じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] [今日の写真] 岡山・後楽園では9月11日〜13日にお月見のための夜間開園を実施した。雲が多かったものの、21時前になってやっと雲間から月が姿を見せるようになった。ひときわ明るい火星も眺めることができた。写真右は岡山城のライトアップ。


9月13日(土)

【思ったこと】
_30913(土)[一般]デジタル放送のカードキーと公共放送

 9月14日の朝日新聞一面トップ記事によれば、12月から始まる地上波デジタル放送と、すでに放送しているBSデジタル放送について、NHKは専用のカードキーをテレビに差し込んでいる視聴者だけに見せる「限定受信方式」を導入する方針を決めた。来年4月実施の予定で、民放も同調する見通しだという。

 記事によればこの対策は、録画された番組が海賊版として大量に売られることを防止するためのものであり、これば実現すれば1回しか録画できないことになる。

 ここで多少不安になるのは、最近出回っているハードディスク内蔵型のDVDで録画した場合だ。とりあえず録画しておいて、あとで長期間とっておきたいと思った時に再コピーができるのだろうか。あるいは、自分なりに、必要部分だけを切り取って残しておきたいような場合だ。個人利用だけの目的であっても、再コピーの必要は結構多いのではないかと思う。

 海賊版防止のようなものは、ある程度大規模に売られれば必ず世間に知られてしまうから、取り締まりを徹底し、刑罰を重くすれば、少なくとも著作権者に損害を与えるような大規模な不正は十分に防げるのではないかと思う。




 ところでこの記事によれば、受信料を払わない登録者に対し、放送局がテレビに差し込まれたB-CASカードヘ機能を使えなくする信号を送ることも可能だ。この点についてNHK総合企画室は「公共放送の立場から、未契約世帯の解消策に限定受信方式を利用しない」としているというが、このさい、法律を盾に未契約者から無理に受信料を取り立てようとせず、希望する世帯とだけ契約を結ぶ有料放送に切り替えたらどうだろうかと思う。

 9月10日の日記にも書いたばかりだが、そもそもNHKの番組が「公共放送」に値するか、最近はひじょうに疑問に思うことが多い。スポーツコーナーでは、マツイがちょっと活躍しただけで全打席にインタビューまで入れて、他のスポーツの紹介を圧迫している。衛星第一放送などは
  • 9月13日:8時〜11時 松井出場予定試合/11時〜14時30分 イチロー出場予定試合
  • 9月14日:8時〜11時 松井出場予定試合/11時〜14時30分 イチロー出場予定試合/15時〜18時30分 中日×阪神
などと野球放送ばかりやっている(私は阪神ファンだけれども、ナゴヤドームの試合だったら民放地上波でも中継されている)。

 衛星放送ばかりでない。13日(土)のNHK総合は、なっなんと、18時〜18時45分と、19時半からの放送枠を使って、巨人×ヤクルト戦の中継をした。これのどこが公共放送に値するのか、それでどうして受信料くださいと言えるのか、私には全く理解できない。




 国鉄、電電公社、専売公社、国立大学、郵政事業、道路公団、...と民営化、法人化が進む中で、公共放送のあり方についてももっと議論が行われてしかるべきだと思う。政権やスポンサー(企業)の圧力を受けない不偏不党の報道というのは必要であるとは思うが、だからといって単一の機関が受信設備のある世帯から例外なく受信料を取り立てる制度が妥当であるとは思えない。デジタル放送によってチャンネル数は大幅に増えるだろうから、個々の視聴者が好みに応じて有料放送を限定受信契約していけば何ら問題ないと思う。

 NHKは国会中継など、採算の合わない公共的な放送をしていると主張されることもあるが、そういうものは、情報公開の一環として国営で行えばよいことだ。国営放送は政権支配の道具に使われるのでよくないなどと言われるが、独立評価機関の監視のもとで、情報公開の必要のあるものだけに限って放送するなら何ら問題はないと思う。大地震や台風の時の防災情報なども同様だ。

 教育目的、あるいは社会的弱者、マイノリティのための放送については、政府から独立した認証評価機関の決定によって、一定の援助を行えばよいだろう。