じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 大学構内・座主川(旭川からの用水)沿いの遊歩道。左手のツツジは、日陰のせいか、花をいっぱいつけるのは2〜3年に一度程度。今年は「裏年」にあたるようだ。





4月27日(土)

【ちょっと思ったこと】

「郵便」は前世紀の遺物?

 各種報道によれば、ヤマト運輸の有富社長は26日記者会見し、郵政事業への民間参入を定める「信書便法案」が今国会で成立しても参入しない方針を明らかにした。商品開発などが総務省の許認可でがんじがらめにされ「切磋琢磨することは期待できない」というのが主たる理由であり、法案が成立しても参入企業が現れない可能性が高まったという。

 私は一般論として、複数企業の参入による「切磋琢磨」は好ましいことだと思う。現に電話回線ではその恩恵を受けているし、航空と鉄道との競争があるおかげで安い運賃で上京することもできる。しかし、あくまで個人体験の範囲からの感想になるが、郵便はもはや前世紀の遺物。Eメイルなどネットの活用が普及することになって、いずれ、特殊目的に限定されるようになると思う。

 じっさい、最近私が投函したものと言えば、
  • 査読した論文の返却・リビュー送付
  • クレジットカードの利用ポイント引き換え
  • 息子が新しく始めたZ会通信添削
ぐらいのものだろうか。特に、大学から公用で郵便を出すということは、最近では年に4〜5回程度に減ってしまった(←郵送依頼票の残り枚数からカウントできる)。

 いっぽう、自宅で受け取る郵便物は(日曜日を除き)毎日4〜5通、年賀状を別として年に1000〜1500通ぐらいになるのではないかと思うが、その大半はダイレクトメイルと証券会社からのものである。証券会社と言っても大した取引があるわけではないのだが、頼みもしないのに残高報告書、目論見書、投資信託の運用報告書などを個別に送ってくる。口座番号の印刷された報告書をそのまま捨てるわけにはいかず、手回し式のシュレッダーで一枚一枚切り刻むのだが、たいへんな手間がかかる。ああいうものは、ネットでやりとりすれば大幅なコスト削減につながると思うのだが、「郵送を義務づける」という郵政がらみの陰謀があるのだろうか。

 ダイレクトメイルは、妻あての商品案内、息子や娘あての塾の入会案内など。息子など、最近では封も開けずに捨てているぐらいだ。大学住所あてには出版社目録が大部分だが、これも封を開けずに捨てている。

 こうして考えてみると、我が家で役立っているのは、息子の通信添削ぐらいのものだろうか。仮に民間参入があって切手代が半額になったところでせいぜい年に1000円程度が節減されるだけのことだ。

 かつて重要な緊急連絡手段であった電報が慶弔専用と化し、ちょっとした申し込みはEメイルかFAX、日常の通信はケータイかEメイルという時代、企業が参入して利益をあげられるほどの利用があるのかどうか疑問である。やはり、ダイレクトメイルや、分厚いカタログに限って参入するほうが得策かと思う。信書型の郵便はいずれ、書留便や配達証明便など特殊な目的に限って利用されることになるのではなかろうか。