じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] ニゲラ。毎年この時期に写真を掲載しているが、デジカメでピントを合わせるのは難しい。この花壇には白花が多いが、青系統、ピンク系統も混じっている。右上の青花は別の画像を貼り合わせたもの。


5月24日(月)

【ちょっと思ったこと】

「家族一緒」と「国の主権」

 23日に緊急に実施された朝日新聞世論調査(電話調査、回答数1018件、回答率54%)によると、日朝首脳会談の結果を全体として評価する人は「評価する」21%、「どちらかといえば評価する」46%、合わせて67%に達したという。私自身も、もし訊かれれば、「どちらかといえば評価する」と回答したかもしれない。

 しかし、その後のいろいろな報道を視ていると、問題の本質はもう少し別のところにあるのでは、と少々疑問に思うことがある。

 日朝首脳会談の結果を評価すると回答した人の多くは、ひょっとして、「家族が一緒に過ごせるようになってよかった」という理由で、肯定的な評価をしているのではないだろうか。地元での歓迎ぶりや、1年7カ月ぶりに親子水入らずの夜を過ごした喜びなどの映像が繰り返し伝えられることで、肯定的評価の比率はさらに高まっていくかもしれない。

 しかし、家族が一緒に暮らすということは、拉致問題全体の解決という点から言えば、ほんの一部に過ぎない。今回帰国した子どもたちは、もともと家族一緒に過ごせていたはずで、向こうの国ではそれなりの夢を持って勉学に励んでいた。1年7カ月の別離は辛いものではあっただろうが、子どもたちは遅かれ早かれ独立していくものである。同じ屋根の下で一生を過ごすわけではない。

 また、各種報道によれば、地村さんの長女(22)は帰国する6日前の16日、当局者から「お母さんの所に帰りなさい」と言われ「帰りたくない」と拒否したが、今度は「命令だ」として、強制的に日本行きを指示されたという。徹底した思想教育が行われ、きわめて制限された情報しか伝わらない情報のもとで、どこまで自由な判断ができるかどうかは甚だ疑わしいが、特殊な政治体制にあるとはいえ、子どもたちにだってそれなりの目標はあったであろうし、友達や恋人だって居たかもしれない。「家族全員が一緒になれてよかった、よかった」というだけでは決して解決しないと思う。

 にも関わらず、今回の措置がとられたのは、言うまでもなく、主権侵犯を多少なりとも原状復帰させるためであった。地村さんや蓮池さんの事件は、北朝鮮工作員が日本の領土に侵入し、善良な市民に暴行を加えて拉致したという点に本質がある。それを解決するためには、拉致された人々はもちろん、その後に生まれた子どもたちも、平穏に暮らしていれば生まれ育つはずであった場所に原状復帰させなければならない。だからこそ、当人の意志を無視してでも、帰国させる必要があったのだ。

 そういう意味では、曽我ひとみさんの家族の場合は多少性質が異なる。全員が日本で生活するようになったからと言って、主権侵犯の回復には結びつかない。この面に限って言えば、ひとみさんのお母さんの失踪を徹底解明することのほうが本質的である。

 家族を分断させているのは、拉致という国家犯罪そのものではなく、むしろ、当事者たちが、両国を自由に往き来できないことにあるのではないか。もちろんその原因の大半は北朝鮮側にある。いずれ体制が変わって、自由な往来と、個々人の安全が100%保障されるようになれば、場合によっては家族の一部が北朝鮮で生活できるように支援することもアリではないかと思う。




ニート彗星4度目の見物で首を傷める

 5/24の夜もアパートの階段から双眼鏡でニート彗星をかろうじて眺めることができた。とはいえ、月齢5.3の月が間近にあって、明るさはかなり微妙。もう一度見ようとした時には、どこにあるのかさえ見つけるのが難しかった。

 そんなこともあって、アパートの階段から無理な姿勢で星空を眺めていたために、寝ているうちに首が痛くなった。朝起きた時には、首を曲げることさえできずどうしようかと思ったが、ゆっくり首を動かしながら朝の散歩をしているうちに何とか改善。痛みもなくなった。年を取ると無理はできないものだ。今後気をつけよう。