じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真]  古新聞を整理していたら、阪神タイガース優勝セールの折り込みチラシがいっぱい出てきた。「本日より3日間(1店だけ5日間)」という見出しのほか、「本日とは優勝決定日の翌日のことです」という妙な但し書きがついていた。これは優勝決定翌日にチラシが配布されなかった場合のクレームに対応するためだろう。1店の広告にはご丁寧に「新聞休刊日等の関係でチラシが優勝決定日の翌日に折り込まれていない場合があります」と書かれてあったが、実際、そのとおりになってしまった。
 岡山県内のいろいろな店で優勝セールが行われること自体はありがたいのだが、昨年「巨人優勝セール」をやっていた店が無節操に「阪神優勝セール」に鞍替えするのはちょっとどうかと思う。


9月19日(金)

【ちょっと思ったこと】

入学金返還訴訟と休学の「権利」

 各種報道によれば、関西医科大学に合格後入学を辞退した2人が、納付金計1170万円の返還を求めた訴訟の判決が19日、大阪地裁であった。中村裁判長は「みずから入学を辞退した場合に大学は入学金を返還すべき義務を負わない」と指摘、また授業料や施設設備費については「本来は返還されるべき性質のものだが、入学間近に辞退者が出れば大学は補欠者を確保できず、6年間欠員が続いて損害を被る可能性がある」として「授業料は返さないとした募集要項は公序良俗に反しない」と請求を棄却したという。

 ちなみにこの請求は消費者契約法が施行された2001年4月より前の2000年度、2001年度の辞退者が原告であるため、民法上の公序良俗に反するかどうかで争われたという。また大学は、今春から納付の締め切りを国公立大後期試験の発表翌日にするなど改善しているという。

 この種の問題は法人化後の国立大でも起こりうるし、すでに定員割れをおこしている一部の私立大では経営上重大な関心事であろう。

 法律上専門的なことは分からないが、私は、消費者契約法の施行前であれ施行後であれ、授業料に関してはは返還するのが当然であると思っている。「入学間近に辞退者が出れば大学は補欠者を確保できず、6年間欠員が続いて損害を被る可能性がある」という点については、大学側が定員ぴったりに入学者を抑え、なおかつ、補欠募集や編入学による補充が絶対にできないと証明できた場合に限って成り立つロジックである。当該の大学の事情は分からないが、辞退者を見込んで水増し合格を出している場合には、その理由は使えない。

 いっぽう入学金のほうだが、これは、辞退のタイミングによって部分返還が望ましいのではないかと思う。海外のパッケージツアーなどを考えれば分かるが、いくらなんでも出発の前日になってから、別のツアーに変えたいという理由で旅行代金を返せとは言えない。大学の場合でも、新学期間近になれば、新入生のクラス別の名簿の整理、各種案内資料の送付など、いろいろな経費がかかる。入学者が辞退した場合にはその分の損失や修正の経費がかかる。それらを合理的な範囲で差し引いて返還するというのが妥当なところではないだろうか。




 このほか、私の大学でたまに話題になるのが、途中休学をした場合の授業料である。私の記憶が正しければ、国立大の場合、授業料は半期分ずつの納入となっているため、10月2日からの休学を申し出た人は、後期分の授業料を全額払わなければならないことになっていたと思う。この規則は消費者契約法施行後も変わっていなかったはずだ。個人の勝手な都合なら全額支払いもアリだと思うが、病気や事故など真にやむを得ない場合はどうなっていたのだろうか。

 なお、この休学だが、以前は、留年が確定した学生が授業料節約のために「一身上の理由」で申請するケースがあった。しかし、最近では、学則を厳格に適用し、真にやむを得ない事情にあたるかどうかを審査した上で許可を出すことになっている。例えば、病気の場合には診断書、「進路変更」等を理由にする場合には指導教員による詳細な証明が求められる。休学は決して個人の勝手ではない。休学後に復学すれば、下の学生の現員が増えることにより教育設備上不利益を被る恐れがある。また、いったん大学に入った以上は、学生には所定の年限内で学業に励む義務があるという大原則もあるようだ。