じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] Y社から来春用の園芸カタログ(種、球根、苗など)と、カレンダーが送られてきた。この会社のことを知ったのは大学生の頃であり、かれこれ25年以上、毎年2回ずつカタログをもらっている。カタログ掲載の写真は、園芸植物の図鑑代わりに使うことができる。
数年前までは、T社やS社からもカタログが送られてきた時があったが、申し込みをしないでいたら打ち切られてしまった。じつはY社にもほとんど注文していない。苗などは行きつけの花屋のほうが格段に安いからだ。とはいえ、打ち切られてしまうのは忍びない。ここらで義理で注文を出しておくかなあ。





12月6日(金)

【ちょっと思ったこと】

代用魚と切り身文化

 夕食時に視た「クイズ!!赤恥青恥」によれば、スーパーなどで売られている「子持ちシシャモ」の大部分は、じつは「代用魚」のキャペリンであった。1箱1200円のシシャモに対してキャペリンは250円、鱗に違いがあるものの味はほとんど変わらないという。このほか、行きつけの回転寿司屋で100円皿に載っているアワビもどうやら代用アワビのようだ。

 ネット上でちょっとだけ検索したところ、「代用魚」は、海洋水産資源開発センターなどが水産資源を有効に使う目的で世界の魚を探し出してきた、などという記述があった。弁当に使われる白身魚などはその代表、なかにはグロテスクな形の魚も多いという。

 食肉に関しては産地についての正確な情報が厳しく管理される時代となったが、代用魚の場合は、どうなんだろうか。パッケージのラベルに「ホキ」とか「メルルーサ」といった情報が付されていて、それを買った人がおいしいと思えばそれでよいのかもしれないが、ウナギの代用にアオダイショウとか、エスカルゴの代用に日本産デンデンムシなどと書かれてあったら、やはり気味が悪い。

 上記のシシャモは例外として、代用魚が普及した背景には、魚は切り身で買うものだという消費行動の変化があったように思う。そういえば、中国西部のタシクルガンでは、牛や羊の肉でさえも丸ごと売られていた[こちらのアルバムの11番や12番の写真参照]。タシクルガンやカシュガルではおそらく、丸ごとの状態が肉の鮮度やおいしさの証になるのだろうが、今の日本でそんな売り方をしたら気味悪がって誰も買いに来ない。ひょっとすると、そのうち、丸ごとの魚まで気味悪く思われる時代が来るかもしれない。

 もっとも、正体の分からない切り身を食べることが本当のおいしさをもたらすかどうかは分からない。へたをするとソイレントグリーンの社会、という恐れもあるかも。




民営化の対立軸

 政府の道路関係4公団民営化推進委員会は6日、今井委員長が辞任、多数決により5委員が連名で提出した改革案を最終報告と決めたという。

 これまで政治上の対立と言えば、イデオロギーか宗教か民族間の対立が顕著であったように思うが、経済政策をめぐって、しかも政府内でこれほどの激しい対立があったのは初めてではないかと思う()。歩み寄りに失敗した背景には、製鉄業界とか鉄道関係のしがらみがあったのではないかと、憶測してみたくなる。

 そういえば、最近は、政府内ばかりでなく、野党の中でもちょっとした対立があった。12/7の朝日新聞「私の視点」では、評論家の宮崎哲弥氏が民主党の鳩山党首辞任に関連して、興味深い意見を述べておられる。それによれば、鳩山氏がモットーとする「ニューリベラル」は「自立と自己責任に基づく経済社会を目指す」ことにあるらしいが、これはアメリカ流の「新自由主義」と同じでまるで新鮮味がない。しかも、構造改革の旗色を鮮明にした小泉政権の誕生によって「新自由主義」は体制化してしまった。宮崎氏は、この小泉流新自由主義や親米主義のカウンターパートとしては、小沢・管の両頭体制が最も望ましいとしている。果たして、対立軸はどう変わっていくのだろうか。

 TVニュースを副音声で聞いていると、プライバタイゼーションという言葉がやたら飛び交うこのごろであるが、先日広島大で行われた戦後教育の終焉と日本型高等教育のゆくえという研究員集会では、この言葉をめぐっていろいろと参考になる話題が多かった。特に、ニュージーランドで1984年以降に電撃的に行われた民営化策とその失敗をどう評価するのか、いまの小泉流新自由主義はその反省の上にたって政策を進めようとしているのかは大いに気になるところだ。同じ島国であるとはいえ、ニュージーランドは南太平洋上で自立できる環境にある。これに対して日本は東アジアの厳しい競争的環境にさらされており、経済政策の失敗が致命的な打撃を招きかねないという恐ろしさがある。

12/7追記]
nm氏の12/7の日記によれば、かつて、日本が金本位制に移行するべきか否かを審議した貨幣制度調査会で委員15名の意見が真っ二つに割れたことがあったそうだ。