じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

5月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

[今日の写真] 八重咲きの芍薬。何年前であったか忘れてしまったが、文学部建物内の掃除をしてくださっているおばちゃんが、ご自分の庭からいろいろな苗を持ってきてくれたことがあった。この芍薬のほか、リコリス、シュウメイギクなどが今でも毎年を花をつけている。おばちゃんは数年間勤められたあと、退職された。この写真を見ていただけるとありがたいのだが...


5月20日(火)

【ちょっと思ったこと】

パ・リーグのプレーオフは野球をつまらなくする

 各種報道によれば、プロ野球実行委員会は19日、来季から独自のプレーオフ制度を導入するパ・リーグのペナントレースを135試合制で実施することを決めた(セ・リーグは140試合)。プレーオフの詳細は6月10日の臨時理事会で詰めるということだが、伝えられたところでは、2、3位のチームがまず3回戦制で対戦し、その勝者と1位チームが5回戦制で戦うという内容らしい。

 この制度が導入されれば、首位チームにいくら差をつけられてもまだ優勝のチャンスが残る。下位のチームでもとにかく3位になろうと必死に頑張るので、終盤になってもお客が集まり盛り上がる可能性がある。さらに、プレーオフ自体の観客が期待されるという目論見なのであろう。

 しかし、どうだろうか。いまのペナントレースの最大の魅力は、1試合1試合に平等の重みがあり、勝てば優勝に1歩近づき、負ければ1歩交代、そのプロセスにおける悲喜こもごもの対戦場面が感動を生み出しているのである。伝えられた内容のプレーオフというのは、要するに、優勝するための抜け道を作るということでもある。とにかく3位をキープし、2位チームに2勝1敗、1位チームに3勝2敗以上の成績で勝ち越せば優勝できるということだ。これによって1試合1試合の勝利の積み重ねが無駄に終わることさえある。つまり、1位になることの重みがそれだけ割引されてしまうということだ。

 オリンピックの競技ではしばしば敗者復活戦という制度がある。しかしそれはトーナメント戦での不運を補うための措置として有効である。何度も対戦を繰り返すペナントレースには当てはまらない。

 では、妥当なプレーオフ制度としてはどういうものが考えられるだろうか。重要なことは、誰が考えても「これなら納得」という基準を複数作り、それぞれの基準で最強となったチームを対戦させることである。

 かつてパ・リーグに導入されていた前期、後期各優勝チームによるプレーオフは、この点では妥当性があった。しかし、これでは前期で優勝を決めたチームが後期に手抜きをする恐れがある。

 別の方法としては勝ち点制が考えられる。対戦カード各28試合(合計135試合なら各27試合)において、相手チームに勝ち越せば2点、引き分けなら1点という形で勝ち点を争う。そのトップのチームと、勝率が最も高いチームでプレーオフを行う争うならば、1位の重みは割引されずに済む。実際には、勝率トップのチームが勝ち点もトップになる可能性が大きいが、過去には特定チームを「お客さん」とすることで勝率を上げた優勝チームもあった。また、勝ち点制を併用すれば、どのチームにおいても、勝ち越し負け越しが決定する試合を総力戦で戦うことになり盛り上がりが生まれるだろう。

 これ以外の方法として、例えば、100試合終わった時点で下位3チームはシーズン終了。残りは上位3チームだけで20試合ずつ対戦、さらに最後の20試合は上位2チームだけの対戦とするという方式も考えられる。この場合、優勝決定はあくまで1試合目からの全体の勝率で決めることとする。こうすれば、中盤での2位〜4位争いも盛り上がるし、1勝の重みが割り引きされることもない。問題があるとすれば、試合数が異なることで、上位チームの選手と下位チームの選手の個人の成績が公平に評価できなくなる点であろう。しかし、野球はほんらいチームプレイなのだから、下位チームが不利になっても構わない。というか現状でも、優勝に関係無くなったチームの選手のほうが競り合っているチームの選手よりも個人成績を有利に残せるという不公平は生じていると思う。





ネットからの不正投票

 野球の話題ばかりとなるが、21日の朝日新聞によれば、プロ野球オールスターゲーム運営委員会は20日、インターネットによるファン投票に不正があったとし、今後も異常事態が続けば何らかの措置を講じると明らかにしたという。

 記事によれば、1台のパソコンから半日で1000回を超える大量投票が複数あり、2年以上一軍登板の無い川崎投手(中日)が先発投手部門3位を占めているという。

 そういえば私が日記猿人(ニッキエンジン、現在の日記才人)に登録した1997年5月頃は、不正投票疑惑が大きな問題となっていた。不正投票は本人が自分で行う場合もあるが、友人や、時には悪意をもった第三者が、本人の意向と無関係に行うこともある。上記の事例でも、川崎投手本人が行ったとはちょっと考えにくい(そのような形で話題になっても本人には何のメリットもないからだ)。日記才人が現在採用しているユーザー制にすれば、少なくとも1台のパソコンから1000票を入れるようなことはできない。といって、オールスター投票にこれを導入することはちょっと無理だろう。

 大量不正投票を防ぐ唯一の手だては、コストをかけさせることだ。郵送投票ならば少なくとも葉書代がかかるし、記入の手間もかかる。あるいは、寄附金つき投票というのがあってもよいだろう。やはり何らかの手だては必要かと思う。

※阪神のムーア投手が一塁手部門5位につけているというが、これは不正投票ではなく、打者としての活躍をみたいということらしい。