じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 座主川沿いで咲き始めたオシロイバナ。同じピンクの花を咲かせていたムシトリナデシコのほうはすでに茶色の種をつけていた。主役交代。


6月22日(火)

【ちょっと思ったこと】

西日本で一番忘れ物が多い駅の謎

 JR西日本岡山支社によれば、2003年度における岡山駅の忘れ物件数は4万195件。JR西日本管内の件数では2位の大阪駅を抑え、3年連続の1位となったという。また現金の額でも昨年博多駅を抜いて以来、2年連続の1位となった模様。

 岡山がJR西日本有数の駅であるといっても、乗降客数では大阪や博多にはかなうまい。にも関わらずトップを維持しているのはなぜだろうか。

 まず考えられるのが、新幹線と在来線の両方が発着し、かつ、JR西日本が完全に管轄しているという点で、岡山駅は西日本最大規模の駅であろうということだ。周知のように、大阪や神戸は、在来線の駅と新幹線の駅が別々になっている。また、新幹線の新大阪駅はJR東海管轄であるし、博多駅の在来線はJR九州の管轄であったはず。であるならば、岡山駅が西日本トップとなったからといってそれほど不思議ではない。

 次に考えられるのが、「晴れの国」岡山の特性である。関西方面や九州方面、あるいは日本海方面から岡山にやってくると雨が止んでいたというのは結構ありがちなことだ。必要が無ければ傘も忘れる。じっさい、忘れ物件数のトップは傘の1万6448本で全体の2割を占めているという。もっとも、天気の変化だけでは、現金の額がトップであることの説明がつかない。

 このほか思い付くのは、在来線の終着駅が多いということだ。岡山がターミナルとなる路線は、JR津山線、JR吉備線、JR瀬戸大橋線の3本、他に、実質的には、JR山陽本線、JR宇野線、JR赤穂線も岡山から発着しているし、岡山始発/終着の新幹線もある。要するに、「岡山で忘れる」のではなくて、「忘れられた物が結果的に岡山駅で発見される」という可能性は大きい。

【思ったこと】
_40622(火)[教育]授業評価アンケートの結果をどう扱うか(1)

 岡大で全科目について実施している授業評価アンケートについて意見をまとめておく必要が生じたので、下書を兼ねて、最近思うところを述べたい。

 こちらにWeb公開されているように、岡大では、今年度から新しい質問項目でアンケートを実施することを決めている。

 昨年度までの質問はこちらに示した7項目であり、それぞれ、5段階で評価することとなっていた。

 今年度から実施予定の質問はこちらに示した9項目であり、「そう思う  5・・・4・・・3・・・2・・・1 そう思わない」というように5段階で評価することになっている。

 こうした実施内容については、わずか7項目や9項目だけでちゃんと授業評価ができるのか、という批判を耳にすることがある。そりゃ、たくさん質問したほうが得られる情報が豊富になることは間違いないのだが、受講生の負担もそのぶん重くなる。全科目で実施するとなればどんなに多くても9項目程度、それ以上の情報は、自由記述の匿名型アンケートを利用するか、それぞれの教育組織で独自に質問項目を追加していただく他はない。

 さて、アンケート(←自由記述型は除く)の結果は、5段階で点数化し、評点の分布や平均点、標準偏差などを、質問項目ごとに集計することとなっている。ここで問題となるのが、平均点の解釈である。

 周知のように、算術平均が意味をなすのは間隔尺度以上のデータである。今年度より、「そう思う  5・・・4・・・3・・・2・・・1 そう思わない」にスケールを統一化し間隔尺度に近づけたことは確かだが、そうは言っても、平均値が3.1から3.2に増えれば改善されたと言えるのか、複数の科目間で平均値を相対比較することはできるのか、といった問題は出てくる。また、昨年度分までは、質問1から7までの評点を単純合計したトータルの平均値を算出していたが、その値にどれだけの意味があるのかも議論が必要であった。今年度に実施する質問項目については、単純合計はますます無意味なものとなりつつある。

 次回に続く。