じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] チリのミスカンティ湖(標高4350m)。乾期としては珍しく雪が多く、一週間前には通行できなかったとか。昨年訪れたコンドリリ湖(ボリビア)と異なり、周囲の山はみな火山、冬の支笏湖に近いように見えた。。山麓には溶岩の台地もあった。こんな寒い場所ではあるが、隣接するミニクエスト湖の浅瀬では黒い鳥が雛をかえしていた。
なお、大サイズの写真は、サーバー容量の関係で1日限りの公開とさせていただきます。


9月3日(金)

【思ったこと】
_40903(金)[旅行]アンデス最深部(2)英語の聞き間違え2件

 今回のアンデス旅行で、英語の聞き間違えが少なくとも2回あった。

 1つ目は、ボリビアの山岳地帯。四駆に同乗していたサブガイドが、チリ国境のリカンカブール(5960m、我々のグループの通称「アタカマ富士」)のほうを向いて、あの山麓にはマインズがいっぱいあると言った。ボリビアやチリと言えば鉱山がたくさんあることから、「マインズ→mines」であろうと思い、「どんな鉱山ですか? ゴールド? シルバー?」などと訊いたところ変な顔をして、「バン、バン」という。じつは、鉱山ではなく、地雷という意味だったのだ。国境は今でこそ平和そのものだが、かつて敷設された地雷がすべて撤去されているわけではない。「アタカマ富士」に登る時には現地ガイドに安全なルートを案内してもらったほうがよさそうだ。

 このサブガイドさんには、チリ国内各所からボリビア・ウユニまで案内してもらった。母語はもちろんスペイン語で、英語はそれほど得意ではない。このことでも思ったが、非ネイティブ英語使用者どうしによるコミュニケーションでは、語彙の豊富さや文法の正確さはあまり重要ではない。いちばん大切なのは、言い換えがどれだけできるかということだ。相手が分からなかった時には、身振り手振りを交えて、相手が知っていそうな単語に次々と言い換える。こちらが分からない場合も同様である。

 もう1つの聞き間違いは、帰路、ロサンゼルスの空港に着陸する時であった。すでに着陸態勢を整え、滑走路に入ってきたと思ったとたん、私の乗っていた飛行機はなぜか急上昇し海上に達した。何かあったなと思っていると、機長から直々のアナウンスあり。

滑走路上で、別の飛行機がクラッシュしていたので、急遽、着陸を中止して急上昇した。

というように私には聞こえた。これはエライことになった、テロでもあったのだろうか、と思ったが、乗客はそのわりには動揺していない。それどころか、機長のアナウンスの直後には拍手さえ起こったほどであった。飛行機は、その後しばらく太平洋上で旋回したあと、無事ロスに着陸した。

 英語の堪能な人によれば、じつはあの時の機長のアナウンスは、

滑走路上を別の飛行機が横切るのが見えたので、私の判断で急上昇した。

という内容だったそうだ。どうやら、「cross」と言っていたのを「crash」と取り違えたためであったようだ。しかし、そうは言っても、危険なことに変わりはない。アメリカの飛行場は本当に安全なのだろうか。