じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 4月8日は未明から雨。すっかり枯れたと思っていた「やぶれ傘」が芽を出し始めた。


4月7日(月)

【ちょっと思ったこと】

電話勧誘はむしろマイナス

 新学期に入り、研究室に、ワンルームマンションの勧誘電話がしつこくかかるようになってきた。最近の特色は、いきなり「民営化の嵐の中で、先生方の安定した資産運用のご案内を....」としゃべり出すヤツ。もっとも、その言葉が終わらないうちに私は受話器を放り出して、受話器が戻されていないことを警告する発信音が鳴り出すまで放置することに決めているので、その後何をしゃべっているのかは定かではない。

 先日、某ニュース系Webサイトに、以前しつこくマンション投資の電話をかけてきた某社が広告を載せているのを偶然みかけた。念のためアクセスしてみたが、会社名や宣伝対象はどうやら電話の主と同一のようであった。

 いろいろ受け止め方はあるだろうが、私の場合、勤務時間中に勤務先に業務妨害となるような勧誘電話をしてくる会社は
  • 会社の営業方針そのものに欠陥があり、その一点だけに限ってもすでに信頼を無くしている。
  • しつこく電話をかけてくるということは、儲かっていない証拠。本当に儲かる話なら、宣伝しなくても客のほうから問い合わせが殺到するはず。
  • しつこい勧誘をするような会社は自転車操業、もしくは、堅実さを欠いた急速な業務拡大を狙っており、いつか破綻するだろう。
と受け止めざるを得ない。Web広告を出している会社なども、電話勧誘をしていなければ多少は関心を持ったかもしれないが(←ま、どっちにしてもそんなことに「投資」する気など全くないが)、業務妨害となる勧誘をしていたという事実を知った時点でもはや切り捨て。明らかにマイナス材料になっている。

 それにしても、仕事中にかかってきた電話を断りもせず、口車に乗せられて投資をするような教員がホンマに居るんやろか。

【思ったこと】
_30407(月)[心理]質的分析と行動分析(3)統計データにおける「質」

 昨日の続き。統計学で扱うデータは、量的データと質的データに分けられる。前者は定量データ、後者は定性データと呼ばれ、数量で表現できるかどうかが大きな決め手となっている。

 統計学の各種入門書が解説しているように、データは測定対象の持つ特徴によって、名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度の4つに分けられ、それぞれに適した代表値や解析法が考案されている。以下、おおまかな特徴を記すと、
  • 名義尺度:単なるカテゴリ分け。同一あるいは同種のものの頻度を数えることができる。データの並びには意味が無い。出身県、音楽のジャンル、花の種類など。
  • 順序尺度:大小や高低などに基づく順位づけが可能。但し、データ間の差異は問題にされない。テストの得点順位など。
  • 間隔尺度:2つの間の差や和にも意味がある。摂氏などの温度。
  • 比率尺度:原点0(ゼロ)が一義的に定まっており、測定値間の比を問題にすることができる。長さや重さなど。

となる。これらの尺度は、

名義尺度⊃順序尺度⊃間隔尺度⊃比率尺度 という包含関係にあり、高い尺度の水準のデータでは低い水準において可能は解析法をすべて適用することができ、かつ適用可能なデータ解析法の種類は多彩になる。

 これら4つの尺度は、いっぱんに、名義尺度と順序尺度は質的データ(質的変数)、間隔尺度と比率尺度は量的データ(量的変数)というように分類されている。但し、名義尺度や順序尺度であっても数量的な処理が全くできないというわけではない。例えば、名義尺度であっても度数(比率)の検定、モード、連関係数の算出などは可能であるし、順序尺度では、中央値や順位相関などを求めることができる。さらに、このほか、数量化I〜IV類のように、質的データのもつ多くの側面のうちのある部分に焦点をあて、数値による表現を可能にする手法が開発されている。

 以上見てきたように、「質的か量的か」という区別はデータそれ自体の本質を表すものではなく、むしろデータのどういう側面に注目し、どういう処理を行うかによって、質的にも量的にもなると言うことができるだろう。