じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 江戸東京たてもの園内の都電と桜。私が子供の頃は、地下鉄は銀座線一本のみ。その代わり都電が都内を網の目のように走っていた。


4月2日(金)

【ちょっと思ったこと】


年金について素人なりに考える

 少し前、社会保険庁のCMに昨年出演していた女優の江角マキコ氏自身が、国民年金の保険料を未納だったことが大きな話題になった。また、後半国会の焦点である年金制度改革法案の審議をめぐって与野党の対立が続いているという。このほか、学生無年金障害者の訴訟で一審違憲判決が出たこと、厚生年金基金の2002年度運用利回りがマイナス12.74%と過去最悪を記録した(2003年度は好転の見通し)、など年金をめぐるニュースを耳にすることの多いこのごろである。

 私自身は、年金については全くの素人であり、学生時代は国民年金と国保の違いさえ知らなかった。学生・院生時代は任意加入だったため未納、そのぶん将来の基礎年金は減額される見込みである。

 このことで以前から疑問に思っているのだが、年金というのはなぜあんなに面倒なシステムになっているのだろうか。基礎年金部分は廃止して税収入から高齢者を経済的に支援、厚生年金などの上乗せ分も廃止して個人年金の控除額を大幅に増やせばそれで事足りるのではないか。そのようにすれば
  • 退職や転職の情報を社会保険庁で管理する必要がなくなる。
  • 個々の年金額、未納状況、支給などを管理する職員は不要となり、人件費が大幅に節減できる。
  • 保険庁の職員を税務署に配置換えすることで、脱税対策もバッチリ。
  • 個人年金の控除額を例えば年間100万に増やすことで、老後への自助努力を促すことができる。
 年金というシステムが老後の生活資金を蓄えることと異なるのは、おそらく、
  • 自分で蓄えたお金は長生きすればするほど減っていくが、年金はいくら長生きしても一定の額以上を受け取ることができる。
  • 自分で蓄えたお金は、自分が死ねば相続の対象となる。年金は、自分が死んだ時点で打ち切り。
といった点だろう。確かに、貯蓄額を気にせずに安心して余生を送ることができ、また、遺産相続を狙われることもないという点では、年金制度にもそれなりのメリットがあるが、それはあくまで、財政が安定し、かつ次の世代に過重な負担をかけないことが前提となっている。であるならば、最初に述べたような、税収入による一元的な経済支援、自助努力優遇という選択肢があってもよいのではないかと思う。

 あと、このWeb日記でも何度も取り上げているが、年金改革以上に必要だと思うのは、高齢者の雇用対策である。働ける高齢者からその機会を奪うことは、年金額を減らすこと以上の人権侵害である。働きたくない高齢者まで無理やり働かすことがあってはならないが、生きがいの実現のために自ら能動的に働こうと希望している高齢者に対しては、国は積極的に活躍の場を提供すべきである。このことを忘れて、単に「お金を与える」という発想で議論をする限りにおいては、いくら年金額が増やされたところで高齢者は幸せになることができない。