じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] 胡蝶蘭の花。窓際の水槽の上で育てていたものが今頃になって花をつけた。先日、海外旅行の予備用に安いデジカメ(18000円台)を買ったので、手持ちの機種(29000円台)と比較してみた。2台とも200万画素という点では変わらないが、画面左半分(以前から使っていた機種で撮影)のほうが右半分(新しく買った機種で撮影)より、花びらのうっすらとしたピンクのスジまで鮮明に写っている。右の写真は、左の写真全体をパソコンで補正したもの。この差は補正しても変わらなかった。なお、いずれも縦横とも50%に縮小してある。 [今日の写真]





7月7日(日)

【ちょっと思ったこと】
台湾の747型機事故、なぜ報道されない?

 7月1日深夜(日本時間2日早朝)にドイツ南西部で起こった旅客機と貨物機の空中衝突事故が大きく取り上げられている。このことでふと思ったのだが、5月25日15時31分頃に台湾で起こった事故はどうなったのだろう。

 各種報道記録によれば、これは、台北発香港行き中華航空611便ボーイング747-209B(B-18255)が、台湾海峡上空高度35000ftを巡航中に空中分解し、海上に墜落した事故であり、乗員19名、乗客206名、計225名全員が死亡した大惨事であった。

 ところがこの事故、なぜか日本では殆ど注目されないまま、サッカー・ワールドカップの熱気に埋もれて忘れ去られてしまった。日本人犠牲者が1名も居なければよいのか、台湾の特殊事情によるものか分からないが、大きな謎である。

 日曜日にネットで検索をかけたところ、事故の詳細が外山智士氏のサイトに記されていることが分かった。それによれば、この事故の原因としては、「当初、爆発物によるテロや軍事演習用のミサイルに衝突し爆発したとの説が浮上したが、収容された遺体の多くが骨折はしているものの損傷が少ないことや焼跡のある機体の残骸がないことなどから事故機は爆発ではなく、空中分解したものとみられている。」という。また空中分解したとされている747型機は、「就航から22年8ヶ月が経過、総飛行時間は64000時間を超え、経年化が進んでおり、翌月にはタイの航空会社Orient Thai Airlinesへの売却が決まっていた。事故当日、同便に使用予定の機材が別の路線に転用されたため、急遽、点検中の事故機を臨時で使用することになり、事故機にとっては、この日のフライトが中華航空での最後のフライトとなる予定だった。」という。

 この記述を拝見して恐ろしいと思ったのは、経年化で金属疲労が進んでいると思われる機体が、台湾からタイの航空会社に売却されることになっていたという話だ。辺境の地への旅行を好む私など、いつかはそういう中古機に乗せられるハメになるだろう。

 ところで747型機の事故と言えば、1985年8月12日に起こった日航123便ボーイング747SR46型機の大惨事が思い出される。上掲の外山氏のサイトで、747型機の事故データを検索してみると、全473件の事故のうち、18件が該当することが分かった。莫大な数の運行本数から見れば18件というのは、きわめて小さな確率であるかもしれないが、車や船と違って、事故に見舞われれば逃れる手だてが皆無でありほぼ確実に死亡するだけに、恐怖は大きい。事故原因をきっちり調査し、経年化した747型機に空中分解の可能性がどの程度あるものなのか、明らかにしてほしいものだ。
【思ったこと】
_20707(日)[心理]国民の49%が「不眠症」の疑いと言うが...。

 7/7朝のNHKニュースで、日本人の平均睡眠時間は6時間35分(←長谷川の記憶のため不確か)、49.4%は不眠症の疑いがあるという話題を取り上げていた。この調査は、K大のM名誉教授らが、WHOを中心とした「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」の調査の一環として行ったもの。「アテネ不眠尺度」に基づき、日本人の成人男女1万人を対象に行い、6日に仙台市で行われた日本睡眠学会で公開されたという。

 TVニュースだけではよく分からなかったので、その後ネットで検索してみたところ、河北新報の7/4記事や、日経ネット いきいき健康サイトに比較的詳しい情報が記されていた。

 さらにネットで検索したところ、上記の「アテネ不眠尺度」は、どうやら、快眠推進倶楽部サイト内のセルフチェックテストと同一らしいということが分かってきた。質問が8個というのは記事の通りであり、それぞれが0点〜3点の4段階で評定、これを単純加算すると最低0点から最高24点までの可能性があり、上記の記事と同一の尺度であることが推測できる。

 しかし、このテスト、実際にやってみると、4点や5点ぐらいは簡単に取れそうな気がする(私自身は3点だったが...)。その4〜5点でも「不眠症の疑いが少しある」、6点以上で「不眠症の疑いがある」というのは少々厳しすぎるように思える。




 そもそも「不眠症」はどのように定義されているのか? いくつかのサイトをチェックしたところでは、
  • 安眠できない夜が慢性的に4週間以上続いた状態。
  • 不眠症の診断には正確には終夜睡眠ポリグラフ記録が必要となるが、(1)入眠困難(60分以上)、(2)中途覚せい。(3)早朝覚せい、(4)熟眠感の欠如−のうち1項目以上が週3日以上あり、なおかつ1カ月以上続いている場合は不眠症と定義される
などいろいろあって、上記の「アテネ不眠尺度」で「不眠症の疑いがある」とされる6点以上という基準が何を根拠にしているのか、確認することはできなかった。WHOプロジェクトが作成したとはいえ、尺度づくりに求められる諸手続をクリアしたものなのかどうか、かなり疑問に思ってしまう。




 それにしても、49.4%が不眠症の「疑いがある」+「疑いが少しある」となると、もはや、平均からの逸脱ではなく、国民全体の生活スタイルの問題ということになる。M名誉教授の別の調査では
  • 別に「よく眠れていると思うか」と尋ねたところ「そう思わない」と答えたのは20.9%
  • これとは逆に「よく眠れていると思う」と答えた人も、アテネ不眠尺度では37.7%が不眠の疑いがあるとされた。
これらの数値からM名誉教授は、「自覚のないところで眠りの質が悪くなっているのではないか。車の運転中のうたた寝など重大な結果になりかねない」と話しておられるそうだが、本当に不眠が交通事故の原因になっているというなら、快眠促進の国民運動でも始めなければならないだろう。




 今回の調査結果が行政的に問題となるとすれば、
  • 裁量労働制や会社内個人事業主制導入における健康管理
  • 日本でサマータイムを導入した場合の問題
  • 大都市における長時間の通勤が不眠に与える影響
  • 不眠の程度と交通事故の関連
などへの対応であろうと思う。

 余談だが、先日の授業参観の際にも、平気で居眠りをしている学生が複数見られた。参観した2つの授業は、どちらもちゃんと聴いていればたいへん意義深いものであり、それにも関わらず居眠りをするというのは明らかに学生側に問題があると思う。これを不眠症(←授業中に限っては「睡眠症」)として扱うのか、授業内容により強い関心を持てるようカリキュラム上の工夫をする必要があるのか、今後の検討が求められるところだ。