じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

3月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

[今日の写真] 辛夷の花。堀辰雄の同名の作品を思い出す。


3月25日(木)

【思ったこと】
_40325(木)[教育]新入生を惑わす納入案内

 岡大では3月25日に卒業式が行われたが、その一方で下宿探しや生活用品を買いそろえる新入生の姿も目立つようになってきた。情報の氾濫や執拗な勧誘の嵐のなかで、本当に必要なものだけを選び出し、あとは徹底的に無視・排除するという姿勢が新入生に求められているように思う。

 入学に際して絶対に納めなければならないのは入学金と授業料だけ。但し、減免申請を希望する場合にはその指示をよく読んでおく必要がある。問題はそれ以外の出費である。




 この時期に新入生、というか、むしろ保護者を迷わせるのが、種々の学生総合保険の勧誘であろう。大学の入学手続案内にはたいがい「教育研究災害傷害保険」の案内書が入っている。そして、おそらくその書類が届く前に、大学生協から「大学生協学生総合共済・火災共済・賠償責任保険」の案内がある。また、どこで個人情報を入手したのか定かではないが、民間会社や別団体からの案内が届くこともある。

 一部の医学系の大学、学部を除けば、これらの加入は任意のはずだが、大学から届いた書類の一部ということで入らなければならないものと錯覚してしまう人もいる。

 あくまで私の個人的な判断であるが、すでに、扶養家族を含めた傷害保険・賠償責任保険に入っている場合、改めてそのような保険に入る必要性はそれほどないのではないかと思う。但し、練習がハードな体育系サークルに入部した場合や、健康上不安のある人は、必要な保障を受けられる部分に限って入っておいてもよいだろう。

 「総合保険ならば細かい保障内容を検討しなくても安心」という点で煩わしさを避けることができるが、本来は自分自身でもっと細かく選択していくべきものであると思う。上にも述べたが、体育系サークル入部者と、それ以外の学生では怪我をする確率は大きく異なる。後者にとってはそれだけ総合保険は割高になるわけだ。また、火災(家財)保険や、家財の盗難保険なども、下宿・アパート等の防火・防犯設備によって著しい違いがある。何も考えずに「総合保険」に入るよりも、まず、自分自身の生活環境をきっちり点検し、安全対策に投資することを心がけるべきではないだろうか。




 大学によっては、学生自治会費、体育会費、同窓会費などを請求してくるところがあるようだ。会則上は全員参加となっているので、大学が公認していれば、それぞれの団体は入学者に納入義務があるかのように請求をしてくる。しかし、現実の納入状況はどんなものだろうか。

 学生自治会費は、その団体が本来の設立目的に沿って勉学環境改善等に貢献する活動を行っているのであれば、納入してもよいと思う。もっとも、いま、全国の大学で、どれほどの数の自治会が機能しているのだろうか。私が学生の頃は、自治会というのは過激派の活動拠点というイメージが強かったが、その後崩壊。最近は、大学側からお膳立てしないと、大学祭さえ自主的に立ち上げられない大学が増えているという。何はともあれ、ネット検索等でその自治会についての種々の第三者情報を得た上で、適正な活動を推進していると判断できた後に会費を納入するべきであると思う。

 体育会費については、私は、体育系サークル入部者だけが払えばよいと思っている。したがって、自治会費、体育会費、そのほかをセットにして一括納入させるようなやり方には同意できない。それはそれとして、それらに納入手続を行うということは、納入者の個人情報(氏名、住所、電話等)をその団体に教えてしまうということになる。それらの団体は情報をちゃんと管理しているのだろうか。別目的に利用されないかどうか、そのことにも気を配る必要がある。





 大学構内でのアンケートや署名などで安易に個人情報を公表すべきでないのは当然であるが、意外と警戒を怠ってしまうのが、アルバイト関係の「登録」である。ふつう、見ず知らずの人から「住所、電話、生年月日を教えてください」などと言われてもそれに応じる人はいない。ところが、「アルバイト・バンクに登録しておけば、適合する仕事があった時にお知らせします」などと言われると、チラシ1枚の案内を易々と信じて履歴書まで送ってしまうのである。

 合格という浮かれた気分の中で、この時期は個人情報流出のスキを作りやすい。くれぐれも警戒を怠らないようにしたいものだ。