じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 来年度文学部案内に教室案内の写真を載せる必要が出てきたのだが、すでに夏休みに入り授業風景は写せない。そこで、心理学研究法の授業で使用していたハムスターを何枚か撮ってみたが、動きが速く、鮮明に撮るのが難しかった。ここに掲載したのは、比較的よく撮れたほう。


8月9日(土)

【ちょっと思ったこと】

宇宙の果てと膨張

 夕食時にNHK教育「ジュニアスペシャル最新宇宙論▽宇宙の果てはどんな姿」を視た。

 宇宙はずっと膨張を続けるのか、その果てはどうなっているのかという話題であったが、「真空エネルギー」なるものが存在し、真空空間の膨張に比例してエネルギー総量も増えるなどという理論が提唱されているというのは初耳だった。

 素人なりに要約すると、
  • 宇宙は現在膨張を続けているが、ある値より重力の密度が低ければ、宇宙はゆっくり膨張しつづけ、ある値より小さければ、その重力により、引き寄せられ、凝縮崩壊してしまう。
  • ある学者が超新星を丹念に観測した結果、上記のどちらの予測ともことなり、実は、膨張速度は加速していることがわかった。
  • その加速をもたらすエネルギーとして提唱されたのが真空のエネルギー。但し、その存在自体は、アインシュタインの宇宙方程式のなかでλ項(宇宙定数)として一度提唱され、のちじアインシュタイン自身によって否定された。、λ項(ラムダ)の復活である。
  • このほか、焼き餅のいろんな部分が膨らむようにいろいろな宇宙が生成され、消えていくという可能性、それら異宇宙間をつなぐパイプのようなものもありうることも指摘された。
 この番組を視ていて、宇宙についての理論というのは、自分の存在する世界内部のファクターだけで現象を説明しようとしているんだなあと、ふと思った。自分の存在しない外部世界を想定すれば、例えば
  • 宇宙は爆発したのではなく、外部からの強大な力(マイナスの力)によって吸い寄せられている。
  • 宇宙は、外側に向かって、加速しながら「落下」している
なんていう考えも成り立つのではないかということだ。

 ま、どっちにしても、「果て」という概念は、日常生活の中で、ある性質を持った空間(もしくは平面)が、その性質を有さない別の空間と接している場所を示すようなものであり、日常世界の物理・化学法則だけで説明できない空間にあてはめても、しょせん、アナロジーとしてしか理解できないようにも思える。

 けっきょくのところ、一般人が宇宙をどれだけ理解できるかという問題は、日常空間でごく普通に受け入れられている存在や法則にどこまでアナロジカルに結びつけられるのかにかかっているようにも思える。




沢たまきさんとプレイガール

 各種報道によれば、公明党参院議員で歌手の沢たまきさんが9日未明に亡くなられたという。66歳。

 おくやみ記事にもあるように、沢さんは1956年に歌手デビューし、テレビドラマ「プレイガール」に主演するなど女優としても活躍した。私が存じ上げていたのは「プレイガール」のみであり、その後、政治家に転身されたことは今回初めて知った。

 こちらによれば、プレイガールは1969年に放映開始。「テレビドラマ「プレイガール」は人気番組になった。といっても、子どもは視聴禁止、お父さんがこっそりウハウハと楽しむお色気番組だった。」とあるが、「お色気」というより、強い女を描いた番組という印象が強かった。69年と言えば東大・安田講堂の封鎖解除、ウーマンリブが盛んになった時代であり、当時の世相が各所に反映していた。

 私の記憶になぜか強く残っているのは、伴淳三郎がゲスト出演した時の回(ネットで検索したところ、第25回「女殺し昭和元禄」というタイトルであったようだが未確認)。たしか伴淳三郎は犯罪者養成教室の校長役であったが、そこにも全共闘運動の波が及び、弟子に監禁されるというようなストーリーだったと思う。その伴淳三郎が凶弾に倒れて息をひきとった時に、居合わせた者が念仏を唱えると、いったん生き返って「ワシの宗旨は日蓮宗だ!」と叫ぶ。居合わせた者は慌てて「南無妙法蓮華経」と唱えると、安らかに息を引き取るというシーンがあった。あれは当時の創価学会に対する皮肉かなあと思っていたのだが、沢さんが公明党議員であったことを考えると別の皮肉の意味があったのだろうかと、今になって深読みしてしまう。

 当時のウーマンリブというのは、地道な女性解放運動、男女機会均等の運動に比べると、流行に乗じて上滑りしている部分があり、また、ブームに便乗し、ちょっとつまづくと「普通の主婦に戻ります」と投げ出す人たちもいた。あれから30年経って、もはや「強い女性」だけでは話題にのぼらなくなった。年配の男性を捕まえて「インポ」、「ハゲ」などと叫べば、逆にセクハラで訴えられそうだ。とはいえ、まだまだ、機会均等は完全に実現したわけではなく、女性を被害者とするセクハラ事件も多発している。