じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 【8月10日:セルシュ→玉樹】昼食時に立ち寄った食堂。ストーブの燃料は、乾燥したヤクの糞であった。その向こうには最新式のVCDカラオケセットがあった。今回のツアーでは、どこのホテルやレストランに行っても、テレビやVCD再生装置が置いてあった。ヤクの糞との対比は、中国の経済発展のチグハグさの象徴でもあるが、見方によっては、自然との共生を重視した21世紀型のコンビであるとも言えよう。
右の写真は、旅行時によく歌われていた曲。「香格里拉呀」というフレーズが繰り返され、日本の演歌にも似ていた。「九寨溝(きゅうさいこう)」何とかという題名の歌も人気が高かったが、右の映像と同一かどうかは確認していない。いずれにせよ、日本で売り出せば大ヒットするだろう。
[今日の写真]





9月6日(金)

【チベット東部旅行記(6)】_20906(金)[旅行]五体投地/誰でも参加できる宗教と無駄のない人生

[写真] [写真]  炉霍から徳格に向かう途中、五体投地でラサに向かう巡礼に出会った。特別の了承を得て写真を撮らせてもらうことができた。工事中であることに加えて、車が通るたびに土ぼこりが舞い上がる。3500mの高地で空気は薄く、紫外線が否応なしにそそぐ。食料も十分とは言えない。我々なら10分も経たないうちに気を失ってしまいそうだ。
[写真] [写真]  リーダーの男性(写真左下)は65歳を越えていると言っておられたが(←聞き取りのため不確か)、地球上で最も頑丈で健康優良な男のように見えた。

 玉樹の文成公主廟で、ガイドさんに誰か五体投地をやってみませんかと言われ、ならば私がとチャレンジしてみた(←日本人初ということはあるまいなあ)。高地ということで3回繰り返すだけで息が切れる。それと、額や肘のあたりに痣ができそう。写真にもあるように、道路を巡礼する場合は、ヘッドランプのような器具で額を保護する必要がある。



 五体投地に限っては相当の体力が要求されるが、チベット仏教は、全体としては、誰でも参加できるという点で、際だった特色があるように思う。難しい経文は読めなくても、マニ車を回したり、ゴンパやチョルテン、マニ塚の周囲を時計回りに回るというだけで、十分に功徳を積んでいることになる。そして、コミュニティ全体がそれを良いことだ評価する。

 他宗教や無神論者から見れば、五体投地もマニ車も、体力と時間の浪費のように思えるかもしれない。しかし、物質文明社会の中で無気力に時の流れに身をまかす人たちが多いことを考えると、どっちが幸せなのか分からなくなってくる。チベット仏教を信じている人々は、歳を取って仕事ができなくなっていても、マニ車を回し続けることで生きがいを失うことが決してないからだ。