じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 洋梨。昨年も9/10付けの日記に写真をアップしていた。今年のほうが実が大きいように思う。ちなみに、農場の生産物の一部は付属の売店で販売されているが、なぜかこの洋梨は、もぎ取られることもなく、地面に落ちるまで放っておかれる。研究目的のためなのか、単に採っても売れないからなのか、不明。





9月10日(火)

【ちょっと思ったこと】

東京電力についての最大の(←じぶん比)疑問

 原子力発電所の「トラブル隠し&虚偽報告」が連日報道されているが、私には1つだけどうしても分からないことがある。それは
東京電力(営業区域は関東全域と静岡東部のみ)なのに、なぜ、福島県と新潟県に発電所があるのか?

ということだ。いつぞや、原発反対派の人たちによる「それほど安全な原発なら首都に作れ」という運動があったことは耳にしたことがあるが、ま、国会議事堂の隣というのは地価も高くて大変だとしても、せめて、千葉県とか茨城県ぐらいに作っても良さそうな気がする。福島や新潟に作れば、送電線の管理も大変やろし、社員の移動にも時間と交通費がかかるはず。うーむ、これってかなりの謎だと思うんだが。




『英語の話し方』と『下手な英語の話し方』

 9/11の新聞広告に『下手な英語の話し方』というのがあった。その右隣には同じ出版社の『國弘流 英語の話し方』という本の広告がある。このように並べられた時、いったいどちらが売れるのだろうか。

 で、『下手な英語の話し方』のほうだが、「英語は、ヘタでも構わない。もっと大胆に話してみよう!」というコピーだけを見ると、『日本人はなぜ英語ができないか』や『英語はいらない』の鈴木孝夫氏や、『アジアをつなぐ英語〜英語の新しい国際的役割』の本名信行氏の流れを組む主張かと思ってしまうが、広告をよく見ると、著者の方は、同時に金運、守護霊、気学に関する本も出しておられる。これらの知見と英語の話し方はどう関連づけられているのだろう? ま、単にヘタな英語を話すだけだったら、ネイティブ以外なら誰にでもできること。私自身も、初対面の外人に「Nice to meet you, KONO KUSOTTARE!」とか「I'm fine, and KUTABARE KONOYARO?」などと下手な英語をしゃべっている。

【思ったこと】
_20910(火)[心理]日野原重明先生と新老人(1)

 いつものように「今日は何の日」(←この日の話題は、土佐のマザーテレサと呼ばれた荒木初子さんの話だった)を視ながら昼食。食器を片づけながらチャンネルを回すと、NHK教育「にんげんゆうゆう」がちょうど始まるところだった。今週の話題は、「新老人の時代が来た〜日野原重明医師に聞く」。運のよいことに月曜夜の1回目の再放送であった。これは聞き逃してはなるまいと、さっそくメモを取りながら放送に聞き入った。

 日野原先生のお考えについては、1年近く前のことになるが、「家族介護者教室“「老いる」ということ〜感謝し感謝されるかかわりを大切に〜”」という高塚延子先生の講演(2001年10月7日の日記参照)の中でビデオを通じて紹介されたことがあったが、時間的制約から断片的なものにとどまった。この機会に4回分すべてを拝聴したいと思う。

 日野原先生は今年の10月4日で91歳になられるという。すでに95冊の著書を著し、10の団体の会長や理事長をつとめる。休日はなく、相変わらず1時就寝、6時起床を繰り返し、日帰りで遠方まで講演に行ったり、病院内で回診をしながら、医学や看護の学生を相手に患者さんへの接し方を指導しておられる。4年後に行われる国際学会でのメイン講演までスケジュールに入っているそうだ。

 日野原先生によれば「高齢者」という呼称自体が年齢で差別をすることにあたる。「老」に「老廃物」とか「老醜」といった言葉があるが、中国ではもともとは尊敬を込めて使われていたらしい。なるほど、「高齢者」の呼称は慎重に使うべきことがよく分かった。ちなみに、「成人病健診」を「人間ドック」、「成人病」を「生活習慣病」に改めさせたのも日野原先生の働きかけによるところが大きいらしい。

 昨年のビデオでも取り上げられていたが、65歳以上の老人のうち、介護を要する人は25%、寝たきりの人は5%にすぎない。50%は自立した老人であり、25%は特に優秀な自立老人。この優秀者を増やすことが求められている。そのさい肝心なのは、ちょっとでも故障があるとすぐ「療養、療養」に走るのではなく、機械で言えば、古くなっても手入れをしてもっと動かすという姿勢にあるという。体も頭も使わないとイケナイ。このあたりは、能動性を重視する行動分析の発想とよく似ているように思えた。

 昨年の日記にも書いたことだが、「老人」というと、どうしても、マイナスのイメージが漂うが、じつは、まだまだ現役を続けられる人たちがかなりの比率に上っている。自立と能動を求める老人たちが活躍できる機会をいかに保障するかが、老人福祉の最大の課題となるだろう。