じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 時計台前のアメリカフウ。ここ2日ほど最低気温が10度を下回り、急に色づきがよくなった。大学祭の頃(11/2〜11/4)が見頃か。





10月30日(水)

【ちょっと思ったこと】

我が家のカスピ海ヨーグルト

 夕食時に視たNHKクローズアップ現代の話題は「長寿のカギは腸内細菌〜過熱するヨーグルトブーム〜」であった。ある種の腸内細菌にピロリ菌やO-157を抑える効果があることは確かではあるが、ヨーグルトメーカーが、販売戦略の一環としてさまざまな菌の効用の解明に乗り出し、健康雑誌の特集記事に載せてもらうことで売り上げを伸ばそうとしていることもどうやらブームの一因になっているようだ。

 いま全国を席巻していると言われる「カスピ海ヨーグルト」は、家森(やもり)幸男・京大名誉教授が16年前に旧ソ連のグルジア共和国から持ち帰ったもの。最近、そのヨーグルトに含まれているクレモリス菌に動物実験の段階でガン細胞の増殖を抑える効果のあることが分かり、主婦の間の口コミで、またたくまに全国に広がっていったという。

 そう言えば、我が家でも、夏休みの頃に、妻が近所から「カスピ海ヨーグルト」菌をもらってきて毎日のように果物入りジュースを作っていた。この菌の最大の特徴は、室温でも手軽に増やせることにある。コーヒーの空き瓶などに1サジのヨーグルトと牛乳を入れて混ぜ、そのまま部屋の中に置いておくと翌日にはヨーグルトができる。こんなやり方でも雑菌は広がらないらしい。

 ヨーグルトと言えば、私自身も大学院生の頃には自分で作っていたことがあった。牛乳を沸騰させてからコーヒーの空き瓶に入れて35度ぐらいに冷まし、素早くプレーンヨーグルトを入れて魔法瓶型のジャーに入れる。一晩たてば立派なヨーグルトが完成する。1回作れば、あとは再生産が可能。2ヶ月以上繰り返して作ったこともあったが、けっきょく面倒になって止めてしまった。その点、室温でも作れるヨーグルトというのは便利だと思う。




 番組の後半では、理化学研究所の辧(べん)野義己先生による「腸高齢化」の研究が紹介されていた。辧野義己先生の研究室の冷凍庫には協力者600人分もの便(べん)が保管されているというから大変なものだ。その便の分析によれば、最近では肉食など偏りによって「腸高齢化」が進み、癌の原因となる悪玉菌クロストリジウムの多い若者が増えているという。その防止にもヨーグルトが役立つということのようだ。

 もっとも、いくら研究のためと言われても、自分のウンチを容器に詰めて(おそらく冷凍保存し)宅配便で送るというのは相当手間がかかりそうだし、恥ずかしがる人だっているはずだ。とすると、提供者は、研究目的を相当理解している方、お金に困っている方、ふだん胃腸の調子が悪く自分の結果を知りたい方など、特殊な事情のある人に限られるのではないかと思う。日本人一般の「腸高齢化」が進んでいるかどうかを疫学的に判断するのはなかなか難しいことだと思う。

 それと、このウンチのことでふと思ったのだが、善玉腸内細菌入りのヨーグルトというのをよく見かけるが、あの腸内細菌のモトっていうのは、ひょっとして、誰かのウンチから培養したものなのだろうか?




 さて、番組の途中で息子が重大な疑問を発した。

そう言えば、ウチにあったヨーグルトはどうしたのか?

それを聞いた妻が慌てた。確かに涼しくなった9月以降は、ヨーグルトを食べたことが無いぞ。もしやと思って、冷蔵庫のドアを開けてみたら、なっなんと、











1カ月前のヨーグルトが瓶に入ったままほったらかしにされていたのであった。[さっそく、証拠写真を撮る私であった]。

 フタをとってみるとさすがに表面のほうは黄色く変色しておりちょっぴり腐敗臭があったが、それほどの変化は認められなかった。といってもこれはあまりにも危険。直ちに捨ててしまった。

 その夜の夫婦の散歩時に、妻が空き瓶を持って出かけようとしているのでどうするのだと聞いたら、近所の家に新しい菌を貰いに行くのだという。あしたから再び、ヨーグルトだらけの生活になるに違いない。




早朝の散歩が面白くなってきた

 10/31の朝は、普段より30分ほど早く5時半すぎから散歩を始めた。冬が近づいてきたこともあって、この時間帯はまだ星がよく見える。西の空にはオリオン座を初めとする冬の星座のほか、木星と土星が明るく輝いていた。北東の空にも明るい星があったが、あれは何だったのだろう。それと、月のすぐ近く、暗いほうの部分にかすかに星が見えた。あの位置だったら、数時間前に星食があったに違いない。あとで天文年鑑で調べてみよう。

 太陽が東から昇るころのすがすがしさもよいが、明け方の星を眺めながら歩くのもまた格別である。

10/31追記]上記の星食は、しし座η(3.5等星)であることが分かった。天文年鑑によれば、月齢は24.4。月の暗部からの出現時刻は5時1分。北東の空の明るい星はたぶんアークトゥルスではないかと思う。もう1つ、おとめ座のスピカのすぐ近くに火星が見えていたはずだがこれは気がつかなかった。火星は2003年に「世紀の大接近」するということで、これからますます明るさを増してくるものと思われる。