じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 花スベリヒユ(ポーチュラカ)とサルスベリ。朝晩はだいぶ涼しくなりエアコン無しでも寝られるようになったが、真夏を象徴するこれらの花はまだまだ元気。





9月8日(日)

【ちょっと思ったこと】
新聞記事あれこれ

 9/9が休刊日だったため、いつもより詳しく目を通した。そんななかで面白そうな記事をいくつか。
  • 自民党のカイ党宣言

     小泉首相がにおわせていた「解党」にひっかけて、「開党」、「解凍」、「解答」、「皆党」、「改党」という同音異義語やあて字を使って読者をひきつけようという2色刷り全面広告があった。アイデアは面白いんだが、「戒党」や「悔党」が無いというとことがちょっと物足りない。ま、くれぐれも「壊党」になりませんように。



  • 小中教員の高年齢化

     文部科学省が3年ぶりに実施した調査によれば、小中学校教員の平均年齢は、それぞれ43.4歳(前回より1.6歳増)、41.8歳(1.4歳増)。「ベテラン教員で学級崩壊が相次いだ」、「年齢が離れれば離れるほど教員が子どもの気持ちをすくい取れなくなっている」などの指摘が紹介されていたが、単純に年齢差と「察し」は反比例していくものだろうか。経験を重ねればそれだけ子どもの気持ちが見えてくるはず。それが無いとしたら、努力が足りないか、流行物に無頓着で一緒に楽しめないことに問題があるのではないか。
     余談だが、大学教員の平均年齢はどのくらいなんだろう。助手層を除くと、30歳で就職して65歳で停年というのが一般的なので、47〜48歳あたりが平均になるのだろうか。60歳停年の大学や、年功序列にこだわらずに優秀なスタッフを揃えようとしている大学ではもっと低くなっているはずだ。




    国民年金の未加入者・未納者

     だいぶ昔から「3人に1人は払っていない」と聞いたことがあるが、9/8の記事によると、制度に入らない未加入者は99万人、入っても保健を払わない未納者は265万人。未納率は1995年度の15.5%から2000年度は27%に増加したという。何を母数に「3人に1人」と言われてきたのか今ひとつ分からなかったが、とにかく相当な数だ。
     年金というのは、自分の老後のための強制貯蓄のように思われがちだ。もしそうならば、そういうものは自助努力に任せればよく、国が強制的に取りたてるのはお節介だという理屈も成り立つ。しかし、公的年金は、じつは加入者の老後のためではない。いま現在の高齢者の生活を現役世代の保険料によって扶養するというのが制度の本質のようだ。「現役世代が高齢者の生活を保障することは国民的義務である」というのであれば、未加入や未納は、その義務を果たしていないと批判されてもしようがない。
     個人的には「老後の保障は自助努力で」というほうが妥当であるように思うが、20年、30年後の物価、介護・福祉制度、医療制度等を個々人が予測するには限度がある。「毎月1万3000円を40年間払えば65歳から6万7000円貰える」ことが損か得かという発想ではなく、上にも述べたように、「現役世代の時に高齢者の生活費を拠出する代わりに、自分が歳をとった時には次世代から面倒をみてもらう」という「世代間仕送り」の発想を定着させることが先決かもしれない。




    軍事的脅威を感じる国

     朝日新聞社が行った日米世論調査によれば、米国民が脅威を感じる国は、イラク29%、中国24%、ロシア6%、アフガニスタン4%、イラン4%。いっぽう、日本国民が脅威を感じるのは、北朝鮮49%、米国14%、中国8%、ロシア3%、イラク1%であった(日本国民の調査は8/31と9/1に3848軒に電話調査、回答率は55%。米国民は、8/22〜8/25に調査会社が1022人に電話調査)。

     この調査をみて思うのは、「国民の感じる脅威」なるものが、政治的な宣伝、最近の事件、偶発的な衝突、報道の重みづけによっていかに影響されるかということだ。例えば、昨年11月の調査では、米国民が脅威を感じる国は、中国29%、イラク15%、アフガニスタン13%、ロシア10%、日本2%であったというが、この変化は必ずしも客観情勢がもたらしたものとは言い難い。

     それにしても、日本国民の調査で、北朝鮮の次に脅威を感じる国が米国であるというのはまことに興味深い。イラクの大量殺戮兵器開発は阻止しなければならないが、人類史上で最初に原子爆弾を使用して無差別大量殺戮を行ったのは、言うまでもなく米国である。しかもそのことについての反省や懺悔の言葉はリーダーたちからは語られていない。

     このほか、不審船や拉致問題の報道により北朝鮮の脅威ばかりが印象づけられているが、万が一、何らかの摩擦から武力衝突が起こったり、また、相手国の政変により反日政権が誕生した場合には、韓国、中国、ロシアすべてが脅威の対象になりうることも忘れてはならない。もちろん、だからといって日本の軍事力を増強すればどうにかなるという問題ではない。日本を攻撃すると自国の経済が大ダメージを受ける結果を招くような依存関係を保ち、かつ、文化交流を促進することが基本であることは言うまでもない。