じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

10月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

[今日の写真] 名残の彼岸花。大学構内の隅で咲き続けていた。この空き地は、もともと旧日本軍の将校集会所になっていたところで、左奥の茂みには池があった。右奥の石灯籠(台からはずされている)には「日支事変出征記念」という文字が刻まれている。将校集会所の建物は1998年12月12日に解体された。なお、現在事務局が使っている旧日本軍の司令部も今月末には取り壊されることが決まっている。





10月1日(火)

【ちょっと思ったこと】

千代田区の路上禁煙対策を有効にする方法

 人通りの多い指定地区で喫煙や吸い殻のポイ捨てをした人に対し、最高2万円の過料を払わせる東京都千代田区の「安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例」がいよいよ施行されたという。と言っても、最初のうちは「施行」とは名ばかりの「試行」であって、単に注意するだけ。その後もしばらくは、過料2000円にとどめるとか。ちなみに、「過料」と「科料」は発音は同じだが法的には異なる。科料のほうは刑法に定められた刑罰の1つ。過料のほうは行政処分の1つであって刑罰ではないそうだ。

 またこちらのリポートによると、条例自体は、路上禁煙やポイ捨ての取り締まりだけを目的としたものではなく、違法駐車や風俗系チラシの貼り付けなどの防止策、さらに、地域住民の主体的な活動を重視した総合的な内容になっているのだという。

 とはいえ、路上禁煙にはどこまで効果を発揮するものだろうか。そういえばかつてJRなどに禁煙車両が導入された当初は、それを知らずにタバコを吸い始める人もいた。私なども、そういう人に向かって何度かご注意申し上げたことがあった。しかし、ここ数年、禁煙車両でタバコを吸う人というのは全く見かけなくなった。ある程度知れ渡れば、よほどの傍若無人でない限りは、次第に遠慮するようになるのではないかと期待される。

 余談だが、私が訪れた国の中で路上禁煙が厳しく規制されていたのはオーストラリア、いっぽう、いちばんルーズなのが中国であった。中国では、ホテルの入り口付近でもガイドがタバコを吹かしながら業務をこなしていた。東アジアに共通なのか、あるいは中国と日本だけの問題なのか分からないが、どちらの国でもまだまだ嫌煙権は確立していないように思う。それと、中国の航空会社の国際線は行き先によって全行程禁煙(欧米・豪州方面)であったり、喫煙可能(日本方面)であったりするところが奇妙だ。日本行きは、残念ながらちゃんと喫煙席が設けられてあった。

 さて、本題の路上禁煙対策であるが、過料や口頭注意程度ではそれを守らない若者が確実に増えてくる。そこで、私が考えた一番効果的な施策は...→→★→→




食物繊維「大腸がん予防に効果無し?」

 兵庫医大の研究グループは1日、「食物繊維をとっても大腸癌の予防には効果がないという調査結果を東京で開かれた日本癌学会で発表した。朝日新聞10/2記事によると、同グループは大腸内視鏡検査でポリープが2個以上あった40〜65歳の男女400人を、「食事指導のみ」、「食物繊維を含む小麦ふすまビスケットを食べる」、「乳酸菌の粉薬を飲む」、「両方とる」の4グループに分け、9年間の追跡調査を行った。その結果、ビスケット群は他の群に比べて、がんの発生や成長に有意な差がなく、また、逆に4年目の検査では、ビスケット群の7名のみに1cm以上の腫瘍ができていたという。このほか、4年目検査では、乳酸菌を服用した群における悪性度の高いがんの発生率が他群の7割に抑えられたという。

 新聞記事から得られた情報はこれだけなので確かなことは言えないが、上記のデータだけをもって、「食物繊維の予防効果なし」という見出しをつけるのはちょっと行き過ぎではないかと思う。
  • 今回の実験では、すでにポリープができた人を対象にしている。長年にわたり食物繊維をとり続けることの効果は実証されていない。
  • 今回の実験には「何も指導せず」という対照群が含まれていない。「食事指導のみ」だけでがんを抑える効果があったとすれば、食物繊維の効果が有意差として表れにくくなっていた可能性もある。特に、「食事指導」のなかで「食物繊維をとりなさい」と指導していたとしたら、400人全員が、日常生活のなかでさまざまな繊維をとり、それだけで効果があった可能性もある。
  • 記事では実数が示されていないので、誤解を生む恐れがある。例えば、乳酸菌服用により7割に抑えられたというのは、100人中50人だったのが35人に減ったことなのか、7人が5人に減ったことなのか分からない。
 強いて言えることは、ポリープが見つかった段階であわてて繊維質のものを多めに食べたとしても、劇的な効果は現れないということだろう。とにかく、日本人の大腸がん発生率が急増していることから、食生活の中身が重大な影響を及ぼしていることは確かだ。乳酸菌もよかろうが、日本の伝統的な食事メニューのどこに大腸がん抑制効果があったのか、さらに明らかにしてもらいたいところだ。




囲碁「6目半コミ」に

 同じく10/2の朝日新聞記事によれば、囲碁の先番(黒番)のハンディ「5目半コミ」(盤面で6目以上多くないと勝てない)が近く「6目半コミ」に改正される予定であるという。改正の背景としては、韓国や中国でもすでに改正されておりこの国際的流れに対応したとともに、序盤の研究が進み、最近5年間の日本棋院プロ公式戦約15000局の対局で、黒番の勝率が51.86%と有利になっていたことへの配慮がある。なお中国では、今春から7目半コミになっているという。

 囲碁の場合は、なんと言っても先に置くことの有利さは変わらないので何らかのハンディは必要だろうが、その時々の人為的なルールによって勝敗が逆転してしまうのでは、純粋な思考ゲームの面白さが損なわれてしまうようにも思う。

 ではどうすれば公平感が出てくるのか。一案として、「文句を言わせずに酒を分ける方法」を準用するのはどうだろうか。すなわち、
  • 対局前に、くじ引きで「コミ」宣言者と選択者を決める
  • 宣言者は、「この対局はX目半で行います」とXの値を決める
  • 選択者は、先手、後手好きなほうを選ぶ
というものだ。こうすれば、宣言者のほうは自分でXを決めたのだから、先手、後手のどちらを選んでも文句は言えない。選択者のほうも、自分に選ぶ権利が与えられているのだから文句は出ないという仕組みだ。

 余談だが、将棋やオセロでは先番はどの程度有利なのだろうか。将棋の場合、先手が有利という数学的根拠は無いが、自分の好きな陣形を作りやすいというメリットがあるはず。オセロは、私個人としては後手の時の方が戦いやすい。
















 千代田区の職員は全員水鉄砲で「武装」し、路上喫煙者を見つけた時には、直ちにタバコめがけて水を吹き付けるという対策だ。またその際、喫煙者の服が濡れたり、本や重要書類に水かかかったとしても、その賠償責任は問われないものとする。というもの。

 このほか、路上禁煙区の各所には水を入れたバケツを用意し、水鉄砲程度では効き目の無い常習者にそれをぶっかけるという手もある。