じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 妻のクリスマスグッズ。隣の花瓶にはコスモスやら菜の花。北海道の大雪や関東地方の夏日で話題になった12月5日みたいに、いろんな季節が混在している。


12月6日(月)

【ちょっと思ったこと】

忘年会が嫌いな私

 12月は忘年会の季節だが、私はあまり好きではない。教職員の忘年会のほうは早々と欠席届を出した。いま誘われているのが学部生主催の忘年会だが、これも「他の先生が全員出るならば義理で出ましょう」として事実上断っている。

 忘年会を好まない第一の理由は、規則的な生活習慣が乱されたくないため。夜21時や22時に家に戻ると、翌朝5時半に起きるのが困難、もしくは睡眠不足となって翌日の生活にも支障が出る。自分勝手で恐縮だが、私は、他人とのつきあいを最小限にしてでも、自分の生活の規則性を第一に考える人間である。

 第二の理由は、お酒を飲んでも心地よいと思ったことが一度も無いから。決してアルコールに弱い体質というわけでも無いのだが、じぶんから酒を飲みたいと思ったことは一度もない。若い頃、タバコの煙が充満した部屋で何度か酒を飲まされたため、酒の風味と、タバコの煙(絶対的な嫌悪刺激)によるパブロフ型条件づけが起こって、酒まで嫌いになってしまったのではないかと思う。

 第三の理由は、私は常に本音を主張する人間であって、酒の席でなければ語れないようなことは1つも無いからだ。酒の席で愚痴をこぼすくらいなら、公的な場で正々堂々と相手を批判するのが私のやり方だ。

 第四の理由は、セクハラ疑惑の防止だ。火のないところに煙は立たない。酒の席に出なければ、酒の席でのセクハラで訴えられることは絶対にない。

【思ったこと】
_41206(月)[心理]昨今の血液型論議(5)O型者へのステレオタイプ

 昨日の日記でO型者のことを書いたところ、某Web日記作者の方から
関係ないですけど、北海道って、O型が多いらしいです。(資料ナシですが)
だから、何だ?って話なんですが、北海道みたいなところに
わざわざ開拓しにくる物好きはO型が多いとか、あるいは、もっと差別的な話で、犯罪者を土工として云々な話しまで。
日本の血液型差別(?)って、根深い物があるなぁと・・・
というメッセージをいただいた。

 「O型者が北海道に多いらしい」ということに関してどこかに資料が無いものかとGoogleで検索したところ、「血液型御本家」のABO WORLDのData Bankの中に、都道府県別の血液型分布というのがあり、北海道でO型者の比率が高いというデータがあった。ここでは、
中では、北海道なんかはO型が少し多くなるんだ。昔、未開の土地へ渡ってみようと思った、フロンティア精神の旺盛な本州の人々には、やはりO型が多くいたんだね。これは、ヨーロッパからアメリカへ渡った人々と同じ傾向なんだ。
そして、もともと住んでいたアイヌの人々はA型が多いんだよ。
と解釈されていた。もっとも、日本人全員が血液型を申告しているわけではないし、北海道民の中で開拓時代に本州から移り住んだ人に限ってO型者が多いという証拠も無い。

 余談だが、上記でアメリカ人にO型者が多いのが「O型者の中に未開の土地へ渡ってみようという人が多かったため」と解釈できるかどうかも甚だ疑わしい。同じData Bankの中の世界の血液型分布を見ると、(あくまで、正確なデータであると仮定しての話だが)ヨーロッパ系アメリカ人の出身国に多いアイルランドやイギリス、あるいはアフリカ系アメリカ人の先祖の多く住んでいた西アフリカ地域にはO型者がもともと多いことが分かる。先祖が住んでいた地域の中からフロンティア精神旺盛の人だけが米国地域に移り住んだわけではなさそうだ。




 ABO WORLDのData Bankの中には交通事故と血液型というデータも紹介されている。こちらは、有効回答サンプル1374名であり調査方法や期間も明記されているので、データ自体は信頼できるものとして受け止めてよさそうだ。もっとも加害交通事故の血液型分布データ:
今回の調査で有効回答サンプルとなった1,374名の血液型をみてみると以下のように、O型(35.6%)、A型(34.3%)、B型(19.6%)、AB型(10.5%)という構成【に】なった。これを日本人の平均的な血液型分布と比較してみると、O型は日本人の平均的な血液型分布よりもやや多く、A型はやや少なく、B型、AB型はほぼ同じ、であることがわかる。
から、交通事故防止のためにどれだけ有用な情報が引き出せるかどうかは疑問である。何度も書いているように、私は
  • レベル1:統計的には有意であるが実用的には役に立たない程度の僅かな差
  • レベル2:実用的価値があるほどの顕著な差
  • レベル3:生まれつきの属性(性別、血液型、人種など)と結びつけて他人を判断してしまうことの不当性
という3つのレベルに分けて論議する必要があることを繰り返し説いているが、少なくともレベル2において、O型者が加害事故を起こしやすいとは到底言えない。妥当な結論はあくまで「どの血液型でも事故を起こす危険がある」ということだ。わずかの差(←偶然的変動の範囲なのか有意な差なのかも疑問)を誇大に解釈して
O型は「歩行者に対する人身事故」、A型は「単独事故」、B型は「交差点における出合頭事故」、AB型は「追突事故」が各血液型の特徴
などとタイプ分けすることにどれだけ意味があるのか、はなはだ疑問である。




 もとのO型者の話に戻るが、O型者がわずかに多いというデータが一人歩きして、O型者へのステレオタイプや偏見を助長しないかどうか、むしろそのことのほうが心配になる。

 それと、最近の「血液型」番組ではもっぱらB型者への差別的発言が問題視されているが、台湾植民地支配やO型者部隊編成にも見られるように、戦前からの「血液型」論議ではむしろ、O型者が話題にのぼることのほうが多かったように思えてならない。