じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 新緑につつまれる文法経三学部講義棟(右奥は図書館)。中央の藤棚はすでに見頃を過ぎている。





4月19日(金)

【ちょっと思ったこと】

金環食と手のひらの影

 みのもんたさんの「今日は何の日」によれば、1958年4月19日は、八丈島で継続時間2分以上に及ぶ金環食が観測された日だという。娯楽が少なかったせいもあるのだろうが、八丈島には観測隊、報道陣に加えてたくさんの見物客が訪れ、八丈島観光開発のきっかけになったそうだ。

 そう言えば、子どもの頃、世田谷の自宅の庭で空が不気味なほど薄暗くなるような部分日食を体験した記憶があった。おそらくその時のことと思う。くもりガラスの破片にロウソクの煤をつけて欠けた太陽を覗く。そのうち、ひんやりとした風が吹いた。手のひらの影が何重かにぼやけたことをはっきりと覚えている。あれが、その後、皆既日食を求めて小笠原沖イランまで見物に行くきっかけをつくった「原体験」になったのかもしれない。

 ところで金環食というものがわざわざ見物に行くほどの価値があるのか、私には分からない。98年8月23日の日記にも記したように、仮に太陽の99.99%が月に隠されたとしても、まだ満月40個分の明るさに相当する。皆既日食のように、大空が巨大な暗黒の円に覆われ水星や金星やいくつかの明るい星が突然現れるということはあるまいと思う。

 ただ、子どもの頃体験した「手のひらの影が何重にもぼやける」という現象は、小笠原沖やイランに皆既日食を見に行った時には確認できなかった。この日記を書いている部屋は、たまたま30ワットの環形の蛍光灯で照らされているのだが、確かに手のひらの影は三重以上にぼやけている。金環食、あるいはそれに近い部分食の場合は、太陽の形が限りなく環状に近くなるため(下図左側)、こういう現象が起きるのかもしれない。いっぽう皆既食前後の太陽はあまり細長にはならない(下図右側)。あくまで素人判断であるが、ひょっとしてこの違いによるものかもしれないと思ってみたりする。

[図]  こちらのサイトによれば、日本付近で見られる近時の金環食は、2012年5月21日(理科年表では2012年5月20日となっているので要確認)。今年の同じ授業担当体制であれば、当日は年休をとって日帰り旅行ができそうだ。手のひらの影がどうなるか確かめてみたいと思う。

※補足]理科年表によれば、それより前の2006年3月29日と20008年の8月1日に、ユーラシア大陸各所で皆既日食が見られる。さらに2009年の7月22日には屋久島〜奄美大島付近で皆既日食がある。うまい具合に、前2者は春休みと夏休み、2009年は前期末ながら1泊2日で戻れそうなので、見物可能。これだけ見られれば思い残すことはあるまい。