じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] ロベリア。写真は、北九州・響灘グリーンパークで撮影したもの。寄せ植えには欠かせない存在だが、寒さに弱いため種から育てるのは難しい。同じ色の組合せなら、アリッサムのほうが育てやすいかも。



5月8日(土)

【思ったこと】
_40508(土)[一般]遊具より広場確保

 5月8日は大型連休明けの最初の週末となった。大型連休中の帰省や遠出の反動だろうか、アパートの駐車場には車がたくさんとめられていた。

 そんななか、いつもより賑やかに感じたのが、駐車場周辺を動き回る子どもたちの多さである。自転車のほか、一輪車を乗り回したり、壁にボールをぶつけてキャッチボールをする子どもたちが、私の住んでいるアパートや、近くの別のアパートの敷地内を通った時に目に映った。

 実は、アパート敷地内で自転車を乗り回したりボール遊びをすることは大人には全く歓迎されていない。駐車場にとめてあった車が、ボールをぶつけられて凹んだり、自転車で傷をつけられたという苦情はよく聞く。時たま、注意を呼びかける回覧板がまわってきたりするが、しばらくたつと元に戻ってしまう。

 もっとも、子どもたちにもそれなりの事情があると思う。この近くには、子どもたちが自由に遊べる広場というものはない。50坪程度の小さな公園はあるが、お決まりの滑り台や鉄棒やブランコがある程度で、たいがい、ボール遊びは禁止されている。




 ところで、少し前のニュースになるが、岡山市では市が管理する公園に設置されていた29カ所の回転遊具のうち16カ所の撤去を開始したという()。これは、大阪で児童が回転式遊具で指を切断した事故を受けて点検を進めた結果によるものであり、地元も同意した遊具については撤去。残る13カ所のうち、地元から使い続けたいとの要望があった2カ所の回転遊具は回転しないように固定したうえで使用を再開。7カ所の回転遊具については、安全性が確認されたとして現状のままで使用を再開。残る公園4カ所については、地元との協議が終わりしだい、再開するかどうかを決めることになったという。

追記]別のニュース源によれば、岡山市が管理する公園はおよそ1000。このうち29の公園に35基の回転式遊具があり、撤去されるのは21基。

 「危険だからすべて撤去」という発想がまかり通るようになると、鉄棒やジャングルジムも滑り台も、みな上から落ちたら危険ということで撤去されかねない。さらには、背の高い木も子どもが登ったら危険だから切ってしまえ、2階以上の窓は子どもが落ちたら危険だから鉄格子にしてしまえ、というようにとめどもなく過保護な意見が出てくるだろう。それよりも、「安全な遊び方」をちゃんと教え、子どもたちには子どもたちにできる範囲の「自己責任」を身につけさせるほうが教育上好ましいように思う。




 しかし、アパート敷地内で遊ぶ子どもたちのことと、遊具撤去の問題を合わせて考えてみると、そもそも回転遊具のようなものが本当に必要であったのか、甚だ疑問に思うことがある。子どもたちにまず必要なのは、何も設置されていない広場であろう。広場さえあれば、一輪車でも、ボール遊びでも何でも自由にできる。回転遊具などは、一度や二度は面白がって遊んでもじきに飽きてしまう。そのあとは、少々元気のよすぎる子たちが、乱暴に扱うだけのことだ。要するに、限られた敷地の公園に対して、なにがしかの整備費用がついた時、使わなければ勿体ない、業者も喜ぶ、という程度の発想で遊具をつけているだけではないかなあ。そんな予算があれば、遊休地を借り上げ、一定期間でもよいから、遊具無しの広場として地域の子どもたちに開放したほうがよいように思う。




 なお、いま上に述べたような広場は、主として小学生以上が大人の付き添い無しで遊べる広場のことを想定している。もう少し小さい子どもたちが、大人の見ているところで遊ぶ場としては、いろいろな遊具があったほうが楽しめる。しかし、それらは、むしろ、ショッピングセンターやファミリーレストランなどに設置をはたらきかけ、税制上で優遇したほうが充実するように思う。結果的にお客を呼び込む効果があるのだから、業者のほうでも前向きに検討するはずだ。

 あとは、もっと自然に触れあえる場を増やすこと。休耕田だって、うまく活かせば、オタマジャクシやカブトエビやドジョウが捕れる。