じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 岡山大学の桃源郷? 農学部農場内の桃畑が花盛りとなっている。桃の節句や「桃のお花も綺麗に咲いて、もうすぐみんなは一年生」という歌詞に象徴されるように、桃の花は3月に咲く花というイメージが強いが、果物栽培のための桃の木は、4月上旬に咲く品種が多いように思う。


4月8日(木)

【ちょっと思ったこと】


父親代わりの教員になれるか

 4月8日は岡大の入学式の日であり、午後には行動科学専修コース(旧・行動科学科)のオリエンテーションが行われた。毎年、新鮮な気持ちでこの行事に臨んでいるのだが、今年は特に新たな節目を迎えたことを実感している。

 一番の理由は、今年の新入生の多くが息子と同じ学年であるということだ。これまでは大学生といっても、大学生一般についてのステレオタイプな見方からなかなか抜け出せなかった。例えば1975年生まれの新入生を迎えた時でも、1980年生まれの新入生を迎えた時でも、世代的にどう違うのかが全くつかめなかった。今年の新入生(現役)の場合は、私自身の子育ての歴史と時代背景が一致するので、例えば、幼稚園の頃に「おかあさんといっしょ」や「みんなのうた」でどういう歌が流れたか、小学生の頃にどういうTVゲームが流行ったかということまで完全に記憶している。これまでは、「私が学生の頃は...」という昔話しかできなかったが、これからは、「皆さんが小学生の頃は...」というように、ある程度、話題を共有することができるのである。

 私自身と今年の新入生とは33歳も違ってしまったが、これでやっと、父親としての立場から学生を見守ることができるようになった。逆に言うと、学生を子ども扱いする恐れもある。気をつけなければ...。




 息子がまだ小さかったころ、親子でRPGゲームに熱中していた時期があった。なかでもファイナルファンタジーのIVやVIは特に懐かしさがしみついたゲームである。息子の引越の手伝いの帰りに、そのテーマ曲をアレンジしたCDを聞きながら車を運転したが、そのメロディは私の子育てのエンディングを飾るのにふさわしい内容であった。子どもに対するサポートやアドバイスはこれからも続くだろうが、(息子に対する)子育て自体はもはやエンディングだ。

 そして、新入生を迎える教員という立場から言えば、今度は、学生を育てるという新たな旅が始まる。4月8日は、その責任の大きさを改めて感じる一日であった。