じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 成都から康定(カンディン、チベット名ダルツェンド)への道路は、工事のため18時以降でないと通れなかった。二郎山峠を越えたところで、西南方向に、ミニヤ・コンカ(7556m)の一部を眺めることができて満足満足。8月5日20時58分(日本時間)撮影。





8月21日(水)

【チベット東部旅行記(4)】
_20821(水)[旅行]成都の3大名物は、日傘付き自転車、待ち時間表示付き信号、解体&建設

[写真] [写真]  ものの本によれば、成都の歴史は遠く2500年前の殷の時代まで遡ることができるが、日本人によく知られているのは、何と言っても『三国志』において蜀国の都となったことであろう。「1年目は城となり、3年目は都となる」という想いで「成都」と名づけられたとか。

 もうひとつ、今回のツアーではガイドさんの口から一言も語られなかったが、成都はB29の発進基地としても知られている。蒋介石が突貫工事で作らせた飛行場が米軍のB29の前線基地となり、インドのカルカッタからヒマラヤを越えてやってきた爆撃機が北九州の八幡製鉄所めがけて攻撃を行ったという。上海から成都までの空路では右の窓際に座ることができたが、かつて同じ空の上を何十機もの爆撃機が飛行していたことを思うと複雑な気持ちになった。

 さて、現在の成都に話を移そう。私が勝手に選んだ3大名物は次の通り。1番目は、傘をさした自転車の行列である。もともと成都は雲に覆われる日が多く、稀に太陽が出た時には、珍しさのあまりにそれに向かって犬が吠えるというジョークがあるほどだ。紫外線もそれほど強くないはずなのだが、それでもなお美白に悪影響が出るのだろうか、日傘をさして自転車をこぐ女性たちを多数みかけた【写真左上】。

 この日傘は、特別な金具で自転車に取り付けられていた【写真右上】。この金具、日本に輸入すれば飛ぶように売れるはずなんだが、道路交通法上の規制があるのだろうか。岡大周辺では、雨の日に片手で傘を持ちながら自転車を運転する学生をよく見かけるが(←私自身も、稀に雨傘をさしながら運転する)、こういう金具があればいくらか安全であるような気がする。

[写真] [写真]  2番目の名物は、待ち時間(秒数)表示機能つきの交通信号であった。大きな交差点ではたいがい、あと何秒で信号が変わるのかが数字で表示されていた。あと何秒で信号が青になるのか、といった待ち時間表示装置は、東京都心の横断歩道でも見かけたことがあるが、成都にあったものは、「赤→青」に変わる時間だけでなく、「青→赤」になる時間も連続して表示するようになっていた。

 もう1つ、日本の信号は、赤、黄、青がそれぞれ独立したランプになっていて順番に点灯するが、ここにある信号は、1つのランプの色自体が変化するという点で大きく異なっていた。また青信号は、●型ではなく、矢印が表示されることが多かった。

 中国の他の都市でも、青矢印が出る信号機は見かけたが、以上述べたような、残り時間表示機能つきで色そのものが変化するタイプの信号機がこれだけ揃っている所は、上海、西寧、北京いずれでも見当たらなかった。

[写真] [写真]  最後の名物は、古い街並みの解体と高層ビルの建設ラッシュ。戦前からのものと思われる石造りの街並みが次々と壊され、近代的なビルが建てられている最中であった。地元の人々にとっては、それで住みやすくなるのだろうが、一介の観光客の目から見れば、古い街並みのほうが遙かに郷愁をさそう。せめて1km四方でよいから、古きよき成都の街並みが保存することができればよいのに、と思った。