じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 岡山では23日、木枯らし第一号と呼べるような強い風が吹いた。南北通りのギンナンが大量に落ちて絨毯模様となっていた。


10月23日(水)

【ちょっと思ったこと】

「虎」のつく山

 NHK5時台のニュースで、タイガースファンが「虎毛山(とらげやま)」という山に登って優勝祈願、甲子園球場の方角を向いて二拝二拍手一拝をしたという話題を取り上げていた。虎毛山というのは秋田県にある標高1432m(番組では1433mと言っていたように記憶しているが)の山。ちょうど美しい黄葉(=虎色)が映し出されていた。また、こちらの案内によれば、
頂上の東側には1haほどの湿原が広がり、ヒナザクラ、チングルマ、イワイチョウなどが咲き誇ります。また東側にそびえる栗駒山が、その美しい山容を湿原の水面に映してくれます。
という。阪神ファンならずとも、登りがいのある山のようだ。

 番組では、この虎毛山が、「虎」のつく山としては国内最高峰であると言っていた。中学の頃、浅間山やその外輪山に登った時に確か「虎の尾」という山があったのではないかとネットで調べてみたところ、確かに、外輪山の一角に蛇骨岳・槍ノ鞘・虎ノ尾という名称がつけられていることが確認できた。但しこれは外輪山の一部にすぎない。独立峰では虎毛山のほうが標高が高いのだろう。

 海外で「タイガー」のつく山で頭に浮かぶのはタイガーヒルという展望台。世界第3の高峰カンチェン・ジェンガが見渡せる丘として知られているが、いまリンクしたサイトによれば、冬以外は霞んでいて展望はイマイチのようだった。

 NHKの番組では「全国には“鷹”のつく山もたくさんあるので、ホークスファンも登っているかもしれない」というようなことを言っていたが、優勝祈願のために山に登るようなアホなヤツは、タイガースファン以外では考えにくいだろう。それと「鷹」のつく山と言えば、どうしても、日本航空123便が墜落した御巣鷹山の悲しみが思い出される。

 余談だが、こちらの山はボリビアにあるコンドリリ峰5648m。コンドルが羽を広げたような山として知られる。こちらによれば、コンドルは鷲鷹目コンドル科に属するということなので、「鷹」がつく山の一種であることに変わりはないかも。

【思ったこと】
_31023(水)[教育]学生の希望・意見を反映させる方法(2)アンケートがすべてではない

 昨日の続き。大勢の人の意見を聞く方法として質問紙型のアンケートがある。岡大では、大学の全授業科目についてマークシート形式による授業評価アンケートを実施しているほか、学生・教員FD検討会が、授業や勉学環境上の諸問題について独自のアンケートを行っている。それぞれ貴重な成果が得られていることは確かである。

 しかし、ここでくれぐれも留意してほしいのは、質問紙で調べられる内容はきわめて限られているということだ。アンケートは、機関として全体状況を把握する上では有用であるが、そこで得られるのは、いくつかの代表意見の比率、あるいは平均値と分散程度のことだ。個々の具体的な情報は伝わってこない。

 岡大では、マークシート型とは別に、自由記述のアンケートを実施している。こちらのほうは、自分が受講している授業について、いつでも自由に意見を述べられるようになっている。ところが、この自由記述方式は必ずしも多くの大学で取り入れられていないという情報があった。その理由は「自由記述式では全体傾向がつかめないから」というものらしいが、私はそれは間違っていると思う。「学生の希望・意見を反映させる」というのは、何も彼らの多数意見や平均値的な傾向を考慮するという意味ではない。ユニークな意見であっても、取り上げるべき価値のあるものはたくさんある。非常にすぐれた授業や、欠陥授業についても、単に数量的な評価が高い低いではなく、具体的にどこがよいのか悪いのかを知ることができる。

 アンケートを実施することはよいのだが、調査方法がそれだけだと思ったら大間違いだ。心理学の研究では当たり前になっていることだが、調査には、観察や面接といった方法もある。

 最近思うのだが、学生全員対象のアンケートとは別に、授業モニターのような制度などはどうだろうか。評価についてある程度の訓練を受けた上で、いくつかの授業をモニターとして受講し報告書を提出するというもの。もっともモニターに支払う謝金は確保できない。「教育評価法」というような授業の一環として行うとよいのではないかと考えている。次回に続く。