じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] カリステモン(ブラシの木)。一昨年の秋に処分品の苗を露地植えしたもの。昨年は6月1日に写真を掲載している。


5月17日(月)

【ちょっと思ったこと】

自らの年金未加入で最も名を上げた政治家?

 民主党の小沢一郎代表代行は17日夜、国会議員の加入が任意であった1980年4月から1986年3月までの期間、国民年金に未加入であったことを明らかにし、「政治的けじめをつける必要がある」として、18日の両院議員総会での代表選に立候補しないことを表明した。後継の代表としては、岡田克也幹事長が選ばれる見込みであるという。

 初めにお断りしておくが、私は、民主党という政党を特に支持しているわけでもないし、逆に、特別に批判したこともない。そういう、きわめて傍観者的な立場からの推測にすぎないが、代表選直前になってからの小沢氏の立候補辞退、岡田氏立候補というのは、何かヘンだ、最初からそういう形で党内を一本化しようという筋書きができていたのではないか、という気がしてならない。

 年金未納や未加入といっても、ごく短期間の場合は、本人の勘違いや秘書の手続ミスということもありうる。しかし、任意期間に加入していたか、していなかったかというぐらいのことは、自分で分かっていることではないか。「17日に義務化以前までさかのぼって調査し、初めてわかった」などと報じられているが、そんなことあるまい。少なくとも私自身なら、調査などしなくっても、最初からわかっているぞ。

 であるとするならば、なぜ、この時期に及んで立候補辞退を表明したのだろう。少々深読みかもしれないが、小沢氏は、最初から今の時期に代表になりたいとは思っていなかった、と考えられる。とはいえ、菅氏や鳩山氏の未納が相次いで発覚し、小沢待望論が出るなかで、無下に断るわけにはいかなかった。そうかといって、小沢氏のほうから岡田氏を積極的に支持してしまうと、のちのちまで「あの時は岡田を推していたじゃないか」と言われかねない。

 いっぽう岡田氏としては、菅直人氏の後継代表に選ばれたいという気持ちが最初からあった。しかし、いきなり立候補を表明したのでは、小沢待望論を初めとする党内の不協和を一本化することができない。そこで敢えて自らが小沢氏に代表就任をお願いするという形をとり、小沢氏辞退により「もう岡田氏がやるしかない」という一発大逆転の党内世論を作り上げる筋書きを作った。もともと寄り合い所帯の民主党のことだ。そうでもしなければ、党内をまとめることはできなかったのではないか。

 国民年金未加入や未納が判明するということは、政治家に不利な状況を作り出す。そんななかにあって、任意期間の未加入を理由に「潔く」身を引き、名を上げる世論効果を狙ったとするなら、さすが大人物、小沢氏だ。