じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 大学構内のカラスウリ。夜に咲く花はよく見かけるが、そのわりに赤い実はめったに見つからない。たぶん、持ち帰る人が多いためだろう。


10月8日(金)

【ちょっと思ったこと】

ベストを裏返しに着る原因

 涼しくなってきたこともあり、最近はベスト(←ホームセンターで売っている作業用の安物)を着用することが多くなった。ところが、私はしばしば、裏返しに着てしまう。そのまま外出し、ポケットが無いので変だと思ってやっと気づくこともある。

 妻に、

●このベストには裏返しになりやすいという構造的な特徴があるためじゃないかなあ

と言ったら、

いつも裏返しに脱ぎ捨てているからでしょっ!

 なるほど、「構造的な特徴」よりも、「行動的な特徴」で因果関係を説明するべきであった。あははh。

【思ったこと】
_41008(火)[心理]子育てドリルもほどほどに

 夕食時に、フジTV系「秋の子育てドリルSP! こんな親が子供をダメにする」という番組の一部を視た。私が視た時には
  1. 松井秀喜選手が子どもの時は、よくできた答案しか見せなかった。それに気づいた父親は?
  2. イチロー選手が子どもの時は、偏食が激しく、母親がせっかく作った料理を食べずに、「ヒレステーキじゃないと嫌だ」と言った。父親はどうしたか?
  3. ビートたけしが子どもの時、庭の隅にビニール袋に包んでグローブを隠し、塾に行くとウソをついて野球をしていた。土の中からグローブを見つけた母親は?
  4. 千代大海は子どもの時、友達や年上の子に暴力を振るうことが多かった。それに対して母親は?
というようなクイズをやっており、それに対して、久本雅美、石原良純、柴田理恵、浜田幸一氏らが回答。さらに、発達脳科学者の成田奈緒子先生、臨床心理学博士の福井尚和先生、現役中学校教師の金子毅先生(←Webサイトは不明。御著書あり)のお三方が解説をするというような内容だった。

 最近おおはやりの血液型差別番組とは異なり、血液型の違いには一切言及せず、「こういう子どもの場合には、こういう風に対応するとよい」というように、子育て環境の改善について前向きに提言している点はよかったと思う。

 もっとも、子どもの個性は多種多様である。上記の、松井、イチロー、千代大海、たけし、それぞれのケース(以下、画面をなぞってください):

私が聞き取った「正解」は以下の通り
  1. 松井秀喜選手の父の場合:よくできない答案を見せないことは咎めず、よくできた答案に対して「よくやったぁ」と誉めた。
  2. イチロー選手の父の場合:ヒレステーキ(と好物のメロン)を買いに行った。
  3. ビートたけしの母の場合;ビニール袋の中に、グローブの代わりに参考書を入れた。
  4. 千代大海の母の場合:(暴力を振るってもよいが)先に手を出すんじゃないよ。
と同じことを自分の子どもに試みたところで、同じような効果があるとは言い切れない。また、ここでは、松井、イチロー、たけし、千代大海の例はいずれも「子育ての成功体験」として語られているが、同じやり方で失敗したケース、それどころか、犯罪者になってしまったケースだってたくさんあるはずだ。成功事例を過去に遡って特徴的な部分を後付けで解釈しても、子育て理論の正しさを実証したことには決してならない。




 発達脳科学者の成田奈緒子先生、臨床心理学博士の福井尚和先生は、いずれも立派なご業績をお持ちのかたのようだが、だからと言って、テレビ番組で発言される内容がすべて正しいということにもならない。例えば、成田先生は「TVゲームは二次元的だからダメだ」と発言しておられたように記憶しているが、TVゲーム自体は、むしろ三次元空間のシミュレーションに効果があり、立体的認知能力を高める可能性があると思う。

 また、成田先生が解説される時は何でもかんでも脳に結びつけておられたが、福井先生の時には脳の話は全然出てこない、というように、全く異質のレベルの理屈を個々のケースに断片的に当てはめていたという点で、整合性に欠けているように感じた。ま、視聴率優先のテレビ番組では、あれが限界だろうか。