じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 朝の散歩道で見かけた蕎麦の花。黄金色の田んぼも美しい。


10月8日(水)

【思ったこと】
_31008(水)[心理]ハセガワは何を研究しているのか?

 岡大では昨年度から個人評価データをWeb入力することになっている。入力項目は、研究活動、教育活動、管理運営、社会貢献など多岐にわたっており、先日、今回の対象期間についての入力をやっと終えたところだ。

 10月から留学生2名がやってきたことでもあり、また、3年生がそろそろ卒論テーマを考える時期でもあり、このあたりで、私が何に取り組もうとしているのか、考えを述べておきたいと思う。

●基本目標●
行動随伴性、およびクリティカルな視点から現実のいろいろな出来事を捉え直し、その問題点を探り、改善方法についての提言や、発展方向のありかたを示すこと。

●個別テーマ(いま関わっていること)●
  • 若者や高齢者の生きがいに関すること
    →「能動主義」の生きがい論、ダイバージョナルセラピー(DT)、園芸療法など
  • コミュニティ活性化、環境問題に関すること
    →地域通貨の活用、人間植物関係学会(上記の園芸療法を含む)
  • 教育に関すること
    →全学FD委員会における実践、漢字教育、英語教育
  • 心理学研究法一般に関すること
    →外的妥当性を考慮に入れない研究に対する批判、量的研究や質的研究の諸問題
 このほか、従来は、学生の卒論・修論指導などを通じて、食心理学や創造性(主として、可変的な選択行動の形成)にも取り組んできたが、現在は手一杯。「食心理学」については、時たまテレビ番組制作小会社からの問い合わせもあるが、最新の情報は提供できない。校務があまりにも忙しく本年度からは学外非常勤も全部辞退してしまったため、授業ネタとしての情報収集さえしていない。

 私自身は、学部時代から長崎大、岡大赴任当初まで、殆ど実験心理学だけで論文を書いてきた。しかしこの5年ほどは、学生の指導をする以外には実験装置に触れたことすらない。実験的方法は、卒論・修論レベルで1つの成果を示すには有効な手段であると思うけれども、心理学に限っては、論文に仕上げるために信頼性や内的妥当性を高めようとすればするほど現実から遊離していく宿命にある。残り少ないかもしれない人生をそういうことに捧げて、一流雑誌にこれだけたくさん論文を載せましたと言って研究者として評価されても、なんだかひじょうに空しい気がする(というか、たぶん、そんな能力はありませんと言ったほうが正解かもしれないが)。

 個別テーマの第一に挙げた「能動主義」の生きがい論は、できるだけ早く、本にまとめようと思っているところだが、これは理屈だけではだめだ。自らも実践してこそ主張できるものだと思う。テレビ番組で健康法を唱える学者は、自分自身でもそれを実践し、健康であることを示す責務がある。創造性訓練を唱える学者は、自らも創造性が鍛えられたことを示す責務がある。それと同じ意味で、能動主義が生きがいになると唱えるためには、自分自身も能動的であらねばならないと考えている。