じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] スパラクシス。英名の「wandflower」は「魔法の杖」に由来するのだろうか。春の花の中でもとりわけ派手だが、霜に弱いこと、花瓶に挿すとすぐ散ってしまうこと、暗い部屋だと花が開かないことなどデリケートなところが敬遠されて、公共の場ではあまり見かけない。





4月15日(月)

【ちょっと思ったこと】

ひょっとしてモンスーン?

 中学・高校時代に習った気象の知識によれば、日本付近での降水は、温帯低気圧・前線によるものが大部分、他には熱帯的圧(台風)、上昇気流による局地的な雷雨、冬型の時の日本海側の大雪などがあるが、昨日からの雨は、太平洋の高気圧の縁をまわるように流れ込む湿った暖気によるものだそうだ。梅雨時に湿舌による大雨があるとはいえ、4月中旬にこんな形で雨が続くというのはあまり記憶にない。ひょっとして、東南アジアのモンスーン?
【思ったこと】
_20415(月)[心理]ゼミ内の意見交換を活発にする方法(1)

 大学の卒論研究は分野や指導教員によってかなり異なるが、私の場合は、テーマ選びから方法の選択に至るプロセスを自分で切り開く力を身につけることが重要な達成目標に含まれると考えている。高額な機器や高度のテクニックは不要、また、教員が与えたテーマを受身的にこなすだけでは卒業後に活かせるものは乏しい。それよりも、なぜそれが研究対象として重要であるのか、どういう概念的枠組みを用いてどういう形でデータを集めれば最も有用な情報が引き出せるのか、どれだけ多様な視点がありうるか、....などを能動的に考えていくことが大切であろうと思う。

 そのさいに必要となるのが、ゼミ内での相互のリビューである。教員が個々の学生を手取り足取り個人指導するのではなく、ゼミ内での意見交換を活発にするなかで研究のレベルを高めていくのだ。

 その一環として、私のゼミではプロジェクト別に非公開のネット掲示板を設け、書き込みの促進をはかってきた。しかし現実には、よく発言する人は3割程度にとどまる。ノルマを課さない限り決して動かないというゼミ生もいた。

 少し前、その改善策として、ポイント制を導入したことがある。これは、
  • 掲示板に建設的な意見を書き込んだ者は、所定のポイントを獲得する。
  • 文献読了のポイントと合わせ、累積ポイントを教員に報告。
  • 教員は、各自の累積ポイントを折れ線グラフにして、匿名で比較公開。
という仕組みであった。これは基本的には競争原理に基づく発想であったのだが、何もしなくても失うものがないため、やはり全員参加には至らなかった。折れ線グラフが平らなままでも気にしない人が複数いたのである。

 これらの反省から、今年度は、エコマネースタイルで相互リビューの活性化をはかろうと計画している。その概要は
  • ゼミ生の各種報告に対して、他のゼミ生が非公開掲示板にリビューを書き込む。
  • 書き込まれたゼミ生は、その内容が参考になった場合に、一定額のエコマネーを振り込む。その明細(振込先と収支)は、エコマネー専用掲示板で逐一報告する。
  • 各ゼミ生は、収支がゼロになるように心がける。
  • 半期ごとにリセットする。
というものだ。

 加藤敏春氏のWeb講義に挙げられたエコマネーの特徴
  1. 使える範囲:お金に換算できない、非経済的な部分にも使える
  2. 価格決定:思いやりや感謝の気持ちでその都度当事者間で決める
  3. 有効期限:ある
  4. 互換性:マネーと交換はできない
  5. 発行主体:住民らが自発的に発行
  6. 性格:数値に表れない「気持ち」を示す温かいお金
と基本的には同一である。

 過去に失敗したポイント競争と本質的に異なるのは
  • 書き込み者側が機械的にポイントを獲得するのではない。書き込まれた側が内容に応じて「マネー」を振り込むという趣旨。
  • 2者間はもとより、3者以上の間の交流も活発にできる。例えば、AがBをリビュー、BがCをリビュー、CはAをリビューというように。
  • リビューを受けてばかりいると、赤字が拡大していく。
といった点だ。

 なお、この企画は成績評価には反映しないことを前提としている。全員が何も書き込まないとマネーは動かないという心配が出てくるが、この場合は、教員が率先してリビューを行い振り込みを活性化させる。教員が大幅に黒字になった時にどの範囲で使用できるかは検討中。