じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真]  岡大時計台前のアメリカフウの紅葉。10月28日朝の最低気温は岡山市で7.3度、県北の千屋ではマイナス0.3度まで下がった。度重なる台風上陸の影響で葉っぱはかなり傷んでいるが、今年もなんとか紅葉の季節を迎えた。


10月28日(木)

【ちょっと思ったこと】

相変わらず奇妙な日本の天気

 29朝の気象情報によれば、西日本では29日午後から天気が崩れ、週末は雨模様になる見込みだという。この解説を聞いていたふと思ったのだが、日本の天気というのは、台風と日本海側での時雨を除けばだいたい、西から東へ移動する低気圧によって雨が降るものと相場が決まっている。特に春や秋は、移動性高気圧と低気圧が西から東へ移動し周期的に天気が変わるというように教わってきた。

 ところが、速報天気図(29日3時)を見る限りではどこにも低気圧が無いのに、レーダーでは、九州南部や四国ですでに雨雲が発達していることが分かる。しかも動画で見る限り、この雨雲は、西から東ではなく、南から北に吹き上がるような動きを見せている。これじゃあまるで、今年の夏に各所に大雨をもたらした「南から湿った空気が入り込み」というパターンと変わりない。

 こうなってくると、地上天気図を書いただけでは天気の変化が読めない。短時間の変化なら レーダー雨雲の移動から読み取れるが、それだけでは、移動方向は分かっても、雨雲が増えるのか消えていくのかが分からない。何とも奇妙な天気が続くものだ。

【思ったこと】
_41028(木)[心理]血液型差別番組を考える(17)ランキングの心理

 10月26日の日記で、血液型好き嫌いアンケートに関連して、テレビ朝日のこれが日本のベスト100という番組紹介サイトにリンクをはった。この番組については、7月15日の日記でも取り上げたことがある。ランキングと言えば、日記才人でも今月の得票ランキングや、累計得票ランキング経験値ランキングなどがあって、私自身も参加している。また最新のニュースでは、1位デンマーク、42位日本、北朝鮮167位(最下位)というランキングもあった。これは、非政府組織「国境なき記者団」が発表した「報道の自由ランキング」だそうだ。そもそもランキングとはどういう意味を持つのだろうか、これを機会に考えてみたいと思う。

 まず、統計学的に言えば、ランキングというのは、数量データを順序尺度上で並べ、上位から1、2、3という整数を対応させる操作である。これには3つの目的がある、

 1つは、大小以外の比較が本質的にできないデータを扱う場合だ。岩石の硬度、震度(←最近では機械的な測定に委ねるようになっているが、震度というスケール自体は順序尺度)、スポーツ競技の順位などがこれに相当する。

 2つめは、データ自体は間隔尺度や比例尺度であるが、分布に大きな偏りがある場合。この場合は変数変換という手法を使うこともできるが、順序尺度として扱って統計分析(ノンパラメトリックな検定、順位相関など)したほうがより的確な結論を導き出せる場合がある。

 3つめは、情報を簡潔に記述するという目的で順位だけを公表する場合。例えば、宴会の席で、最初の挨拶は最年長者に、乾杯は2番目の年長者、最後の挨拶は3番目の年長者にお願いするという慣習がある場合、それぞれが何歳であるかという情報はとりあえず必要無い。




 次にランキング表示がもたらす効果について。いっぱんにランキングは、競争の目安として使われる。オリンピックのメダル争い、野球のペナントレース、相撲の番付、歌番組でのランキングなどのほか、「大学ランキング」、「○○大学合格者高校別ランキング」、「司法試験合格者ランキング」など各所で使われている。時には、上位に上がること自体が目的化し、種々の弊害をもたらす場合もある。

 もう1つの大きな特徴は、統計的には意味のない(=偶然的変動の範囲)差であっても、ランクづけすると何となくそこに意味があるように錯覚してしまうという効果があることだ。こちらのランキングによれば、宝くじが当たりやすいランキングでは「みずがめ座1位、うお座2位、....」などとなっている。どのように考えても、宝くじの当たりやすさが星座によって決まるとは考えにくいが(←しいて言えば、それぞれの星座人口の違いは反映するだろう)、何となく意味がありそうだという錯覚をもたらす。

 ちなみに、このランキングの血液型関係では、「社長に多い血液型ランキング」、「ご長寿な血液型ランキング」「一流スポーツ選手に多い血液型ランキング」、「アテネオリンピック日本人メダリストの血液型ランキング」などで、いずれもA型とO型が上位を占め、B型が3位、AB型が最下位となっているケースが多いが、日本人の血液型者の比率が、おおむね4:3:2:1である以上、比率の高いA型者やO型者が多数派を占めるのは当たり前だ。

 より最近公表されたこちらのランキングでも、血液型者の比率の違いが反映していると思われる「データ」は多いように見える。但し「各血液型の人口差を補正し」と但し書きがつけられているものもある。いずれにせよ、血液型偏見助長の証拠資料として保管しておく必要はありそうだ[]。


各血液型者を1000人ずつ選んだとしても、それぞれの人が接している人たちの血液型分布が4:3:2:1という偏りを持っていることには変わりない。この件に関しては、10月20日の日記参照。