じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真]  岡山市内では1月9日の朝、この冬はじめて氷点下(といってもマイナス0.3度)を記録したという。しかし日だまりではコスモスがまだまだ最後の花をつけており、暖冬ぶりを象徴している。各種記録によれば、12月29日から1月4日までの最高気温、最低気温は
最高気温(℃) 12.2、14.6、10.4、12.9、10.6、12.1、11.8
最低気温(℃) 0.6、 4.2、 6.4、 5.2、 2.9、 2.8、 1.9 となっており、30日から正月三が日にかけて暖かい毎日が続いたようだ。なお、コスモスの後ろ側では、ビワがたくさんの花をつけている。


1月9日(金)

【ちょっと思ったこと】

年度内最後の休息

 1月から3月下旬までは大学教員にとっては最も忙しい時期にあたる。この期間には、センター試験、修論試問、卒論執筆指導、大阪での出張講義、後期試験、3回生ゼミ論発表会、後期試験採点、院入試、卒論試問、前期個別学力試験、私費外国人留学生等試験、後期個別学力試験、各種委員会の総括報告、...というように日程が目白押しになっており、健康が取り柄の私も風邪を引いたり体調を崩したりする時がある。

 そんななか、1月10日(土)から1月12日(月)までの三連休は最後の休息の時期である。すでに提出されている修士論文8編の査読を進めつつ、卒論生や留学生の指導、そのほか事務的な雑務などをこなしながら、ゆとりをもって過ごしたいと考えている。





森夫妻

 夕食時にNHK金曜ショータイム「歌と漫談でつづる夫婦賛歌、森進一・昌子夫妻熱唱」を視た。ふだん歌謡番組などめったに視ない私ではあるが、このお二人はいずれも私が学生の頃に活躍していた大歌手である。結局最後まで視てしまった。

 番組の最中、「森進一は私が学生時代からすでに活躍していたのだから、今はもう60歳近いんじゃないか」と言うと、妻は「若い時にデビューしていたんだから、ひょっとしてあなたと同じ年じゃない?」と答える。あとでネットで調べてみたら1947年11月18日生まれとあった。なんだ、5歳も年上じゃないか。

 ちなみに、森昌子は1958年10月13日生まれであった。こちらは妻と同世代である。

 同姓のお二人が結婚するというのは歌謡界では珍しいのでは?と思ったが、これはあくまで芸名の話。本名は、森進一が森内一寛、森昌子は森田昌子だったのが、結婚改姓して森内昌子となられたそうだ。

【思ったこと】
_40109(金)[教育]教育訓練給付金は一講座に6億4千万円、教育COEは総額で13億円

 1月9日の各種報道によれば、再就職支援のパソコン講座を開いていないのに国から受講者に支払われる教育訓練給付金をだましとったとして、岡山県警は8日、県内のソフト開発・販売会社社長など5人を詐欺の疑いで逮捕した。昨年3月に実体のないパソコン講座の計画書を同省に提出して教育訓練施設の指定を受け、同4月末までに申し込んだ21人に対し、正規の講座を修了していないのに修了証を発行し、同省から受講者に振り込まれた給付金、計630万円をだましとった疑い。

 この教育訓練給付金というのは、労働者の雇用の安定と再就職の促進を目的に、1998年12月から実施。雇用保険に5年以上加入した人が厚労相指定の教育訓練を修了すると費用の8割(上限30万円)が支給される(2003年5月以後は、現在は加入期簡5年以上で費用の4割、上限20万円支給に改正されている)仕組みだ。厚労省によると、この講座では、岡山県を中心に全国で2311人分の修了証が発行され、昨年11月までに給付額は計6億4千万円になるという。

 この教育給付金制度については、新聞折り込みの通信講座広告などでしばしば「受講料わずか○○円」、「受講料の8割が戻る」などの宣伝文句を見かけたことがあり以前から知っていたが、なんだか胡散臭い気がしていた。もともと「厚労省指定の教育訓練」などといっても書類審査だけで終わってしまうのであればいくらでも作文ができる。事後監査も十分に行われていないのではないかと思われるが、今回の摘発をきっかけに、他の講座についても、その実態や成果について十分な検証が行われることに期待したいと思う。




 それにしてもこの報道で驚いたのが給付額の多さである。この会社が「開設」した一講座だけで6億4千万円にものぼる給付が行われたという。このことでふと思い出したのが、全国の大学に対して公募された「特色ある教育(いわゆる教育COE、あるいはCOL)」の予算額である。こちらにある通り、平成15年度は総額で約13億円という。つまり、全国の大学の教育の活性化のために確保された予算の半分にあたる額が、実態のあやしいパソコン講座1講座の給付金として支給されたというのだから驚きだ。

 「労働者の雇用の安定と再就職の促進」という目的自体は大切なことだと思うが、再就職に役立つ教育訓練というのであれば、私企業が勝手に発行する「修了証」ではなく、ちゃんとした国家試験(たとえば情報処理技術者の試験)の合格と引き替えに給付すべきであろう。というか、そういう資格がとれれば後々の収入も増えるはずだから、まるまる給付というのはおかしい。あくまで、無利子貸付という形で、自立を促すべきである。

※大学や大学院の奨学金についても、返済免除の特例を設けるのはおかしいというのが私の持論だ。「無利子貸付、出世払い」が基本。このほか、大学内における学生アルバイトの職種を増やし、勉学に支障の無い形で学生が生活費の一部を稼ぐ環境を整備していく必要があると思っている。学生を、親の仕送りや返済免除の奨学金で甘やかしてはならない。