じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] ビロードモウズイカ(「ビロード(天鵞絨)」+「モウ(毛)」+「ズイカ(蕊花)」)。今年も2メートル近い花穂をつけた。


6月12日(木)

【ちょっと思ったこと】

「カンヨウ」の反対語

 夕食時にTVチャンピオン「全国・親子漢字王」を視た。小学校5〜6年生とその親が単独または協力しながら難問に挑戦するという企画。

 この番組でなかなかよいと思ったのは、ボードに示された「漏斗」、「紅夷松」、「鉋」、などを、大型スーパーの売り場から持ち出してくるというゲームである。漢字で表記されたものが実際にどういうモノであるのか、さらにどの売り場に置いてあるのかを知らなければゲームに勝つことができない。実物を知らず、幾何学模様のような漢字と読みの対を丸暗記していただけでは決して解けないわけだ。

 決勝戦の最後の問題は、子どもが「かんよう」を漢字で書き、さらにその漢熟語の反対語を親が書くという連携ゲームであった。優勝した親子の場合は、子どものほうがまず「かんよう」を「寛容」と書き出す。親はそれを見て、ちょっと迷いながら「厳格」と書いて正解となった。惜しくも優勝を逃した親子の場合は、子どものほうが「かんよう」を「慣用」と書いてしまったために親は反対語を探し出すことができなかった。「慣用」に対して「正式」ではダメなんだろうなあ。ATOKではこのほか「肝要」、「涵養」、「簡要」、「官用」なども候補として挙がるが、それぞれの反対語が何であるのか、簡単には思い浮かばない。

 優勝した小5の鈴木太郎くんというのは国語力も相当な力があると思う。その能力が今後どんな分野で伸ばされていくのか、10年後が楽しみである。お母さんの名字にかっこ書きで別姓が書かれてあり妻も気にしていたが、勝者インタビューの際にはそのことには全く触れられなかった。

 余談だが、私自身は、小中学校で「反対語を書け」という問題が大嫌いだった。小学校の時、「白の反対語は赤ですか、黒ですか?」と質問したこともあったが納得のいく答えはもらえなかった。上記で、「寛容」の反対語が「厳格」であるというのも完全に納得したわけではない。例えば、「厳格な先生」の反対語は何かと言われても「寛容な先生」かもしれないし「人情味のある先生」かもしれないし、「エエ加減な先生」かもしれぬ。

 念のため『新明解』で調べてみたところ

●反対語:その表す意味が積極的・消極的のような対比的な関係にある語。二字の漢語に「不・非」を冠したものは普通この中に含まない。

などと説明されていたが、じゃあ「対比的」とは何なのか。そんな難しいことを小学生に教えるほうが間違っているのではないかと思ってみたりする。

 大人になってから分かったことだが、厳密な意味での反対語とは
  • 「プラス、マイナス」のような二極概念に相当する二語
  • 一直線上の量的変化について、その両極端、もしくは増減の方向を表現する二語
  • 円環上に向かい合っている二語
  • 集合と補集合を対比的に表す二語
などのことを言うのだと思う。名義尺度的なカテゴリー間には本来、反対語は存在しない。人間があるニーズに基づいて対立軸を設定し、便宜上反対語として表現しているにすぎない。「白vs赤」、「白vs黒」というように対立軸の置き方が変われば当然反対語も異なってくるはずだ。学校教育の中で、対立軸をはっきり示さずに「反対語は何か」と訊くのは、やっぱり無謀なことだと思う。






便利な防災情報

 6月12日より、防災情報システムの運用が始まった。集中豪雨などの防災に文字通り役立つほか、生活上必要なローカルな天気の変化を読み取ることもできる。たまたま6月12日の夕刻は雨が本降りとなっていたが、こちらのレーダー(中国地方に拡大可能)を見たところ福山あたりに雨雲の隙間があり、岡山市方面に移動していることが分かった。しばらく仕事を続けていたところ、予想通りに雨が止み、濡れずに帰ることができた。

 天気予報で「曇り時々雨」などと言われても10分後に降るかどうかはさっぱり分からない。これまでも山陰地方中心のレーダー・アメダス情報を利用していたことはあったが、今回開設されたシステムのほうがリアルタイムに近く、いっそう便利になった。