じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 岡大の学長室や事務局がある旧陸軍司令部(手前)と、完成間近の本部棟。この写真を撮影した10/16朝の時点では、旧司令部は取り壊されるものだと思っていたが、その後、一部移築、保存の可能性が伝えられ驚く。文化庁が学術調査を検討している全国約50件の戦争遺跡に含まれていることが分かったためだそうだ。もっとも、この建物自体は、デザイン的にはそれほど大したことはなく、内部もたびたび改装されているため、建築遺産としての価値はほとんど無いように思う。どうせなら、旧将校集会所をもっと早い時期に補修、保存すべきだったと思う。





10月16日(水)

【ちょっと思ったこと】

リアルな夢の原因

 10/16朝にリアルな夢を見た。この種の夢はたいがい、私が生まれ育った東京・世田谷区若林が舞台になっている。
若林の町内をジョギングしていると、【1】ものすごいスピードで走ってくるランナーに追い越された。その後、松陰神社の坂を下りていると、【2】烏山川(←現在は地下に埋設され、遊歩道になっている)の木製の橋が取り壊されているところに出会う。そのあと、なぜか渋谷付近のバス停に至る。ここでは、【3】某カルト宗教団体の女性が2組ずつになって勧誘目的のアンケートをやっていたので、そのありさまをデジカメで撮影していたら、見張り役の男達が四方から迫ってきて私を捕まえ私を【4】どこかに連れ去ろうとした。「助けて!」と叫ぼうとするが声が出ない。というところで目が覚めたら、なっなんと、いつもより40分も遅い6時半になっていた。
 もっともらしい夢解釈などもあるが私は全く信じない。上記のストーリーはすべて初体験であるように見えて、最近の出来事にリンクしていた。数字を付した順番に思い当たるところを記すと、
  • 【1】『シカゴマラソンで高岡寿成が日本最高』というニュースを知ったためだろう。
  • 【2】上掲の写真にもあるとおり、岡大事務局(旧陸軍司令部)の取り壊し中止が話題になった。
  • 【3】学部内でこのことが話題になった。
  • 【4】北朝鮮による拉致被害者報道の影響。
【思ったこと】
_21016(水)[心理]授業と卒論・修論指導について考える(2)「授業」さえ受ければ万全という発想

 10/14の続き。『FDハンドブック』によれば、そもそも、FDということが俄かに脚光を浴びたのは、イギリスにおける高等教育の規模の急激な拡大に起因していた。大学教員の不足に対応するため、優秀な科学技術者を大学教員に転用しようとした際に、優秀な科学技術者が必ずしも優秀な教育者ではない、という厳然とした事実につきあたる。いかに創造的発想が豊かでも、それをコミュニケイトする術がなければ教育はできないとの認識から組織的なFDが開始されたのだという。

 岡大の教育開発センターのHPにおいても「FDとは,ファカルティー・ディベロップメントの略で,教員が授業内容・方法を改善し,向上させるための組織的な取組の総称。」と定義されており、やはり授業内容・方法の改善が中心になることは確かである。その一環として、授業評価アンケート、シラバス改善、各種研修会などが行われ、ことしに入ってからは、一部の学部では、教員による相互の授業参観も制度的に実施されるようになった。

 もっとも、そういう流れの中で、もっぱら授業で言われたことだけをこなし、さらには課外に行われる資格取得講座、公務員試験対策講座などに受身的に参加するという学生が増えているのではないかと、ちょっと気になっている。いまやサービス過剰の時代である。自分独自の勉学方法など工夫するよりも、既設の講習会などに参加して、そこで言われたとおりのことをきっちりこなすほうがはるかに効果的だ。じっさい、岡大生協が大学の要請を受けて開始した公務員講座には多くの受講生が集まり、かつ、合格者も増えているという。今後はさらに、英語能力検定試験用の対策講座のほか、いっそのこと、司法試験や医師や薬剤師の国家試験対策講座まで開いたらどうかという冗談まで出てくるほどである。

 大学として質の高い授業をめざすことは当然の責務ではあるが、授業を受けてよい成績を残すというだけでは、高校や予備校と何ら変わらない。学生みずからが課題を発見し追究するという機会をどうやって保障するかが合わせて必要になってくると思うのだが、そのあたりの悩みは次回に。