じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[写真] 成田〜福岡便(1/6搭乗)の機上からの景色の最終回。今回は、関門海峡。大きな川のようにも見える。また門司側の細い半島の向こう側にも海が見えている。


2月28(金)

【ちょっと思ったこと】

追いつめられるテーマパーク

 3/1の朝日新聞にスペイン村を必死に守る近鉄の姿勢が紹介されていた。2/26に報道されたハウステンボス会社更生法適用を申請オランダ村は休園中)、同じく休園中のレオマワールドの経営母体であった日本ゴルフ振興株式会社ほか3社の民事再生法を申請など、テーマパークの経営はどこも苦しい。岡山県内にある倉敷チボリ公園や、ドイツの森も、開園当初の勢いはなく、リピータ来園者確保のためあれこれと手を打っているようだ。

 外国の名前を冠したテーマパークが全国でどのくらいの数に上るのかは分からないが、「目新しさ」をセールスポイントにする限りは、しばらく経って飽きられるは当たり前。期間限定の各種の博覧会のほうがよっぽど効果的ということになる。それと、いくら不況とはいえ、10万円もあればホンモノの海外旅行ができる。周りを住宅地や工場地帯に囲まれた箱庭的な風景では限界があるのは当然だ。

 ではどうすればよいのかということだが、今後は、それぞれの地域に根ざした生活空間そのものを観光地化する以外にないだろう。歴史的な街並み保存はもちろん、場合によっては、ヨーロッパ風の住宅ばかりが建て並ぶ町があってもよい。重要なのは、そこで現実に人が生活しているということ。いくら外見だけ派手なセットをこしらえたとしても、そこに日常の生活がなければ、単発的で薄っぺらい感動しか得られないだろう。




教育基本法と宗教

 教育基本法改正に向けた検討を続けている中教審・最終答申の素案が明らかになったという。宗教的情操に関しては、「国公立の学校での特定の宗教のための教育を禁止する現行法の規定は残しながら、宗教に関する寛容の態度や知識、宗教が人間の社会生活に果たしてきた意義を尊重する旨を規定する」という内容であるというが、このさい、なぜ宗教が人を励ますのかといった良い面ばかりでなく、フセインとブッシュの対立に宗教がどう関係しているのか、マインドコントロールはどのようなしくみで行われるのか、といったことも学校教育の中できっちり取り上げてほしいものだと思う。

【思ったこと】
_30228(金)[心理]日本健康支援学会(9)学会の細分化と適正規模

 2/15〜2/16に行われた日本健康支援学会学術集会についての連載の最終回。2/15の日記に書いたように、この学術集会はネット上で「QOL」関係の資料を集めている時に偶然知っただけであり、私自身は会員ではない。

 QOLに関する様々な知見を吸収できたことは私にとっては大きな収穫であったが、1つ意外に思ったのは、これだけ重要なテーマが掲げられているにもかかわらず、参加者は比較的少数。主として、九州地域の保健学科や体育関係の研究者に限られているように思った。

 そんななか、会場で偶然、心理学関係の知り合いに出会ったので、最近の各種学会の動向について話した。その方によれば、かつて私が入会していた某学会(複数)を含めて、最近は、ますます、小規模の学際的な学会が次々と作られ、うっかり理事などを引き受けてしまうと、雑務に追われて大変なことになるのだという。

 そう言えば、私が最近入った某学会なども会員数は100〜200名前後。会費は1万円程度となっている。100名の会員が1万円の会費を払えばとりあえず学会誌の発行ができる。そして、いったん学会を作ってしまうと、いろいろなしがらみからそう簡単には解散できない。小規模であればあるほど退会しにくいという事情も出てくる。

 年次大会で会員全員が発表するとなれば、むしろ100〜200人規模のほうがアクティブな活動ができるかもしれない。しかし、規模が小さければ小さいほど、内輪の情報交換だけに終わってしまう可能性があり、外部に影響を及ぼすことができない。どんなものかなあと思う。

 今後の方向として、年次大会を合同開催したり、ネット上で非会員との交流を活発にするなどの手だてが考えられる。ま、基本的には学会も競争社会。使命を終えれば解散あるいは自然消滅ということになるんだろうが。