じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 実験室横のセンダンの実。寒風の中、まだまだたくさんの実をつけている。


1月14日(水)

【ちょっと思ったこと】

今年最初の水星

 1月5日の帰国後しばらくは起床時間の「時差」を取り戻すのに苦労したが、最近は5時40分頃に自然に起きられるようになった。1月15日の朝はよく晴れ、天頂付近には下弦の月、東の空には夏の大三角形のうちのベガとデネブが、また南南東にはさそり座が上がっているのが見えた。

 そんななか、南東の空に、アンタレス以上に明るい星があった。こんな場所に恒星は無かったはずだと天文年鑑でチェックしたところ、17日に西方最大離角(光度マイナス0.2等)を迎える水星であることが分かった。

 このほか1月18日の6時前後には、さそり座δ星(光度2.3等)の星食が見られるという。今朝見たところではδ星は十分に高い位置にあり、晴れていれば6時すぎに、月のすぐ右横に出てきたδ星を肉眼で眺めることができるはずだ。
【思ったこと】
_40114(水)[一般]闘病記とじぶんの健康

 昨日に引き続き夕食にに「NHKクローズアップ現代No.1848」を視た。この日は、がんや心臓病など重い病気の体験をつづった「闘病記」の出版に関する話題だった。

 このような出版は、同じ境遇にある人たちを励まし、生きようとする力を見つける手がかりとして役に立つほか、執筆者自身にとっても前向きに生きる力となっているという。

 もっとも、健康な人間がこの種の手記を読んで、どこまで深く理解できるのかは何とも言えない。軽く扱ってしまえば、単なるお涙頂戴ものになってしまうし、あるいは「世の中にはこんなに不幸な人がいる。それに比べれば自分はまだマシだ」という比較の上で相対的幸福感を味わうだけに終わってしまう。本当に大切なのは、闘病記から「生きようとする意味」の大切さを学び、健康な日常の中にそれを活かしていくことにあるのだろうが、口先ではそう言えても、身近な体験が伴わないとなかなか感じ取れないところがある。




 幸いなことに、私自身はいま、差し迫った健康上の不安が無い。正月の南新疆シルクロードの旅行中も、特に体調を崩すことは無かった。SARSはもちろん風邪をうつされることもなく、帰国後10日間の要注意期間をすぎても、鼻水1つ、咳1つ出ることはない。

 私自身の不安はむしろ、日本人の平均的な寿命から引き算した余命の中でどれだけのことを実現できるかということだ。学んでおきたいこと、読んでおきたい本、登ってみたい山など山ほどあるが、実現できることは時間的に限られている。昨日の日記にも書いたが、最近やたら海外トレッキングに参加するようになった理由の1つは、「いったん健康を害したら、生涯行かれなくなってしまう」という危機感が増してきたためでもある。 決して、暇をもてあまして出かけているわけではない。




 もっとも、自分が人一倍健康であるなどというのは間違いであり、ある日突然事故に遭ったり、精密検査でガンが発見されるという可能性は常にある。しかし、そういう心配ばかりで取り越し苦労に終わってしまう。自分が健康であるという前提がいかに脆く「板子一枚下は地獄」であったとしても、健康であるうちは、健康な時にできることだけを考え、健康でなくなった時はそれに合わせてまた別の生き方を考えればそれでよいのではと思ってみたりする。