じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] シオン(紫苑)。『園芸植物』(肥土邦彦著、フィールドガイド14、小学館)には、『今昔物語』で、親を亡くした兄弟が、兄は悲しみを忘れたくて忘れ草(萱草)を、弟は親への思いを大切にしようと思い草(紫苑)を墓に植え、毎日墓参りをしたという話が引用されていた。英名の「Tartarian aster」は直訳すればタタール人のアスターという意味になる。





9月30日(月)

【ちょっと思ったこと】

朝ドラ「まんてん」1回目を視た理由

 昼食時、ちょうど「ひるどき日本列島」が終わるところだったので、みのもんたさんの番組にチャンネルを変えようとしたら、アポロ11号の打ち上げシーンに続いて、屋久島の美しい風景が現れてきた。そういえば今日からNHKの連続テレビドラマの新しいシリーズが始まるのか、朝ドラはクセになるからゼッタイ視るもんかと思っているうちに番組が始まってしまった。

妻:あの行方不明になった旦那っていうのは後で出てくるのよ、きっと。ドラマなんだから
私:あのお祖父さんは途中で死ぬんだろうなあ。いや、朝ドラは高齢者もいっぱい視ているから、死ぬシーンはあるまいなあ。
妻:そうよ、朝ドラに悲しいシーンを入れると、「そのせいで、今日一日暗くなりました。どうしてくれる」という苦情が来るんだわ。

などと夫婦でケチをつけながら視ているうちに、あっという間に1回目が終わってしまった。しかし、私が途中でチャンネルを変えなかった本当の理由は別のところにあった。それは、屋久島の美しい自然に惹かれたからではない。じつは、→★→



「できちゃった婚」の是非

 9/30は一足先に、非常勤講師先の大学の後期授業が始まった。帰りがけにNHKラジオで、「できちゃった婚」の是非をとりあげていた。「できちゃった婚」というのは正式に結婚する前に妊娠が確定してしまうことであり、今の日本では、十代で結婚した女性の8割、二十代で結婚した女性の過半数は、できちゃった婚であるという。

 この「できちゃった婚」あるいは「でき婚」という表現に対しては、生命の誕生に関わる尊い現象を軽く扱いすぎていないかという批判もあるようだ。しかし、ゲストの自称「ヤングおばば」の作家(←お名前は失念した)は、もともと結婚前の妊娠には「ふしだら」といった暗いイメージがつきまとっていたので、この際、そういったマイナス面を払拭するために、こう呼んでもよいのではないかという述べていた。

 放送中には、「できちゃった婚はよくない。娘達には、そう申し渡してある」、「夫のことをよく知らずに、できちゃった婚をしてしまったために今は後悔している」といった否定論がある反面、「娘から、できちゃった婚を知らされた親はたいがい動転するが、孫の顔をみるととたんに満面の笑みを浮かべて子煩悩になる」(←聞き取りのため不確か)といった肯定論に近いものもあった。

 多少気になったのは、ゲストの自称「ヤングおばば」さんが、自らの体験(←20歳で学生結婚したらしい)に基づいて、あんまり早く結婚・出産するのはオススメでない。もっと自分を伸ばし、人間として固めてから結婚すべきだ(←聞き取りのため不確か)と、晩婚論を説いていたことだ。ま、ひとそれぞれの人生があるわけで、早婚、晩婚、独身いずれがよいなどと他者が口出しするもんでもなかろうが、「出産・子育て」は、必ずしも「ちゃんとした自分を作ってから」その後に来るべきものとは限らないと思う。「出産・子育て」はそれ自体、夫婦を人間として成長させる。まして今や深刻な少子化の時代。早婚の夫婦には育児手当、特別奨学金、自立援助金といった手厚い支援を行うことも考えてよいのではないかと思う。

 それと、結婚式とか結婚届けのタイミング自体は本質的な問題ではない。とにかく、相手をよく知った上で、将来的な見通しをもって結婚するのかどうか、ということのほうが重要。「できちゃった婚」に問題があるとしても、それは、結婚と妊娠の順序関係自体ではない。「相手のことはよく分からないが、できちゃったから、しょうがないので結婚する」という無展望さにあるのではないかと思う。

10/1追記]番組の案内がこちらにあった[フォーム送信ページのため、セキュリティ確認のダイアログが出ますが閲覧には問題ない]。上記の「自称ヤングおばば」は、沖藤典子さんであった。こちらに略歴あり。



アジア大会の凄さ

 韓国のプサンでアジア大会が始まった。競技にはほとんど興味ないが、ひとつだけスゴイと思うことがある。それは、2001年の年央における世界の人口が61億3千万人と言われる中で、アジア地域に37億2千万人と、世界人口の60.7%が住んでいるという事実である。つまり、アジア大会というのは、アフリカ、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアといった地域の1つの大会ではなく、世界の人口の過半数が関心をもつ、「過半数人類大会」なのである。その競技で金メダルをとるということは決して井の中の蛙ではない。世界の過半数の国々の頂点として尊敬され、かつ目標になるということだ。その成果を大きく取り上げることは、大リーグでの日本選手の活躍ぶりを伝える以上に意味のあることだと思う。



病院の検査はウソでもかまわない?

 京都の京都民医連中央病院で、肺炎患者らの細菌検査の一部で培養検査をしないまま、「(細菌を)検出せず」と虚偽の判定をしていたことが明るみに出た。その後、他の病院から委託された検体でも同様の「手抜き」をしており、その数は1998年以降で2400件余りになることが分かったという[以上、朝日新聞記事]。

 前日の記事によれば、肺炎患者の中にはすでに死亡している方も多く含まれているが、病院側は、抗生剤などの投与は適切に行われており「細菌を検出せず」という虚偽判定によって治療方針が影響を受けたことは無かったと説明しているようだ。治療方針が影響受けなかったとすれば、患者死亡についての賠償責任は免れることになるだろうが、それじゃあ一体何のための検査かということになる。入院患者はもとより、歯科医院などでも不必要にレントゲン写真をとったりしているような疑惑がある。結果が何の意味ももたらさないような検査は、保険診療の大無駄遣いと言わざるを得ない。
















満天(宮地真緒)が、大昔のやくしまるひろこに似ていたから、なのであった。