じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[写真] 3/3の日記で一度紹介したヒヤシンス休息所。水栽培でやせ細った球根であったが、一年後にも何とか花芽を出している。


3月13日(木)

【ちょっと思ったこと】

大学内の委員会活動

 大学内では年度末の引き継ぎ委員会が次々と開かれている。私が委員長をつとめる全学委員会も3/14が年度内最終。来年度の新委員の方にも同席していただき、活動の総括を行うことになっている。

 数年前まで、大学内の委員は輪番制が原則となっていた。学部の委員であれば、学科内でのローテーション。委員長は学科のローテーションでまわしていく。このやり方は、権力独占を排除するという点、また、委員長がどんなにヒドイやり方をしても一年待てば必ず交代するという点で一定のメリットがあった。

 その反面、こういう選ばれ方をされた委員は、厄介な問題には時期尚早論を唱えてできる限り先送りしようとする。また、もっぱら、選出母体の学部や学科の都合を守ろうとする方向で発言をするので、大学全体、あるいは学部全体の視点に立てないという問題があった。

 こういう町内会的な委員選出方法は波風の無い棲み分け社会では有効であろうが、昨今の独立行政法人化、それに伴う各種改革という大きな変化の流れの中では全く役に立たない。これに代わって、現時点で最善と考えられる選出方法は、学長、部局長、センター長、部門長などによる一本釣り方式である。こういう形になると、選ぶ側も選ばれた側も活動に明確な責任を負わざるを得なくなる。カイシャでは当たり前かもしれないが、大学内で、部分的にせよこういう選び方が認められるようになったのは画期的なことであった。

 もっとも、この一本釣り方式も問題がないわけではない。「釣り上げられる」のが名誉なことは確かなのだが、それを引き受けた場合の時間的負担については何の保障も与えられていないのである。全学の委員を引き受けると、委員会開催自体の時間的負担に加えて、各種連絡会議への出席などで時には1日4回にも及ぶような会議のハシゴをすることもある。このほか、各種報告書作成、資料収集、意見の調整などで多大な時間をとられる。これは当然、教育活動や研究活動にも影響を及ぼすのだが、現時点では何の保障もないのが実情だ。

 ではどうすればよいのか。独立行政法人化が実現すれば、勤務時間や給与体系にも裁量権が認められるようになると聞く。となれば、例えば
  • 一定年限、全学の委員長などをつとめた教員には、研究活動に専念できるようなサバティカル休暇を保障する。
  • 全学の委員等は公募制を原則とし、選ばれた場合には、特別の手当を支給する
という方策が考えられるだろう。もっとも、そういう制度が実現することには私などはすでに引退の身になっているだろうが。