じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 座主川(旭川からの用水)沿いのキンモクセイ。


10月4日(土)

【思ったこと】
_31004(土)[心理]エコミュニティ設立記念セミナー(1)野中ともよ氏×加藤敏春氏対談

[今日の写真]  明治大学駿河台キャンパス・リバティタワーで行われた“NPO法人「エコミュニティ・ネットワーク」設立記念〜地域コミュニティの再生と地域経済の活性化〜”の参加した。

 このNPOは、エコマネーの提唱者である加藤敏春氏がエコマネー・ネットワークを発展的に解消して設立したものである。当初は「エコマネー&コミュニティビジネス・ネットワーク」という名称も構想されていたようだが、コミュニティビジネスを冠した別のNPOがすでに存在していることからこういう名称になった。もっとも今回の基調講演を伺った限りでは、この2つの概念のほかに、コミュニティネットワークとエコポイントを含めた4つの新しい手段の連携が提唱されており、特にエコポイントと、2005年「愛・地球博」をめざしたEXPOエコマネー導入という当面の課題に重点が置かれているように印象づけられた。

 設立記念セミナーでは、飯田和人・明治大学政治経済学部長のご挨拶に続いて、第二部として、ジャーナリストの野中ともよ氏と加藤敏春氏の対談「持続可能な社会・コミュニティはいかにつくられるのか」が行われた(写真右上)。

 野中ともよ氏はテレビにも度々登場される著名なジャーナリストであるが、自らもNPO法人の理事をつとめられているという()。今回の参加したエコミュニティもそうだが、竹中大臣や日銀総裁など、政治経済界と関連が深いところにこうしたNPOの特色がある。

10/5追記]
野中ともよ氏はいろいろな役職についておられるが、この日に話題に上ったNPOは金融知力普及協会。日銀総裁が顧問になっているのがすごい。




 対談の中でも強調されたが、我々は、お金の払い方、貯金の仕方、保険や年金のしくみについては習ってきたものの、もっと根本的に「お金とは何か」ということをあまり考えてこなかった。株取引や外国為替で動くお金は何百兆円にも達し、ともすれば、利得の目盛だけで比較してしまう。同じマンションでも、家賃100万の部屋を借りている人のほうが、家賃50万の部屋を借りている人よりも高く評価されてしまう。

 お金が増えれば、いろいろな夢を叶えることはできる。しかしお金は人生の目的ではない。加藤氏が指摘されるように、お金は、そのいっぽうで、達成感、共感、自己実現、コミットメントといった多様な価値をそぎ落としてきた。

 お金についてのこのような反省から、リアルマネーとは異なった価値を評価することのできるエコマネーが発案され実践されてきたわけだが、今回、なぜエコミュニティ構想として発展的に解消されたのだろうか。私が個人的に理解した範囲で記すならば、おそらくそれは、いま問題となっている縦割り社会を複合、連携させることを目ざすことにあるように思われる。

 加藤氏が指摘されたように、今の社会は、行政機構においても住民の活動においても縦割り社会となっている。NPOなどもそれぞれの分野で個別的に活動しているだけだ。そうした異分野をつなげ、例えば商店街の活性化と子育て支援センターを複合、連携させるようなネットワークが求められる。そしてそれを実現するには、ボランティア経済(エコマネーなど)だけでは不十分であり、貨幣経済と連動するエコポイントやコミュニティビジネスの発展が必要である、というように理解できた。もっとも、これらは具体的な実践例をみていかないと何とも言えない。また、そういう流れの中で心理学がどう貢献できるのかも別の課題である。次回に続く。