じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] ザクロの花が見頃となった。今年は豊作の年にあたる。右は、その近くにあった花ザクロ。こちらのほうは実がならないという。 [今日の写真]





6月1日(土)

【ちょっと思ったこと】

長浜ラーメンの謎解ける

 人間・植物関係学会第二回年次大会参加のため福岡ガーデンパレスへ。福岡市内を歩くのは15年ぶりぐらいのことになる。昼食には博多ラーメンでも食べようかと『街ナビマップル』をめくって見ていたら「元祖長浜屋本店」という案内にあれっ?と思う。もしやと思い地図を調べたところ、長浜というのは福岡市中央区長浜のことだったのね。

 まじめな話、私は、長浜というのは滋賀県長浜のことだと思いこんでいた。4月に松本・糸魚川・北陸道経由で岡山に戻る際にも、「せっかくだから長浜で本場のラーメンでも食べていこうか」と家族に提案したほどである。高速を降りないでよかったよかった。

 結局、時間が無かったため、天神のダイエー地下で和風ラーメン450円を食すことになった。




ワールドカップ、はしゃぎすぎか

 サッカー・ワールドカップの第17回大会が31日、日韓両国を会場に開幕した。サッカーファンの方には申し訳ないのだが、私はもともとサッカーには興味が無い。テレビのニュースで「たかが」予選の外国どうしの試合や、観客の感動ぶりがトップで伝えられるのを視ると、そんなにスゴイことが始まったんだろうかと首をかしげてしまう。開幕後の試合でフランスに勝利したセネガルでは、この日を祝日に制定するぐらいの大騒ぎをしているというが、これは、娯楽が少ないことに加え、旧宗主国のフランスに勝てたという特別の意味があるのではないかと推察される。

 私にとって、サッカーに野球ほどの関心を持てないのは、
  • テクニカルな面を知らないので、いろいろな攻撃トリックの醍醐味を味わえない
  • 野球のように「この一球」という見せ場がない
  • 逆転満塁ホームランのような、一瞬ですべてがひっくり返るようなドラマが無い
といったところ。もちろん、これは私個人の問題であって、サッカー観戦に熱中されている方々のことをとやかく悪く言うつもりはない。今回の大会にポジティブな面があるとすれば、何かとアメリカのことばかりが話題になりがちな今の日本で、韓国やヨーロッパやアフリカの文化に目を向ける絶好の機会が与えられたということだろうか。そういや、セネガルやカメルーンの首都の名前などすっかり忘れていた。
【思ったこと】
_20601(土)[心理]人間・植物関係学会(1)

 人間・植物関係学会2002年大会に参加するため福岡へ。1日目は、松尾英輔会長(九州大学大学院農学研究院教授)の基調講演と、パネルディスカッション。松尾会長は、人と植物の関わりを多面的に論じられた、教育面では特に「自分と違った生き物を相手に、相手のために何をしてやれるかを学ぶ」ことが大切であると指摘された、次のパネルディスカッションのテーマは、「植物の不思議パワーのいろいろ」。植物をキーワードに6名のパネリストが登場、貴重なお話を伺うことができた。以下、備忘録代わりに印象に残った点を記す。
  • 都市と農村との交流グリーンツーリズム事業に取り組んでいる役場職員T氏
    年に4回、米作りに参加することで消費者も高い値段で米を買ってくれるようになる。こうした交流の大切さがよく分かった。


  • 九州で7割のシェアを誇る大手園芸関係会社の社長N氏
    お仕事柄、花を見る目が「綺麗」という純粋な目でなく、「儲かるか、儲からないか」の目になってしまうという自己紹介が面白かった。花市場というのはけっこうトラブルが多いとか。そういう相手との応対を、花いっぱいの応接室で行うと言葉が丁寧になるとか。花苗の売れ筋としては、赤道直下の植物→ヨーロッパで品種改良された植物→南半球の植物という傾向があるとか。このほか、園芸関係の一戸あたりの支出額は、鹿児島県がトップで約2万円、福岡県は8000円程度。鹿児島が多いのは、ご先祖のお墓に花を供える習慣が強く残っているためらしい。


  • 栄養科学部のM教授
    中国南部の長寿村の食生活を調査。薬食同源の思想。眺めるばかりでなく食べるということの意義などがよく分かった。私の食心理学の授業にも活かせそう。


  • 薬用植物ご専門のS教授
    最近の学生は植物のことを知らなさすぎるという。総合力が無いことも問題だとか。全植物の1〜2割が毒草あるいは薬草であるという。


  • 作業療法ご専門のY教授
    我々の生活は「何も気づかずに生活」、「養生生活」、「療養生活」、「治療生活」という4段階からなるという。植物が人に関わる時は押しつけが無い。育ってくれる、当てにされるといったところに植物を育てる時の特徴がある。


  • 県の教育長の幹部K氏
    中学校での栽培活動の成果がよく分かった。モットーは「Think globally, act locally」だとか。体験を通じて「種を蒔いた花は大切になる」、「学校がきれいになれば地域から信頼感」、「教師と生徒の信頼感」、「単に作業だけではダメ」ということもよく分かった。このほか雑談として、夏の花にはメキシコ原産が多いというのもなるほどとと思った。


 フロアとの質疑ではちょうど花の名前のことが話題になっていたので、私自身も、「今の園芸品種はカタカナが多すぎ、しかも覚えにくい」、「お年寄りのためにも、昔の花を提供してほしい」、「花苗のグローバル化が進み、日本全国どこの花壇でも同じような花が植えられているのは残念」などと発言した。

 あと、この種の会議ではしばしば話題になることだが、花を育てることと、野菜を育てることの効用の違いについていくつか発言があった。公共の場ではどうしても花優先にならざるを得ないが、特に高齢者が対象の場合には、昨日の日記でもふれたように、やはり菜園の確保のほうが意義が大きいようにも思われる。