じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
3月7日朝の中国地方は各地で降雪のニュースが届いたが、岡山県南部はよく晴れ、満月直前の月が北西の方向に沈む様子がはっきりと見えた(6時20分撮影)。また、6時50分頃には、京山ロープウェイの展望台が日の出直後の光を反射しているのが見えた。 |
【思ったこと】 _40306(土)[教育]翻訳ソフトの進化と英語学習への活用の可能性 「速攻!翻訳マスター2」のバージョンアップ品を使ってみた。旧バージョンの時は、数回試用した程度であったが、実用のためというよりも、機械翻訳の将来を考える資料としてバージョンアップの申し込みをした。 この日記の一部の文章をインストールの前に旧バージョンで翻訳しておき、新バージョンで内容が変わるかどうかをチェックしてみたが、驚くことに、翻訳結果は全く変わらなかった。この方面での性能向上を期待していたユーザーはたぶんがっかりするだろう(←というか、通常は旧バージョンとの比較をしないので、そのことに気づかないだろう)。 もっとも、文章全体を一括翻訳するということには所詮無理がある。今回のバージョンアップでむしろ興味深く思ったのは「日英翻訳変換」という機能であった。 この機能は、ATOK17がインストールされている状態で、ATOKの言語バーを右クリックし、「日英翻訳変換」をクリックすることで常駐させることができる。旧バージョンにもその機能があったらようだが、私は知らなかった。今回は、単文レベルでこれを使うことができるようになった。 例えば「この新幹線は終着駅新大阪に到着する前に名古屋と京都に停車します」という日本語があったとする。
この「日英翻訳変換」を常駐させると、変換を行うたびに英語のフレーズがリアルタイムに表示される。今書いた文に即して言えば、
「本当に英語力を上達させるためには、日本をを忘れることが最も効果的である」と言われていることは十分承知している。確かに英語だけで理解し、英語で考え、その結果をそのまま英語で伝えられるようになれば、日本語文法に引きずられた和製英語っぽい表現は最初から出てこないだろう。そういう意味では、「日英翻訳変換」はネイティブ英語に近づける学習にとってはかえって妨げになるかもしれない。 しかし、この日記で何度も書いているように、すべての日本人にネイティブそっくりの英語を身につけさせることは、日本語を廃止して英語母国語化を強制実施しない限りはまず不可能だ。第一、学校教育において「日本語を忘れる」時間を作るなどということは、日本語力さらには日本語を基盤にした思考力の成長を妨げる恐れさえある。 中学・高校で生徒全員に英語教育を行うというレベルにあっては、日本英語っぽい表現も、誤解を招かない限りにおいては許容し、また逆に、慣用表現などは国際英語では使わせないことを前提として英語教育を進めていくべきであると私は考えている。その限りにおいては、今回取り上げた翻訳ソフトは、英語学習は大いに役立つと思われる。 なお、日本英語っぽい表現を許容する教育を行うと、ネイティブに近い英語を学ぼうとする者の学習の妨げになるのではという懸念も出てくるかもしれない。しかし、これは、数学教育における「ツルカメ算」と「方程式利用」の関係に似ているのではないだろうか。ツルカメ算を習ったからといって、方程式の学習が妨げられるとは考えにくい。またその際に配慮すべきことは、小学校の算数の試験で方程式を使ったからといって誤りとはしないことだ。英語教育の場合も、慣用表現を使いたい生徒は使ってもよい、しかし、日本語っぽい英語でも可とするという教育が求められる。 [※3/8追記]念のため「速攻!翻訳マスター2」をアンインストールして旧バージョンで再チェックしてみたが、「Before arriving at terminal station Shin-Osaka, this Shinkansen stops in Nagoya and Kyoto.」という訳文自体は旧バージョンでも同じように変換されることが分かった。バージョン2.0で新たに付加された機能として確認できたのは、いまのところ例文検索機能だけ。 |