じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] スノーフレーク。何の世話もしていないが、毎年たくさんの花を咲かせている。





3月27日(水)

【ちょっと思ったこと】

メール族、固定電話族、ケータイ族それぞれの自己主張

 2日前、某大学の先生からFAXが入った。27日に岡大に来る用事があるが、時間が余れば会いたい、但し時刻が定まらないので、連絡が取れなかった場合はまたの機会にというような内容だった。なるべく在室時間を多くして17時半頃まで待ってみたが結局電話は入らなかった。

 こんなことを書くと、何でケータイを使わないのかと言われそうだが、その先生も私も共に昔人間であってケータイを持ち歩く習慣が無い。また、私の研究室の留守電の応答は「ただいま留守にしております。ご用件はFAXまたは電子メイルでお願いします。FAXの場合はそのまま送信してください」というメッセージが流れるだけで、わざと伝言を録音できない設定にしてある。これでは急な都合を確かめる術もない。ま、それを不便と考えるか、気楽さと考えるかは別の問題であるが.....。

 それはそれとして、私の留守電のメッセージは、固定電話族にはあまり評判がよくないようだ。「ご用件はFAXまたは電子メイルで」などというメッセージを流したところで、FAX送信装置が無くネットにアクセスしたことの無い人には無理な話である。もっともこの設定によって、セールスや、相談を持ちかけてくる電話は随分と減ったように思う。「長谷川に電話してもいつも留守だ」という結果を繰り返し与えることによって、ちょっとしたことでものべつまくなしに電話をかけてくるような固定電話族からは敬遠されるようになる。

 結局のところ、コミュニケーションの手段としてどれを選ぶのかは、相手との関係、および自己主張によって決まってくるようだ。17時半すぎのNHKラジオでちょうど「礼儀作法の型」についての話題を取り上げていた。「型」を重視することはある意味では楽。「型」にはまらずに相手との関係を良好に保つには、そのつど相手の気持ちを思いやらなければならない。コミュニケーションツールの多様化によって必然的に「型」がくずれ、交流の文脈を重視した主体的な判断が迫られるようになってきた。




手を縛ったまま、ベストを裏返しに着る方法

 夕食時にちらっと視た手品種明かし番組で、手をしばったまま(あるいは指を組んだまま)、着ているベストを裏返しに着直すという手品をやっていた。手品というより、数学の世界。裏表という概念の数学的意味と、ベストのトポロジカルな特性が興味深い。




双子座が一人っ子座になる瞬間

 夜空を眺めている時、雲1つない快晴であるにもかかわらず明るい星が突然消え、5秒後に何事もなかったかのように輝きを取り戻したとしたら、それを見た人は素朴に何を考えるだろうか。

 こちらのニュースによれば、4/7に本当にそんなことが起こるという。パンドラという名前の小惑星が、双子座の明るい星の1つ、ポルックスを掩蔽するという現象で、北海道南部で見られると予測されている。もう少し近くなら年休を取ってでも見に行くであろうが、4/8に入学式&オリエンテーションがあることを考えると遠出は無理だ。

 それにしても、小惑星なんていっぱいあるんだから、もっと頻繁に星が隠されてもよいように思う。星図を広げて直線を引くとたいがいどこかの星と交わるのに、なぜ希にしか起こらないのだろうか。これはたぶん、恒星というものが、面積を持たない点に限りなく近いことが直感できないためであろうと思う。

 印刷された星図では、星はすべて面積をもった円として表示されている。だからこそ、線を引けば交わりやすい。ところが天空の恒星は、望遠鏡をどんなに拡大しても点でしかない。もちろん、一定の面積をもった星形に光っているように見えるけれども、これは大気や望遠鏡のレンズの影響にすぎない。だからこそ、その点が、ごくわずかの「面積」をもった小惑星によって隠されるというのはきわめて希な現象なのだ。単に星が見えなくなるだけのことだと言えばそれまでだが、遙か彼方の恒星と小惑星と観察者が一直線上に並ぶ瞬間にはもの凄いロマンを感じさせられる。