じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] [今日の写真]
 学生・大学院生時代はよく北海道旅行に行った。当時はまだ青函トンネルは無く、また割安の均一周遊券を使う必要から、もっぱら鉄道と青函連絡船で北海道に渡ったものである。

 ここに係留されている羊蹄丸(写真左)にも何度か乗船したことがあった。乗船後1時間くらいして食堂が空いてくると、海峡ラーメンが注文できるようになる。これを食べるのが楽しみだった。

 初めて北海道に行ったのは1971年12月下旬だった。函館から列車に乗るとまず目につくのが駒ヶ岳の異様な山容であった。支笏湖岸から初めて見た樽前山(写真右上)は真っ白で神々しく光っていた。北海道の山登りを始めたきっかけはこの2つの山へのあこがれからだった。写真右下は、噴火前の有珠山。こればかりは現在に至るまで登頂していない。

 青函連絡船に最後に乗ったのは、部分日食(シベリアでは皆既日食)を見に行った時だったと思う。それ以降はもっぱら航空機利用となり、まだ一度も青函トンネルをくぐったことがない。


1月21日(水)

【ちょっと思ったこと】

ラムサール条約に反対する農業団体

 1月22日朝6時台のNHKニュースによれば、中海のラムサール条約指定をめぐって、地元の農業団体が県に反対を申し入れたという。主たる理由は「ラムサール条約に指定されると野鳥が増えすぎて農地に被害を及ぼす」ということだと伝えられたが、どんなもんだろうか。

 農業団体側に明確な証拠があるのかどうかは確認できていないが、湖沼や湿地の野鳥を完全保護したからといって数が増えすぎることはないし、野鳥たちは害虫を食べることはあっても、稲や野菜を食い荒らして被害を及ぼすという主張はあまり聞いたことがない。

 一般に野生動物が増えすぎるというのは、人間が観光目的で餌付けをしたり、その動物の天敵を絶滅させた場合に限られる。たとえば、野生ニホンザルを餌付けすればとうぜん個体数は増え周辺の農作物を食い荒らすようになるが、人間が餌をやらない限りは自然に出生数が減り、生息環境に適した規模が維持されるようになる。野鳥の場合も基本は同じで、自然を保護したら増えすぎるなどというのはありえないことだ。

 農地改良の支障になるから反対というなら分からないこともないが、農地転用ができないと困るとか、補償金目当ての反対であるなら言語道断だ。農業団体はあくまで農業を守るために存在する。地球環境を守る運動の先頭に立ち、自然との共生を実現する最高の環境として水田を位置づけ守ることに力を注いでもらいたい。

【思ったこと】
_40121(水)[教育]センター試験(2)センター試験結果から、合格可能性は予測できるか

 知り合いの掲示板からのリンクで大学入試センター試験得点分布表(2003年度入試追跡調査結果)というサイトがあることを知った。大手予備校がセンター試験実施直後に実施したリサーチ(参加者44万5千人)の報告に基づくデータであるという。

 この表では、それぞれの大学学部別に、合格者、不合格者それぞれのセンター試験得点分布が数として示されている。センター試験の得点が高いほど合格者の比率が高ければ、とりあえず相関関係ありと見なすことができる。ただしここでは、合否判定のための最終得点は推定されていないので、ピアソンの相関係数は算出できない。合否という2値と、センター試験得点(区分された離散値)との相関が求められるだけである。

 一般論として、相関が高い大学の場合は、センター試験さえ頑張れば合格可能性が高まり、また相関が低い大学の場合は、センター試験で失敗しても個別試験で頑張れば挽回できると言うことができるだろうが、もう少しいろいろなケースに分けて分析する必要があるように思う。

 まず、合否判定のための総合得点のなかでセンター試験得点の占める割合が高い大学の場合だ。これは、駅伝で言えば、最終中継地点で、時間差をつけてタスキを引き継ぐような場合と似ている。当然、先頭で引き継いだほうが、後続で引き継ぐより遙かに有利になるだろう。

 次に、センター試験の得点を極端に圧縮したり、二段階選抜の一次試験用にしか使わない大学がある。センター試験とは全く別物の個別試験(二次試験)が行われるにもかかわらず、ある程度、(センター得点と合否の比率に)相関があるように見えるのはなぜだろうか。その理由としては
  1. 合格した受験生は、すでに個別試験で高得点を得られるように十分な勉強をしていた。個別試験をパスするためには基礎的な学力を身につけておかなければならず、結果的にセンター試験では(不合格者より)好成績となった。
  2. 合格した受験生は、毎日きっちりと勉強する習慣を身につけており、センター試験と個別試験(あるいは小論文、総合科目など)いずれも十分に準備していた。
 上記のうち1.は「基礎学力→応用」という因果性があるが、2.の場合は共通原因がもたらす相関であって因果関係は存在しない。

 いずれにせよ、センター試験対策の勉強だけをしていた受験生の場合には、いくらセンターで高得点をとったからといって1.や2.のケースでは必ずしも合格可能性は高まらない。いっぽう、個別試験(二次試験)用の勉強を十分にしていた受験生が、結果としてセンターで高得点をとった場合は、合格可能性はかなり高いと言ってよいのではないかと思う。

 余談だが、これまで、医科大学など単科系の国公立大学はセンター試験得点の配点が大きく、センターで頑張れば合格可能性が高まるという傾向があった。これはおそらく、単科大学には、5教科7科目の試験問題を自前で出題・採点できる専任教員が少ないという事情があったためかと思う。しかし、昨今の国立大学法人化の流れの中で、かなりの医科大学が同一県内の国立大の医学部として統合されてしまった。これらの学部で今後もセンター重視の傾向が続くのかどうかは定かではない。

 あくまで個人的な考えだが、センター試験の得点率が8割以上の学生ばかりが集まる大学であれば、それ以上の個別試験は不要ではないかと思う。それらの基礎学力を超える創造力、思考力、表現力などは、大学に入ってからみっちり育て上げればよい。

 センター試験得点率が8割以上であって、なお競争倍率が高い大学の場合には、ユニークな個別試験を行えばよいだろうが、これは一部の旧帝大もしくは医学系に限られるだろう。

 逆に、センター試験得点率が5割未満の学生を受け入れるような大学にあっては、高校時代に学ぶべき基礎的内容を復習させるとともに、勉強をする習慣を身につけさせるところからみっちり指導しなければならない。少子化の中ではそういう大学も増えてくることだろう。