じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] [写真] サクランボが真っ赤に熟した。右の写真は、花が開いた頃(3/18撮影)。彼岸桜の一種である。


5月9日(金)

【ちょっと思ったこと】

どこの家にも二羽の鳥ぐらいは居る

 「霊能者」の宜保愛子さんが6日、胃ガンのため71歳で亡くなったという。宜保さんと言えば、20年ほど前から「霊視」で知られており、その真偽をめぐって学者らの間でも論争が起きたというが、もともとオカルトや超能力などに無関心の私は、端から相手にせず、テレビなどに登場されるとさっさとチャンネルを変えてしまうほどであった。まれにクイズ番組に登場した時なのどは、霊視で100%正解にならないのはおかしいじゃないか、などと冷やかしたものである。宜保さんが「霊能」をお持ちであるなら、なぜご自分のガンを早期に発見できなかったのか、あるいはご自分の健康を守るためにその力を発揮されなかったのか大変残念な気がするが、ご本人が亡くなられた後でこういうことを言うのは失礼にあたるだろうか。

 もっとも、最近では「霊視」よりもタレントさんとして出演されており、「霊能」よりもお人柄に人気があったようだ。宜保さんご本人は別にインチキをしているわけではなく、単に、視聴率稼ぎのテレビ局や売り上げ目当ての週刊誌によって利用され、あれやこれやと騒がれていただけなのかもしれない。

 宜保さんが亡くなられたというニュースは、出かける間際、妻が視ていたワイドショーで初めて知った。その際、出演者の一人が、かつて宜保さんに「あなたの家に二羽の鳥が見えている」と「霊視」され、家の中を探したら二羽の鳥の剥製があったというエピソードを語っていた。その人にとっても、それを聞いた視聴者の一部も、これぞ「霊視」の証拠だと思ったかもしれない。

 しかし、考えてみれば、どの家にも二羽の鳥ぐらい居るものである。そのエピソードを聞いた直後に部屋の中を見回したら、我が家にもあったあった。妻のトールペイント作品の中にちゃんと、ニワトリとアヒルの絵が描かれていたのである。すぐに見つからない人でも、カレンダーの写真、酉年の年賀状、庭先の木の枝などを探せば、どこかに二羽の鳥ぐらいは必ず居るものである。

 これは別に鳥に限ったものではない。いまここで私が「あなたの家に一匹のネコが見える」と「霊視」したとする。ネコを飼っている方はもちろん、そうでない家でも、ネコ嫌いの家であっても、どこかにネコの写真かイラストぐらいはあるものだ。

 念のためお断りしておくが、私は、一般論として、占いや「霊能」を適度に信じながら前向きの生き方をすること自体は否定していない。健全な占いは、心理カウンセラーと同等以上の効果があるとも思っている。ただ、私個人はそういう生き方をしていないし、そういうもので金儲けする人々、特に霊感商法のような反社会的行為をするカルト宗教団体は断じて許さない。




あまりにもヒドイ言い訳

 名古屋刑務所でおこった受刑者急死の事件で、特別公務員暴行障害致死の罪に問われた副看守長の初公判が9日、名古屋地裁で行われたという。

 記事によれば、被告は「懲らしめの目的で、必要がないのに多量に放水する暴行を加えた」との起訴事実を否認。弁護側は「保護房を消防用ホースの水で清掃中、受刑者を制圧していた他の刑務官から汚れている肛門部の洗浄を促された。放水する必要があった」と主張したというが[5/10朝日新聞記事による]、これってあまりにも不自然な言い訳ではないだろうか。そもそも、室内を消防用ホースで清掃すること自体がおかしいし、清掃の際には受刑者を別の部屋に移せばよくわざわざ制圧しておく必要はない。また、肛門部に汚れがあったとしても、服を着ていれば普通は気づかれないはずである。こんなヒドイ言い訳が通るとは到底思えない。

 この事件は当初から「懲罰の行きすぎ」として報じられてきたが、肛門に放水するなどという行為はどうみてもサディスティック。そうした異常性、つまり性的快感を満たすために受刑者を虐待した可能性は無かったのだろうか。

 裁判中のことなので軽はずみな発言はできないが、この被告の有罪が確定し、刑に服することになった時、自分の肛門はどうやって洗浄するのだろうか。弁護側の主張が成り立つとするなら、消防ホースで洗ってもらえばいいかも。