じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[写真] 某所で「何も咲かない寒い日は...」という言葉が話題になっていたが、琵琶の花は、いちばん寒い時にちゃんを花を咲かせている。いつ根を伸ばしているのだろう。


1月23日(木)

【ちょっと思ったこと】

「千と千尋の神隠し」を初めて観たわたし

 20時半から日本テレビ系列で「千と千尋」を放映するということで、いつもの「クイズ!!赤恥青恥」を途中で切り替えて、最初の部分を観た。じつは私は、この映画を今まで一度も観たことの無い、数少ない日本人?の一人であった。ストーリーも全く知らないし、ネタバレがあると後の楽しみが減るので批評のたぐいを読んだことも無い。完全にナイーブな観客だ。

 映画は、両親と娘が転勤か何かの事情で車で引っ越し先に向かう途中、妙な世界に迷い込む 場面から始まった。運転している車が左ハンドルなのは変だなあと思ったが、山道を通るあたりで四輪駆動の高級外車であることが判明。但しこのことがストーリーにどう影響しているのかは分からなかった。

 じつは、私の家にはすでにビデオが買ってあり、この映画は観ようと思えばいつでも観られる。今回はとりあえず導入部分だけを拝見しようと思ったのだが、実際に始まると、次に何がおこるのだろうと興味をかき立てられ、途中でやめることができない。さすが、大人気となっただけのことはあると思った。

 私がこれまでに観た宮崎駿監督の作品は「となりのトトロ」、「風の谷のナウシカ」、「天空の城のラピュタ」、「もののけ姫」の4点であるが、トトロ以外は、出だしから全く異次元の世界が描かれており、我々の日常との接点を見出すことができなかった。この「千と千尋」は、

●引っ越し風景→テーマパークの廃墟?→何となく変だ→日常世界ではないところに来てしまった

というように、観客自身が主人公とともに異次元の世界に少しずつ迷い込んでいく恐怖感を体験する。中国風の建物をくぐった後の無人の世界を歩きまわるシーンが一番怖かった。

 これまでの作品(といっても上記の4作品)と異なり、和風と中華風をチャンポンにしたようなオリエンタルな風景が「何となく変なところだ」という恐怖感を演出しているようにも思った。いっぱんに我々は、一から十まですべて現実と異なった風景にはそういう感情をいだかない。珍しいなあと思うだけだ。お化け屋敷でも死体でもそうだが、日常世界や現実の人間と似ている部分があって、何か変だという比較ができるから怖いと思うのである。もっともこれは日本や中国のオリジナルの風景を知っている日本人・中国人の感じ方だろう。日本と中国の文化を区別できないようなアメリカ人がこの映画を観た時にどういう感じ方をするのか、単にエキゾチックな世界であると受け止めるだけなのか興味が持たれる。

 で、映画のほうだが、「これからは千尋ではなくて千だ」と言われたあたりで、塾から戻ってきた娘にチャンネルを変えられてしまった。続きはビデオでということになるので、この先どうなるか、これを書いている時点では全く見当がつかない。不思議の国のアリスと同じ設定であるなら、いろいろ冒険したあげく、実は、引っ越しの途中に車の中でみた夢にすぎなかったとか、車が事故で転落し意識を失っている間にみた夢だったという形で現実世界に戻されることになるんだろうが、これではちょっとありふれている。あれだけ人気の出た作品なんだから、二転三転、意外な展開があるんでしょうなあ。わくわく。

【思ったこと】
_30124(金)[電脳]一太郎13どうする?

 このところ、2月7日発売の「一太郎13の案内」のEメイルやDMが届くようになった。昨年は、とりあえずバージョンアップを一点注文したが、結果的に大学生協のアカデミックプライスのほうが安かった。そのあたりの苦情があったらしく、今回は「店舗でご購入いただいたほうが、弊社の直接申込みより安価な場合があります。価格を重視される方は、店頭販売価格と比較の上、ご購入ください」という親切な案内があった。じつはジャストシステムから別の件でメイルをもらったこともあるが、とにかく、「昔からのお客様を何よりも大切にする」という心遣いに徹しているようだ。

 で、果たして、バージョンアップする価値があるのだろうか。昨年1月28日の日記にも書いたが、なかなか挽回のチャンスは難しそうだ。13の理由や、Wordとの比較広告など見るとそれなりの魅力も感じるが、ふだん、もっぱらMifesでテキスト処理をしている私の場合、あまり込み入ったワープロ機能は殆ど要らない。強いて言えば変換機能の的確さに期待できる程度だろうか。

 昨年1月28日の日記では、一太郎が挽回できる可能性として
  1. パワーポイントの機能を上回り、低価格で提供されるプレゼン用ソフトの開発
  2. 英文執筆に有用な”スーパー”ナレッジウィンドウ
  3. インターネットディスクユーザー限定の日→英翻訳サービス
の3点を挙げた。このうち3.に関してはオプション製品として「速攻!翻訳マスター」(標準価格14800円)が登場するという。開発したブラザー工業と言えば、TransLand/EJ・JE for Windowsという製品ですでに名が知られているので、単に同じ解析法で翻訳するのだろうかと思い、こちらにある
その部屋には古い椅子が3つと小さなソファが2脚あるだけだった。
という例文を、こちらにコピー&ペーストしたところ、
There were only two three and little sofas in that room 【 the old chair 】.
となった。いっぽう、新発売のほうは
There were only three old chairs and two little sofas in that room.
となっていて、遥かに優れている。ひょっとしてATOKのすぐれた日本語解析のノウハウが活かされているのだろうか。となれば、むしろこっちのほうが「買い!」ですなあ。

 このほか、前回までかなり強調されていた「インターネットディスク増量」は、今回は影を潜めているようだ。利用者が限られているためだろうか。私自身は、学生・院生の提出した論文ファイルの閲覧、学内委員会向けの資料などの提示にこれを愛用しているのだが。

 一太郎が存続するための今後の方向としては、上にも述べた日英・英日翻訳機能(オプション)の向上が挙げられる。もっとも、高校の英作文の宿題や、大学の英書講読で、これを使ったリポートがいっぱい出てくるのはかないませんなあ。

 このほか、
  • 「PDF」に代わるコンパクトな印刷文書表示方式の開発
  • 学会発表で多用されているパワーポイントに代わるプリゼンテーションソフトの開発
  • html化(Web保存)機能の効率化(ファイルサイズをコンパクトにし、原文書と同じレイアウトで表示できるように)
などが求められる。と言ってみたが、一太郎宣伝カタログの中にはpdf文書として表示されるものがある。これでは最初からアドビに白旗を揚げているようなもの。ちょっと屈辱的ではないだろうか。