的価値があるほどの顕著な差

が見出せるとはちょっと考えにくい。仮に見出せた場合でも、まずは、「インフルエンザにかかりやすい血液型の人から優先的に予防注射をする」というように、医療・福祉に貢献する部分に限って活用していけばよい。企業の採用基準に血液型を考慮するとか、血液型別に育て方を変えるなどというのはもってのほかである。

 ところで、超能力番組が誇大に取り上げられた後、今度はそのインチキを暴露する番組が高視聴率を上げたことがあった。民放である以上、視聴率アップをめざすことを一概に否定するわけにもいくまい。ということであれば、年末・年始の番組では、「血液型やらせ実験」(←結論に都合のよい映像だけを意図的に選ぶ場合を含む)について告白・暴露する番組をぜひ放送してほしいものだ。