じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] モミジとラベンダー。ラベンダーのほうは四季咲きなのでいつでも見られるが、モミジとのコンビは、毎年11月下旬〜12月上旬でないと見られない。





11月30日(土)

【ちょっと思ったこと】

早起きで得をする

 12/1の早朝はほぼ晴れ上がり、月と火星と金星の見かけ上の接近の様子を眺めることができた。この日記で、火星、金星、スピカを結ぶ三角形の形が日々変化する様子をたびたび取り上げているが、12/1には、三角形とは呼べないほどに平べったくなってしまった。また、火星〜金星を結ぶ辺の長さは火星〜スピカを結ぶ辺の1/3以下であった。6時ちょっと前、ちょうどこの三角形の付近で流れ星1個を目撃。早朝から得をした。





お正月は早く来ないほうがよい

 早くも12月になってしまった。毎日が非常に忙しいので、早く来い来いお正月と言いたいところだが、年を取ってくると、少しでも同じ時間にとどまりたいという気持ちが強くなるものだ。「もう12月」とは言えても「まだ12月」というゆとりがない。

 ちなみに、これも年のせいかもしれないが、最近、明け方3時半から4時頃にいったん目が覚めてしばらく寝付けないことがある。そのまま起きてしまうと、午後になってから頭の回転が鈍くなり居眠りをする恐れがあるので、なんとか5時すぎまでは寝ていようと思う。この時ばかりは、「まだ4時か」という気持ちになる。
【思ったこと】
_21130(土)[教育]「学ぶ意欲」再考(5)がんばり度「点だけでは勉強しない」


 今回は朝日新聞連載2回目(11/25)の記事“がんばり度「点だけでは勉強しない」”について意見を述べることにしたい。

 まずこの記事は
  1. 努力ポイント:次のテストでの各自の予測得点をはじき出し、実際の得点と比べる。得点が予測を上回ればプラス、下回ったらマイナスの努力ポイントがつく。
  2. 学力向上コンテスト:計算と漢字、英単語(中学生)の各100問を解く。成績が良かったり、ふだんより大幅に点数が上がったりすると表彰する。
  3. 漢字、文章、歴史、数学、理科、英語検定のうち、1、2年生は4種類、3年生は5種類を全員に受けさせる。合格者の名前は朝礼で紹介する。「検定という目に見える目標を作ったら、やる気を引き出せた」
  4. 文部科学省も意欲向上をにらんで来年度の概算要求に、暗算などを競うイベント「学びんピック」開催などのため10億円を積み上げた。
  5. 大手進学塾の日能研は、算数や国語といった教科とは直接関係のない講座「学習応援教室」を始めた。テーマは「建築家になろう」。3時間かけて各自が建てたい家を考え、方眼紙に図面を書く。
という構成になっていた。要するに、単にテストを実施し、採点し、何点をとったのかをフィードバックするだけではやる気が出ない。点以外の結果を与えることで意欲を高めようという取り組みの紹介であった。

 もっとも上記のうち、5番目の学習応援教室はやや性格を異にした総合学習的な内容の紹介になっている。これに対して1.〜4.は、努力に対して結果を与える際の工夫の紹介ということになる。

 では、それぞれは、どのような結果を付加しているのだろうか。
  1. 努力ポイント→自分比で努力の成果を検証し、努力の成果が顕著であった時に自分を誉める。
  2. 学力向上コンテスト→易しい問題を出すということなので、○をつけるという強化率を上げる試みと言える。
  3. 検定試験、合格者紹介→学校の試験と異なり、検定試験は成績の信頼度が全国レベルで統一されている。「問題がやさしかったらからよくできた」とへりくだる必要がない。合格者の名前を紹介するのは社会的に強化。
  4. 「学びんピック」→競争させ、優秀者を社会的に強化するという試みのようだ


 このうち1.は、勉強ばかりでなく運動会などの競技でも使えそうなシステムである。そういえば、99年9月19日の日記で運動会に関して
順位ではなく、個々人のタイムで競うというのも一案だろう。順位はいつも最下位であっても、個人記録が伸びたことに得点を与えてやれば、努力に応じた強化が可能となる。
と書いたことがあった。もっとも、今回紹介された「次のテストでの各自の予測得点をはじき出す」というルールだけでは、最初から低めに予測得点を出すという行動が強化されないか、ちょっと心配だ。

 ほんらい、100点満点のテストにおける得点というのは、出題された内容の何%が解決できたかという指標にすぎない。その増減だけで日々の累積的な努力が強化されないのは当然であり、いろいろな結果を付加するための工夫が求められる。こうして見ていくと、やる気をおこさせるための方策というのは、結局のところ、どういう結果をどういう手順で与えるのか、という強化の問題に帰着可能であることが改めて感じさせられる。

 付加的な結果の中でもひときわ価値が高いと思われるのは、目標を設定し、目標自体への確立操作を行うとともに、目標への方向の一致度や達成度を目に見える形で表し、言語的に強化してやることだ。これに関しては、先日のNHKスペシャルで興味深い取り組みが紹介されていた。次回以降に取り上げてみたい。