じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] エンゼルトランペット。秋晴れの空に輝くラッパ型の花は、いかにもエンゼルのトランペットのように見える。真冬には地上部は枯れてしまうが、大株であれば根が残り、翌年もすくすくと茎を伸ばす。





9月24日(火)

【ちょっと思ったこと】

妻とウシとどっちが大事?

 きょう(9/24)になってから、妻のセリフのリパートリーに「ウシ」という言葉が繰り返し出てくるようになった。

●「さあ、夫婦で夕食後の散歩に行こう」→「いやーよ。あなたウシのほうが大事なんでしょ、ウシと散歩してきなさい

といった具合である。ウシのほうが大事などと言った覚えはないので聞き返してみたところ、どうやら昨日の晩に放送されたNHK「地球・ふしぎ大自然スペシャル:ヒマラヤに潜む伝説の動物ターキン」という番組に私が熱中しており、せっかく苦労して作った夕食のメニューをちゃんと誉めなかったことが原因らしい。

 しかし、あのターキンっていうのは、ウシよりは太めのヤギのように見える。....ま、ウシ科であることは間違いないんだが.....。




飛行機だらけ

 夕食後の散歩時に北東の空を見ると、金星なみの明るさの点が並んで光っていた。あんなところに星があるはずはないと思っていたところ、次第にこちらに近づき、点滅を始めた。1つは岡山空港に着陸する飛行機、もう1つはたぶん広島か九州方面に向かう飛行機であることがやっとわかった。

 よく見ると、西の空に一機、真北から南東に向かうのが一機、さらに5分ほど歩いた時には、北東の空に再び明るい光点が2個現れるなど、夜空は飛行機だらけであった。

 9/25の朝日新聞岡山版によれば、今年の夏の岡山・東京便は日航参入による増便、値下げの相乗効果により昨年の1.8倍、20万人に増えたという(日航が約5万人、搭乗率90.1%、全日空が約15万人、搭乗率78.5%。昨年は全日空のみで約11万人、搭乗率72.0%)。そういえば、私自身も神奈川県藤沢市で行われた学会に参加する時に、運賃の割安な航空機を利用したほどである。東京での学会・研究会は、年内にあと2回ほど参加予定があるが、ホテル1泊とセットで航空機を利用することになりそうだ。
【思ったこと】
_20924(火)[教育]いま一番輝いているのは農学部だ

 農学部の先生方の前でFDに関する小講演をさせていただいた。中身は5月末に、新任・転任教員研修会でお話した内容とほぼ同一であったが、せっかくの機会でもあったので最後に個人的な要望をいくつか。

 まず、2001年9月30日に行われた人間・植物関係学会設立総会での進士・東京農大学長の基調講演を引用しつつ、
  • 農学の場合、もっぱらモノを対象とし、生産拡大の条件が検討されてきた。
  • 工業は大量生産により文明の画一化を推し進める。その反動として生物多様性を尊重する動きが出てきた。
  • 要素に分け、特定のfactorだけを取り出して分析するという方法からはおさらばすべき。
  • 「農」全体を見渡し、人間と植物の関係性を重視した教育に力を入れてほしい。
と要望した。もっとも岡大の場合は、かなり前から学科制を廃止し、1学部1専攻の総合教育を行っている(2年次以降でしだいに細かく分属)と聞いている。このあたりは余計なお節介であったかもしれぬ。

 次に、全学に向けてお願いしたいこととして
  • 全学に向けた体験型の「農」副専攻を!
  • 栽培、収穫と一体となった食体験
  • 園芸福祉の実践
  • 循環型消費の体験
  • 大学構内の環境整備の先頭に
  • 「サスティナブル(sustainable)」と「ローカライゼーション(localization)」
  • 環境問題をコミュニティで解決することは、「がまん」を「楽しみ」に変える
  • 環境は地域経済の制約要因ではなく、地域経済を元気にするツールともなりうる
などを挙げた。最後の3点は、第10回エコマネートークで中島恵理氏(環境省の地球環境局地球温暖化対策課係長)がお話になったことからの引用であった。

 大学にもいろいろな学部があるが、いま、いちばん輝いているのは農学部ではないかと私は思う。農学部こそ、いまの日本を、というか、いまの地球を救うことができるのである。バイオテクノロジーや農業の「工業化」が飢饉解消に貢献したことは認めるとしても、これからのキーワードは、なんと言ってもサスティナビリティに尽きる。伝統農業の再評価などを含めて、自然との共生を前提とした総合的な教育をさらに推進していただきたいと希望している。




 以下はFDとは関係の無い突飛な発想であるため、講演では話していないが、岡大の1つの特徴は、大学キャンパスの一角に広大な農場が広がっていることだ。また、大学の北側には、手つかずの自然が残されている半田山がある。これらを全学部学生のためにもっと活用し、例えば
  • すべての学生に対して、農業体験を必修化する。
  • すべての学生に対して、半田山でのフィールド観察を必修化する。
  • すべての学生に、タタミ1畳分の花壇を割り当て、花を育てさせる。その敷地は公園として市民にも開放する。
といった大胆な構想を打ち出してもよいのではないかと思う。