じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 新潟方面では豪雨により多くの方が被害に遭われていると聞くが、こちら岡山は、連日の酷暑で萎れる花も出てきた。夕刻、西のそらに大きな入道雲が見えたが結局1滴も降らず。


7月16(金)

【ちょっと思ったこと】

大火球を目撃

 7月16日の20時半頃、夕食後の散歩で東方向に歩いていた時、南東から北北西の方向に大きな火球が流れていくのを目撃した。火球は、あまり明るさを変えず、火花を散らしながら流れていた。時折、雲の後ろに入ったが、全天の半分に達するのではないかと思うほど長い光跡であった。これほど規模の大きいものは初めて。

 あれほどの規模だから他にも目撃者が居るに違いないと、翌朝検索したところ、こちらに多数の目撃情報あり(私も書き込んでおいた)。他の方の書き込みを見ると、東は大阪、西は福岡県宗像あたりまで、相当広い範囲で目撃されたようだ。徳島海南天文台に設置している火球パトロールカメラでも正確に捉えられたようなので、いずれ写真が公開されるだろう。

【思ったこと】
_40716(金)[心理]血液型差別番組を考える(3)「関係があるかないか」より「予測ツールとして有用かどうか」という視点が大切

 昨日の日記で、星座ランキングの番組のことを書いたところ、それを読まれたのか、あるいは全く偶然に話題が重なったのか、ある方が、「私の星座は、異性にもてる星座ランキングの堂々NO1であるようだ・・・そうだったのか・・・明日から、いや今日から自己認識をかえよう。」などとポジティブな反応をしておられた。

 確かに、このリストでは、概して、ポジティブな特徴ばかりがランクされている。どの星座の人も1つくらいは喜べるように配置されているようだ。

 もっとも、6月11日の実際の番組(但し残りの10分くらいしか視ていない)では、「交通事故の件数は、うお座が多い」という事例として、うお座の被験者が左折時にバイクと接触事故を起こすシーン(←ヤラセか)を取り上げるなど、特定の星座該当者に不快感を与えるようなヒドイことも言っていた。昨日の日記にもちょっと書いたが、うお座(2/19〜3/20生)というのは、早生まれにあたり、あるいは、高校卒業時に18歳なりたてで慌てて免許をとるために4月頃に事故を起こしやすいという可能性はあるかもしれないが、とにかく、該当者には迷惑な話だ。もしそんなことで、運転手採用を拒否されたり、任意保険の金額を割増されたら、たまったものではないだろう。

 この「実験」のことでふと思ったが、TV番組では、「一目瞭然」とばかりに、「仮説」に当てはまる事例を、あたかもそれがランダムに選ばれた標本であるかのように紹介することが多い。先日のホムクルの特番でも、幼稚園児が血液型型別に4名ずつのチームをつくり、デコレーションケーキを作るシーンを紹介していた。あんなものは、チームの中に、リーダー的や子どもが含まれているかどうか、暴れん坊がいるかどうかで、いくらでも違ってくるはずなのだが、番組では
  • A型のチームは、隣のB型を作り方を覗いたり、説明看板を確認に行くなど慎重。
  • B型は、まるで泥んこ遊び。
  • O型は、こぼしまくりで、おおらか。
  • AB型は、冷めている。
などと、あたかも、血液型だけでケーキ作りが特徴づけられるかのような紹介をしていた。

 私自身は視ていないが、gooの教えて掲示板「質問:この間のホムクルで、子供の絵で分かる血液型」には、「幼稚園で子供の血液型により、絵の書き方、性格がわかるらしく良く見ていなかったので教えてください。」という質問があり、それに対して、「A型はどこから見ても桃太郎な絵を描いて生真面目、堅実さを出したが、B型は飛行機や車など描きたいものを描き、桃太郎のかけらも絵にはない。」(←長谷川による要約)といった回答が寄せられていた。子育て最中のお母さんが、こんな不確かなヤラセ番組で、自分の子どもに偏見を持ってしまわないか、心配でならない。




 もう1つ不思議に思うのは、例えば、TV朝日系の「決定! これが日本のベスト」という同じ番組でありながら、「血液型ランキング」を取り上げる時には「星座」には一言も触れず、「星座ランキング」を取り上げる時には「血液型」には一言も取り上げないという矛盾だ。それらのものが人間の行動傾向の重要な決定因になっていると一貫性をもって主張したいなら、例えば「うお座は交通事故をおこしやすい」と紹介する時には、「血液型」の「知見」を組み合わせた性格判断を提唱すべきである。逆に、血液型を考慮に入れないというなら「血液型が何であれ、うお座は事故を起こしやすい」ということを実証すべきであろう。このあたり、視聴率稼ぎのテレビ局(実際には、制作を担当する子会社)がいかに、その場限りで無責任であるかが分かる。





 仮に、血液型(AB抗原式血液型)が行動傾向の違いに影響を及ぼすという一貫性のあるデータが得られたとしよう。しかしその場合でも、星座の違い(←というか、学術的に違いがもたらされる可能性としては、生まれた月の違い)や、性差や、身長や、体重や、鼻の穴の大きさ(←1呼吸あたりの酸素供給量に違いがあるかも)、口の大きさ(←1回に口に入れられる食物量に違いがあるかも)など、種々の可能要因の差を無視できるほどに大きな影響があると実証できなければ、実用上は何の役にも立たない。役に立たないだけならよいが、予断や偏見を与えるという点で看過できない問題を含んでいる。

 なお、先日のホムクルの特番では、北大のS教授が、

●A型が几帳面、繊細、慎重であるのは、免疫力が弱いから
●O型が社交的なのは免疫力が強いから

と言っていたが、仮に免疫力と性格に相関があると言いたいならばむしろ、

●免疫力が弱い人は、血液型にかかわらず、几帳面、繊細、慎重になりやすい。
●免疫力が強い人は、血液型にかかわらず、社交的になりやすい。

かどうかを、まず検討するべきであろう。